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思い出のクッキー ①
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昨晩の雪は、朝方まで降っていた。
電車が遅れるかもと、瑞稀と千景はいつもより早く家を出た。
道路の水溜りに今朝は氷が張っていて、瑞稀と手を繋ぎならっら氷の上を慎重に滑りながら歩く千景は、とても楽しそうだった。
「ママ、お仕事頑張ってね」
「いってらっしゃい」
千景と保育士に見送られながら、瑞稀は職場に向かう。
晴人と同じビル。
今日も偶然会うかも知れない。
偶然会ってしまって、どう反応すればいいのかわからない。
挨拶だけしよう。
挨拶だけして、目を合わせず横を通りすぎよう。
そんなことを考えながらも、心のどこかで晴人と偶然にでも出会えることを期待してしまう自分は、虫が良すぎるとも思う。
電車は遅れることなく、いつも通りの時間に来たので、瑞稀はいつもより早く職場に着き、着替えをしてから用具室に行くと、もう幸恵と和子の姿があった。
「昨日は大丈夫だった?」
「怖い思いはしなかったかい?」
二人とも心配そうに瑞稀を声を掛け、用具室に置いてある長椅子に瑞稀を座らせ、二人は瑞稀の両サイドに座った。
「はい。山崎さんと話できました」
「嫌なことは言われなかった?」
「紳士的に対応してくださりました。山崎さんが千景の父親だということは、はじめから伝えるつもりはなかったので、伝えていません」
「そうなんだね」
「それから山崎さんと連絡先の交換をしました。ですがあれからは、まだ連絡はとってませんし、連絡は取り合わないと思います。幸恵さん、和子さん、お騒がせして、すみませんでした」
瑞稀は二人に頭を下げた。
「また困ったことがあったら、なんでも言うんだよ」
「仕事だって、私たち二人で回せるんだからね」
「ありがとうございます」
涙が込み上げてきそうになった。
こんな素敵な方々がそばにいてくれるなんて…。
おばあちゃん、僕は幸せ者です。
天国で瑞稀と千景のことを見守っているだろう祖母に、語りかけた。
仕事はいつもの時間に、いつも通り始まった。
役員室は、まだ役員が来ていない間に三人で済ませるのが、いつもの流れだ。
幸恵と和子は瑞稀を気遣い二人ですると提案したが、瑞稀は「仕事はきちんとしたいんです」と、普段通り三人ですることになった。
一部屋一部屋、テキパキと済ませていき、次は副社長室となった。
まだ朝も早いので、昴も晴人もいないだろうと思うが、部屋のドアをノックする手が、緊張で震える。
電車が遅れるかもと、瑞稀と千景はいつもより早く家を出た。
道路の水溜りに今朝は氷が張っていて、瑞稀と手を繋ぎならっら氷の上を慎重に滑りながら歩く千景は、とても楽しそうだった。
「ママ、お仕事頑張ってね」
「いってらっしゃい」
千景と保育士に見送られながら、瑞稀は職場に向かう。
晴人と同じビル。
今日も偶然会うかも知れない。
偶然会ってしまって、どう反応すればいいのかわからない。
挨拶だけしよう。
挨拶だけして、目を合わせず横を通りすぎよう。
そんなことを考えながらも、心のどこかで晴人と偶然にでも出会えることを期待してしまう自分は、虫が良すぎるとも思う。
電車は遅れることなく、いつも通りの時間に来たので、瑞稀はいつもより早く職場に着き、着替えをしてから用具室に行くと、もう幸恵と和子の姿があった。
「昨日は大丈夫だった?」
「怖い思いはしなかったかい?」
二人とも心配そうに瑞稀を声を掛け、用具室に置いてある長椅子に瑞稀を座らせ、二人は瑞稀の両サイドに座った。
「はい。山崎さんと話できました」
「嫌なことは言われなかった?」
「紳士的に対応してくださりました。山崎さんが千景の父親だということは、はじめから伝えるつもりはなかったので、伝えていません」
「そうなんだね」
「それから山崎さんと連絡先の交換をしました。ですがあれからは、まだ連絡はとってませんし、連絡は取り合わないと思います。幸恵さん、和子さん、お騒がせして、すみませんでした」
瑞稀は二人に頭を下げた。
「また困ったことがあったら、なんでも言うんだよ」
「仕事だって、私たち二人で回せるんだからね」
「ありがとうございます」
涙が込み上げてきそうになった。
こんな素敵な方々がそばにいてくれるなんて…。
おばあちゃん、僕は幸せ者です。
天国で瑞稀と千景のことを見守っているだろう祖母に、語りかけた。
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幸恵と和子は瑞稀を気遣い二人ですると提案したが、瑞稀は「仕事はきちんとしたいんです」と、普段通り三人ですることになった。
一部屋一部屋、テキパキと済ませていき、次は副社長室となった。
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