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お別れ遠足 ④
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午前中の散策が終わり、お弁当の時間となった。
雫と千景が持ってきたレジャーシートを繋げて敷き、千景に弁当を渡す。
「ねぇママ、開けていい?」
「どうぞ、召し上がれ」
「やったー!!」
千景は好きなキャラクターの弁当を開け、
「わぁ~! 僕の好きなものばっかり入ってる!」
歓喜の声をあげる。
唐揚げ、ハンバーグ、マカロニサラダ、フライドポテト、ウインナー、ブロッコリーとプチトマト。おにぎりはくまの顔になっていて、デザートは奮発して苺にした。
「ママ、ありがとう!」
「どういたしまして」
瑞稀にとって千景の笑顔が何よりの喜びだ。
「昴くん……僕もお弁当、ある?」
母親と来ていない雫は、自分の弁当があるのか心配そうだ。
「もちろんあるぞ。はい、これが雫のお弁当」
昴に弁当を手渡され、雫がパーっと明るくなる。
「開けていい?」
「もちろん」
落とさなように、雫は恐竜の絵柄のついた弁当箱をゆっくり開ける。
「わぁ~、僕の好きなものばっかり! ありがとう昴くん!」
雫から笑みが溢れる。
「お礼なら、家に帰ってママにいいな。その弁当、ママが雫のためにって朝早くから作ってくれてたぞ」
「ママが僕のために」
「ああ。『大事な大事な雫が遠足、楽しめますように』ってな。だから家に帰ったら、遠足の話し、沢山してやるんだぞ」
「うん!」
先ほどの不安そうな表情は消え、雫はキラキラした瞳で弁当をじっと見る。
「それじゃあ『いただきます』する?」
「するする!」
瑞稀と昴も自分の弁当を鞄から取り出す。
「それではみなさん。手を合わせましょ。は~い」
保育園の時のように雫が言うと、全員で手を合わせ、
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
同じタイミングで食べ始める。
千景と雫はお互いの弁当の中身を見せ合いながら「おいしいね、おいしいね」と言いながらパクパク食べていく。
保育園に通い始めた時は、あんなに小さかったのに……。
楽しそうに弁当を食べる千景の姿を見て、瑞稀は胸が熱くなる。
「本当、子どもって可愛い」
雫の姿を昴は優しい顔で見つめながら言った。
「そうですね……」
本当に可愛いいと思う。
だが、その言葉は瑞稀の胸に、ちくりと小さな針を刺す。
「本当に雫が可愛くてしかたなくて。甘やかしすぎて姉さんに怒られっぱなしなんだよ」
困った顔をしたが、どこか嬉しそうに昴は笑った。
「雫くんにとって、内藤さんは大好きな叔父様だと思いますよ」
「だといいんだけどね」
そう言いながら、昴は弁当の中身を落としそうになっている雫に「落ちる、落ちる!」と声をかけながら、弁当箱を持ち直させる。
『本当、子どもって可愛い』
本当にそう思う。
でもその言葉を本当に聞きたかった愛する人の口からは、一度も聞くことができなかったことが、瑞稀の中でずっと引っ掛かっていた。
人がどう思うかなんて強制できることではない。
だが、どうしても割り切れない気持ちが瑞稀の中にはあった。
雫と千景が持ってきたレジャーシートを繋げて敷き、千景に弁当を渡す。
「ねぇママ、開けていい?」
「どうぞ、召し上がれ」
「やったー!!」
千景は好きなキャラクターの弁当を開け、
「わぁ~! 僕の好きなものばっかり入ってる!」
歓喜の声をあげる。
唐揚げ、ハンバーグ、マカロニサラダ、フライドポテト、ウインナー、ブロッコリーとプチトマト。おにぎりはくまの顔になっていて、デザートは奮発して苺にした。
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「開けていい?」
「もちろん」
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雫から笑みが溢れる。
「お礼なら、家に帰ってママにいいな。その弁当、ママが雫のためにって朝早くから作ってくれてたぞ」
「ママが僕のために」
「ああ。『大事な大事な雫が遠足、楽しめますように』ってな。だから家に帰ったら、遠足の話し、沢山してやるんだぞ」
「うん!」
先ほどの不安そうな表情は消え、雫はキラキラした瞳で弁当をじっと見る。
「それじゃあ『いただきます』する?」
「するする!」
瑞稀と昴も自分の弁当を鞄から取り出す。
「それではみなさん。手を合わせましょ。は~い」
保育園の時のように雫が言うと、全員で手を合わせ、
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
同じタイミングで食べ始める。
千景と雫はお互いの弁当の中身を見せ合いながら「おいしいね、おいしいね」と言いながらパクパク食べていく。
保育園に通い始めた時は、あんなに小さかったのに……。
楽しそうに弁当を食べる千景の姿を見て、瑞稀は胸が熱くなる。
「本当、子どもって可愛い」
雫の姿を昴は優しい顔で見つめながら言った。
「そうですね……」
本当に可愛いいと思う。
だが、その言葉は瑞稀の胸に、ちくりと小さな針を刺す。
「本当に雫が可愛くてしかたなくて。甘やかしすぎて姉さんに怒られっぱなしなんだよ」
困った顔をしたが、どこか嬉しそうに昴は笑った。
「雫くんにとって、内藤さんは大好きな叔父様だと思いますよ」
「だといいんだけどね」
そう言いながら、昴は弁当の中身を落としそうになっている雫に「落ちる、落ちる!」と声をかけながら、弁当箱を持ち直させる。
『本当、子どもって可愛い』
本当にそう思う。
でもその言葉を本当に聞きたかった愛する人の口からは、一度も聞くことができなかったことが、瑞稀の中でずっと引っ掛かっていた。
人がどう思うかなんて強制できることではない。
だが、どうしても割り切れない気持ちが瑞稀の中にはあった。
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