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覚悟 ③
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なぜ晴人がクッキーのメーカーを指定してまで、このクッキーを食べていたのか、瑞稀は知りたくてならなかった。
晴人さんには、もう関わらないって決めたのに……。
メーカー指定してまで、このクッキーなんですか?
聞きたかった。
でも、
聞いてどうする?
とも思う。
晴人とはもう関わらない。
もう関わらないと決めたのだから、きちんと嫌われて、瑞稀は晴人の中で忌々しく、すぐに忘れられる存在でなければならない。
「それじゃあ行きますね。もう僕に話しかけないでください」
今度こそ晴人の前から立ち去ろうとすると、晴人に手首を掴まれた。
「やっぱり諦められない……」
困ったように眉をへの字にしながら晴人は微笑む。
「瑞稀が俺の前からいなくなってしまったのは、俺が瑞稀を傷つけることをしたからだってわかってる。だから再会してからは、絶対に瑞稀を怖がらせたり傷つけたりしないと決めていたんだ。今回、瑞稀がもう俺と関わりたくないってなった時、俺は瑞稀の気持ちを大切にしたくて、もう関わりを持たないって決めたんだ………。だけど……それは無理だ……」
晴人は苦しそうに悲しそうに話すので、瑞稀は目が離せない。
「気持ち悪がられるかもしれないけど、家にいても、会社にいても、街で歩いていても、テレビを見ていても、眠っていても、どんなところにいても、何をしていても、いろんなところで瑞稀を探してしまうんだ」
「……」
「『ああ、これは瑞稀が好きなものだ』とか『ここには瑞稀と一緒に来たな』とか、『この番組はよく一緒に観たな』とか……」
「……」
「このクッキーだってそうなんだ。店で見かけると、ついつい買ってしまう。このクッキーを見ると、瑞稀が喜ぶ顔が目に浮かぶんだ。もっと有名店だったり、話題の店のクッキーだってあるのに、瑞稀はどこのスーパーでも売っている、このクッキーがいいって言って、俺と一緒に食べるこのクッキーが一番美味しいと言ってくれていた顔が忘れられない」
「……」
「俺は瑞稀に何も求めてはいけないってわかってる。でももう二度と瑞稀と離れたくないんだ。愛してるんだ……」
晴人の瞳からはらりと1粒の涙が流れる。
瑞稀は晴人と一緒にいた間、どんなことことがあっても晴人の涙を見たことがなかった。
『僕もです。僕もどんなところにいても、何をしていても、いろんなところで晴人さんを探してしまいます』
そう言いたかった。
だが瑞稀が晴人に言った言葉は、
「迷惑なんです……」
一番思っていない言葉だった。
晴人さんには、もう関わらないって決めたのに……。
メーカー指定してまで、このクッキーなんですか?
聞きたかった。
でも、
聞いてどうする?
とも思う。
晴人とはもう関わらない。
もう関わらないと決めたのだから、きちんと嫌われて、瑞稀は晴人の中で忌々しく、すぐに忘れられる存在でなければならない。
「それじゃあ行きますね。もう僕に話しかけないでください」
今度こそ晴人の前から立ち去ろうとすると、晴人に手首を掴まれた。
「やっぱり諦められない……」
困ったように眉をへの字にしながら晴人は微笑む。
「瑞稀が俺の前からいなくなってしまったのは、俺が瑞稀を傷つけることをしたからだってわかってる。だから再会してからは、絶対に瑞稀を怖がらせたり傷つけたりしないと決めていたんだ。今回、瑞稀がもう俺と関わりたくないってなった時、俺は瑞稀の気持ちを大切にしたくて、もう関わりを持たないって決めたんだ………。だけど……それは無理だ……」
晴人は苦しそうに悲しそうに話すので、瑞稀は目が離せない。
「気持ち悪がられるかもしれないけど、家にいても、会社にいても、街で歩いていても、テレビを見ていても、眠っていても、どんなところにいても、何をしていても、いろんなところで瑞稀を探してしまうんだ」
「……」
「『ああ、これは瑞稀が好きなものだ』とか『ここには瑞稀と一緒に来たな』とか、『この番組はよく一緒に観たな』とか……」
「……」
「このクッキーだってそうなんだ。店で見かけると、ついつい買ってしまう。このクッキーを見ると、瑞稀が喜ぶ顔が目に浮かぶんだ。もっと有名店だったり、話題の店のクッキーだってあるのに、瑞稀はどこのスーパーでも売っている、このクッキーがいいって言って、俺と一緒に食べるこのクッキーが一番美味しいと言ってくれていた顔が忘れられない」
「……」
「俺は瑞稀に何も求めてはいけないってわかってる。でももう二度と瑞稀と離れたくないんだ。愛してるんだ……」
晴人の瞳からはらりと1粒の涙が流れる。
瑞稀は晴人と一緒にいた間、どんなことことがあっても晴人の涙を見たことがなかった。
『僕もです。僕もどんなところにいても、何をしていても、いろんなところで晴人さんを探してしまいます』
そう言いたかった。
だが瑞稀が晴人に言った言葉は、
「迷惑なんです……」
一番思っていない言葉だった。
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