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呼ぶ声
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ーレオ!レオ!ー
遠くで僕の名前を呼ぶ声がする。
ーレオ!レオ!ー
その声はとても懐かしくて、愛しい声。
「ミカ?」
そう言いながら、うっすらと目を開けると倒れている僕を抱きしめ、泣きながら僕の顔を上から見つめるミカの姿があった。
ーレオ!良かった、気がついてー
泣き顔に安堵の表情が浮かび、僕を抱きしめる力が強くなる。
ーレオ、よく聞いて。今開いている、あの白く光っている扉は、もうすぐ閉まってしまう。だからレオはあの扉が開いている間に、扉の向こうへ行かないとダメなんだ。わかる?ー
ミカが話す本当の意味はわからなかったけれど、言葉単体の意味はわかったので頷く。
ー僕がレオが手をかざすと、レオの中に僕の力が入っていく。その力を使って、あの扉の向こうに行くんだよ ー
そういいミカが僕に手をかざすと、暖かな光が全身を包み込み、さっきまで指一本動かせなかったのが嘘のようだ。
「本当だ、ミカの力が僕の中に入ってきたのがわかったよ」
ミカとこうして話ができるのは、ミカがお別れを言いに来てくれた時。
ミカと会えるのは、あの時が最後だと思っていてたけれど、またこうして会えている。
もしかすると、ミカが流行病になって死んでしまったのは嘘で、今ここでミカと話、これからもミカと生活していくのが本当なんじゃないか?
ーレオは輝く世界に戻るんだ。レオのことをずっと待っている人のところに、戻るんだー
ミカは僕の手を引き二人で扉の前までくると、扉の上に天使が一人、飛んでいた。
ーいい?レオ。決して振り返ってはいけないよ。さぁ行ってー
ミカは繋いでいた手を離す。
「ミカも一緒に行こう」
僕が手を繋ぎ直そうとすると、
ー僕は行けないー
首を横に振る。
「どうして?」
ー僕がいていい世界はこっちで、向こうじゃないんだー
僕にだってミカが言いたい『こっちの世界』の意味はわかった。
でもやっとミカに逢えた。
ミカにはたくさん話したことも、たくさん一緒にしたいこともある。
だからこれからはミカと一緒に、したいことをしていくんだ。
だから僕は……。
「僕は帰らない」
そう言った時、分厚い扉は閉まり始めた。
ー!レオ、なんてことを!!ー
ミカは慌てて僕の腕を強く掴むが、僕はミカの手を振り払う。
「僕はもう帰らない。僕が一緒にいたいのはミカだけなんだ!あんなところ、もう帰りたくない!帰らない!」
僕は初めてミカに怒鳴った。
ーレオ!そんなことを言ってはいけない。そんなことを言えば……ー
扉が閉まるスピードが上がる。
ああ。あの扉が閉まれば、僕なずっとミカと一緒にいられる。
「僕は絶対に……」
そこまで言った時、
ーうん、一緒にいようー
とミカは僕を力一杯抱きしめてくれた。
「本当に?」
ーああ、本当にー
「ずっと一緒?」
ーうん、ずっと一緒ー
ミカは微笑んだ。
とても優しい微笑みに、
「ありがとう、ミカ」
そう言いながら僕が目を瞑ると、ミカがトンっと僕の体を後に押し、僕の体は扉の向こう側へと倒れていく。
ーでもここでは一緒にいられない。向こうには、レオを待っているたくさんの人がいる。ねぇレオ。僕は言ったよ。『目には見えなくても、僕はずっとレオのそばにいる。ずっと一緒にいるよ』ってー
「そんなの嫌だ!僕はここでミカと一緒にいたい!」
扉の向こう側に吸い込まれながら僕はミカに手を伸ばすが、ミカは手を伸ばしてはくれない。
ー大好きな僕のレオ……。命を無駄にしないで。僕達の分までたくさん生きて……ー
「ミカ!!」
限界まで手を伸ばしたが、その手はミカには届かず、ギギギと音を立てながらミカと僕の間を隔てた扉は閉まっていった。
