【完結】それでも僕は貴方だけを愛してる 〜大手企業副社長秘書α×不憫訳あり美人子持ちΩの純愛ー

葉月

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山﨑晴人 ④

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「威嚇されたかな?」
 やれやれと言いながら、晴人の向かいに昴は座る。
「落ち着いたか…って、落ち着くはずないか」
 晴人の腕組みをした手が、イライラと小刻みに腕を叩いている。

「晴人、もう一度聞くけど、さっきの子が瑞稀くん?」
「はい、そうです」
「そっか……」
 昴は大きくため息をつく。
 瑞稀は晴人の元を去る時、晴人のスマホのアルバムの中で瑞稀自分が写っている写真を全て消していたため、昴は瑞稀の顔を知らない。
「ここで瑞稀くんが働いてたのは……知らなかったよな?」
「知ってたらもっと前に会いに行ってます」
 ぶっきらぼうに晴人は答える。
 ますます苛立っているようだ。

「だろうな。さて、これからどうするか……」
 昴は腕組みをして、う~んと考え込む。
「晴人、これから瑞稀くんとどうしたいんだ?」
「それは……」
 どうしたいか?と聞かれて、言葉が詰まった。
 瑞稀がいなくなってから、ずっと瑞稀のことを探し続けていた。

ー瑞稀さえ見つけられれば……ー

 そればかり考えていた。
 だから見つかった今、どうしたいか?と聞かれても、咄嗟に何がしたいのか思いもつかなかい。
 それでも、
「話がしたいです」
「話?」
「今まで、どこにいたのか? 誰といたのか? 俺がどれだけ探したのか……」
 言い出したら、聞きたいことだらけだ。
 どうして急にいなくなった?
 なにが原因なのか?
「俺たち、うまくいっていたのに……」
 うまくいっている。

 そう思っていたのは晴人自分だけだったのなら、どうして言ってくれなかったんだ?
『なぜ?』『どうして?』が溢れてくる。
「そ浮かぶ。じゃあさ、それ聞いて、晴人はどうしたい?」
 昴はまた同じような質問をする。
「どうしたいって……どうしたいって……」
 昴に聞かれて、晴人はまた答えに詰まる。
 
そんなのわからない。
瑞稀がどうして急にいなくなったのかもわからないのに、その先どうしたいなんて、わかるはずがない。

「今さっき会ったばかりなのに、どうしたいなんてわからないです」
 わからないから、わからない。晴人はそう答えたのに、
「じゃあさ、もし瑞稀くんに次会ったとしよう。その時、瑞稀くんが晴人が思ってた答えと違うことを答えたら、お前は今のように棘のある言い方をするのか?」
 冷静に昴に指摘された。
「いつもの冷静な晴人はどうした? すぐ目の前の感情に流されるな」
「……」
「ずっと会いたかったんだろ? 一度はもう会えないと諦めかけたんだろ? それが今日、再会できたんだ。もっと喜べ」
 怒鳴りつけられるより、よっぽど昴の言葉が身に染みる。

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