【完結】それでも僕は貴方だけを愛してる 〜大手企業副社長秘書α×不憫訳あり美人子持ちΩの純愛ー

葉月

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9 / 202

翌日 ②

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 昨日のディナーのお礼にと、まだ料理勉強中の瑞稀は、拙いながらも晴人のために朝食を作るこことにした。

「熱っ…」

 ベーコンエッグを作ろうと、ベーコンの上に卵を割った時、腕がフライパンの淵にあたった。
 すぐに流水で冷やしたが、フライパンに当たった場所がジンジンする。

 本当は氷水で冷やした方がいいんだろうが、そんなことをしているうちに、晴人が起きてきてしまうかもしれない。
 少し水膨れができたが、瑞稀はそのまま料理をすることにした。

 瑞稀が考えた料理は、こうだ。
 ベーコンエッグ、レタスときゅうりとプチトマトのサラダ。コーンスープにりんご入りのヨーグルトにクロワッサン。それに晴人はアメリカンコーヒーで瑞稀はカフェオレ。
 晴人はサラダのドレッシングもスープも手作りするが、瑞稀はそんな高度な技術はなく…。
 以前、瑞稀が料理するように買っていた、市販のドレッシングと粉のインスタントのコーンスープを用意する。

 蜜が入ったりんごを切り、後は晴人が起きてきた時にヨーグルトを混ぜるだけにしていると、ガチャリとキッチンの扉が開く。

「おはよ」

 寝癖で少し髪がはねている晴人が寝起きの顔でやって来た。

「晴人さん、おはようございます」

 瑞稀はいつものように挨拶するが、ぴこんとはねた寝癖が気になってチラチラ見てしまう。

「今日もおいしそうだな~」

 晴人はそんな視線にんは気づかないようで、瑞稀が作った朝食のプチトマトを摘む。

「あ!歯磨きは終わられましたか?」

 摘んだままプチトマトを食べようとした晴人の手を、、瑞稀は止める。

「もちろん、終わってるよ」

 なぜか晴人は得意げ。
 
歯磨きの時、鏡、見なかったのかな?

 多分ぼーっとしながら歯磨きをしていたんだろう。
 いつも完璧な晴人。一緒に朝を迎えることが増えると気がつくことは何かとある。
 晴人は大学のころより朝食は取らなかったが、瑞稀と一緒に食べる朝食は好きだとか、実は朝が弱いとか…。

 寝癖のついた晴人の姿は可愛くて瑞稀は『ふふふ』と笑ってしまった。

「ん?」

 どうして笑われているのかわからない晴人が、首を傾げる。
 そんな晴人の仕草も愛おしい。

晴人さん、大好きです。

 その言葉を素直に言えたら、どんなにいいだろうか…。
 晴人は瑞稀に「大好きだよ」と気持ちを何度も伝えてくれる。
 瑞稀も同じ気持ちだが、言おうと思うたび恥ずかしすぎて、今まで言えずにいた。

今日こそは絶対に言うんだ。

 瑞稀は小さく深呼吸をした時、

「大好きだよ」

 晴人は囁き、瑞稀の髪にキスをした。

僕も晴人さんへの気持ちを伝え得るんだ。

 そう思うが瑞稀は耳の後まで真っ赤にして、今回もなにも言えず黙ったままは俯いてしまう。

「本当に可愛い」

 晴人が瑞稀の髪にもう一度キスをすると、瑞稀はそっと晴人の背中に腕を回し、ゆっくりと腕に力を入れる。

「瑞稀…?」

 今まで瑞稀がそんなことをしたことがなかったので、晴人は驚いた。

「……です…」

 消えそうなほどの小さな声で瑞稀は何かを言うと、恥ずかしさを隠すように、より晴人に抱きつく。

「?ごめん、聞こえなかった。もう一回言ってくれる?」

「本当に…聞こえなかったん…ですか?」

 顔を真っ赤にした瑞稀が、困った顔で晴人を見上げた。

「ああ。だから、もう一回言って」

「……」

 瑞稀は黙ってしまい、晴人の胸に顔を埋める。

「…。困らせてしまったみたいで、ごめんね。また今度言えそうになったら教えて。さ、せっかく作ってくれた朝ごはん、温かいうちにいただこう」

 そう言いながら、晴人が瑞稀の体を離そうとすると、

「あの!」

 瑞稀は晴人と離れたくないというように、腕に力を入れしっかりと抱きついた。

「あの、言いたくないとかじゃないんです…。僕は…その…あの…」

今日こそ!

 ゆっくりと瑞稀は晴人を見上げると、

「僕も…晴人さんのことが…、大好き…です」

 晴人の瞳を見つめながら言った。

「!!」

 今で瑞稀に「好き」だと言われたことがなかった晴人は、目を大きく見開き、瑞稀を見つめ返す。

「僕の方が、好きの気持ち…、大きいと…思います…」

 それだけ言うと瑞稀は晴人の視線から隠れるように、また晴人の胸に顔を埋めた。

「あの…僕…、これからもずっとずっと…晴人さんと…一緒にいたいです…」

 消えいるような声だが、晴人は耳を澄ませて、瑞稀の言葉を聞いた。

「……」
「……」

 2人の間に、沈黙が流れる。

 瑞稀は勇気を振り絞って言ったのだが、晴人の反応はなし。
 恐る恐る瑞稀が顔を上げると、晴人は優しい眼差しで瑞稀を見つめていた。

「それ…本当?」

 晴人の瞳に射抜かれた瑞稀は、コクコクと頷く。

「晴人さんのことが…大好きです」

 今まで言えなかった言葉を、はっきり言った。
 晴人は今まで見せたことがないほど嬉しそうに微笑み、

「キスして…いい?」

 瑞稀の顔に近づく。

「!!」

 瑞稀の心臓は飛び上がるほど脈打ち、気持ちが昂って体が震えた。

「怖い?」

 晴人が瑞稀の頭を撫でなると、瑞稀は首を横に振り、大きく深呼吸をすると、めいっぱい背伸びをし瞳を閉じた。





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