遠くで僕の名前を呼ぶ声がする。
ーレオ!レオ!ー
その声はとても懐かしくて、愛しい声。
「ミカ?」
そう言いながら、うっすらと目を開けると倒れている僕を抱きしめ、泣きながら僕の顔を上から見つめるミカの姿があった。
ーレオ!良かった、気がついてー
泣き顔に安堵の表情が浮かび、僕を抱きしめる力が強くなる。
ーレオ、よく聞いて。今開いている、あの白く光っている扉は、もうすぐ閉まってしまう。だからレオはあの扉が開いている間に、扉の向こうへ行かないとダメなんだ。わかる?ー
ミカが話す本当の意味はわからなかったけれど、言葉単体の意味はわかったので頷く。
ー僕がレオが手をかざすと、レオの中に僕の力が入っていく。その力を使って、あの扉の向こうに行くんだよ ー
そういいミカが僕に手をかざすと、暖かな光が全身を包み込み、さっきまで指一本動かせなかったのが嘘のようだ。
「本当だ、ミカの力が僕の中に入ってきたのがわかったよ」
ミカとこうして話ができるのは、ミカがお別れを言いに来てくれた時。
ミカと会えるのは、あの時が最後だと思っていてたけれど、またこうして会えている。
もしかすると、ミカが流行病になって死んでしまったのは嘘で、今ここでミカと話、これからもミカと生活していくのが本当なんじゃないか?
ーレオは輝く世界に戻るんだ。レオのことをずっと待っている人のところに、戻るんだー
ミカは僕の手を引き二人で扉の前までくると、扉の上に天使が一人、飛んでいた。
ーいい?レオ。決して振り返ってはいけないよ。さぁ行ってー
ミカは繋いでいた手を離す。
「ミカも一緒に行こう」
僕が手を繋ぎ直そうとすると、
ー僕は行けないー
首を横に振る。
「どうして?」
ー僕がいていい世界はこっちで、向こうじゃないんだー
僕にだってミカが言いたい『こっちの世界』の意味はわかった。
でもやっとミカに逢えた。
ミカにはたくさん話したことも、たくさん一緒にしたいこともある。
だからこれからはミカと一緒に、したいことをしていくんだ。
だから僕は……。
「僕は帰らない」
そう言った時、分厚い扉は閉まり始めた。
ー!レオ、なんてことを!!ー
ミカは慌てて僕の腕を強く掴むが、僕はミカの手を振り払う。
「僕はもう帰らない。僕が一緒にいたいのはミカだけなんだ!あんなところ、もう帰りたくない!帰らない!」
僕は初めてミカに怒鳴った。
ーレオ!そんなことを言ってはいけない。そんなことを言えば……ー
扉が閉まるスピードが上がる。
ああ。あの扉が閉まれば、僕なずっとミカと一緒にいられる。
「僕は絶対に……」
そこまで言った時、
ーうん、一緒にいようー
とミカは僕を力一杯抱きしめてくれた。
「本当に?」
ーああ、本当にー
「ずっと一緒?」
ーうん、ずっと一緒ー
ミカは微笑んだ。
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「ありがとう、ミカ」
そう言いながら僕が目を瞑ると、ミカがトンっと僕の体を後に押し、僕の体は扉の向こう側へと倒れていく。
ーでもここでは一緒にいられない。向こうには、レオを待っているたくさんの人がいる。ねぇレオ。僕は言ったよ。『目には見えなくても、僕はずっとレオのそばにいる。ずっと一緒にいるよ』ってー
「そんなの嫌だ!僕はここでミカと一緒にいたい!」
扉の向こう側に吸い込まれながら僕はミカに手を伸ばすが、ミカは手を伸ばしてはくれない。
ー大好きな僕のレオ……。命を無駄にしないで。僕達の分までたくさん生きて……ー
「ミカ!!」
限界まで手を伸ばしたが、その手はミカには届かず、ギギギと音を立てながらミカと僕の間を隔てた扉は閉まっていった。
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