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父親 ②
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背中をピシっと伸ばし、緊張した面持ちでローテーブルの前に正座をしている晴人の隣りに、千景も晴人の真似をしてちょこんと正座をしている。
いつもは瑞稀と千景しかいない部屋に、晴人が千景といるなんて、まるで夢のよう。
瑞稀はコーヒーを淹れつつ、食器棚からマグカップを3つ用意し、その一つには牛乳を入れレンジで温める。
晴人と同じ空間の中、コーヒーの香りが漂う。
またこんな日がくるなんて……。
今、この時の幸せを噛み締めつつも懐かしい記憶も蘇り、胸が熱くなる。
目頭が熱くなる。
ウルっと涙が浮かんでくるのを、堪えた。
「お待たせしました」
晴人の前にはコーヒーのブラックを置き、千景の前にはホットミルク、そして自分の前にはカフェオレを置いた。
「あったかいミルクだ。ねぇママ、クッキーも出していい?」
「いいよ。お菓子の棚にあるからとっておいで」
「やったー」と飛び跳ねるように千景はたち上がると棚に向かう。
晴人は千景の姿を微笑みながら見ていたが、ふと自分の前に置かれたカップを見て驚き、手に取った。
「このカップ、一緒に住んでいた時に俺が使ってた物と同じデザインだよね」
「ネットでたまたま見つけたので……」
そこまで瑞稀は言いかけたが、
「やっぱり違います。ネットでたまたま見つけたんじゃなくて、晴人さんが家にきてくださることがあったら、いつでもコーヒーをお出しできるようにって同じカップと、お好きなコーヒーの銘柄探しました。もし、今は違うものがお好きだったら次来られる時までに用意しておきますので、おっしゃってください」
と、言い直した。
実は晴人によりを戻そうと言われた時から、瑞稀は晴人がいつ家を訪れてもいいように、晴人のお気に入りのカップとコーヒーを、ネットで取り寄せていた。
「次って、また来ていいの? そんなこと言われたら、俺、ずっと来るよ」
グイッと晴人は身を乗り出す。
「晴人さんがよろしければ、いつでも、何度でも来てください」
今までの瑞稀では、いつも周りの人のことを一番に考えすぎて、こんなに自分の気持ちをはっきり言ったことがなかった。
でも晴人の前では晴人にも自分にも正直であろうと決めた。
自分の気持ちをまっすぐに伝えるのは慣れていないので、相手に嫌な思いをさせていないか心配になる部分があるが、それよりも間違った忖度で晴人とすれ違いを起こしたくなかった。
「じゃあ、明日も来たいって言ったら?」
「来てください」
「明後日も来たいって言ったら?」
「明後日も来てください」
「明々後日は?」
「明々後日も、いつでも千景に会いに来てやってください」
晴人さんのことがパパだといいなと言っていた、千景に会いに来て欲しい。
そしていつか千景に、千景の父親は晴人だと言うことを瑞稀は伝えたかった。
「じゃあ俺は、毎日瑞稀と千景くん、愛する2人に会いに来るよ」
毎日晴人に会えると思っただけで、嬉しくて胸がドキドキする。
「じゃあ、夕食作って待ってます」
言った後で恥ずかしくなってきて、瑞稀は頬を赤らめて下を向いてしまった。
いつもは瑞稀と千景しかいない部屋に、晴人が千景といるなんて、まるで夢のよう。
瑞稀はコーヒーを淹れつつ、食器棚からマグカップを3つ用意し、その一つには牛乳を入れレンジで温める。
晴人と同じ空間の中、コーヒーの香りが漂う。
またこんな日がくるなんて……。
今、この時の幸せを噛み締めつつも懐かしい記憶も蘇り、胸が熱くなる。
目頭が熱くなる。
ウルっと涙が浮かんでくるのを、堪えた。
「お待たせしました」
晴人の前にはコーヒーのブラックを置き、千景の前にはホットミルク、そして自分の前にはカフェオレを置いた。
「あったかいミルクだ。ねぇママ、クッキーも出していい?」
「いいよ。お菓子の棚にあるからとっておいで」
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晴人は千景の姿を微笑みながら見ていたが、ふと自分の前に置かれたカップを見て驚き、手に取った。
「このカップ、一緒に住んでいた時に俺が使ってた物と同じデザインだよね」
「ネットでたまたま見つけたので……」
そこまで瑞稀は言いかけたが、
「やっぱり違います。ネットでたまたま見つけたんじゃなくて、晴人さんが家にきてくださることがあったら、いつでもコーヒーをお出しできるようにって同じカップと、お好きなコーヒーの銘柄探しました。もし、今は違うものがお好きだったら次来られる時までに用意しておきますので、おっしゃってください」
と、言い直した。
実は晴人によりを戻そうと言われた時から、瑞稀は晴人がいつ家を訪れてもいいように、晴人のお気に入りのカップとコーヒーを、ネットで取り寄せていた。
「次って、また来ていいの? そんなこと言われたら、俺、ずっと来るよ」
グイッと晴人は身を乗り出す。
「晴人さんがよろしければ、いつでも、何度でも来てください」
今までの瑞稀では、いつも周りの人のことを一番に考えすぎて、こんなに自分の気持ちをはっきり言ったことがなかった。
でも晴人の前では晴人にも自分にも正直であろうと決めた。
自分の気持ちをまっすぐに伝えるのは慣れていないので、相手に嫌な思いをさせていないか心配になる部分があるが、それよりも間違った忖度で晴人とすれ違いを起こしたくなかった。
「じゃあ、明日も来たいって言ったら?」
「来てください」
「明後日も来たいって言ったら?」
「明後日も来てください」
「明々後日は?」
「明々後日も、いつでも千景に会いに来てやってください」
晴人さんのことがパパだといいなと言っていた、千景に会いに来て欲しい。
そしていつか千景に、千景の父親は晴人だと言うことを瑞稀は伝えたかった。
「じゃあ俺は、毎日瑞稀と千景くん、愛する2人に会いに来るよ」
毎日晴人に会えると思っただけで、嬉しくて胸がドキドキする。
「じゃあ、夕食作って待ってます」
言った後で恥ずかしくなってきて、瑞稀は頬を赤らめて下を向いてしまった。
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