【完結】たとえ彼の身代わりだとしても貴方が僕を見てくれるのならば… 〜初恋のαは双子の弟の婚約者でした〜

葉月

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日記と手紙 ③

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○月×日  大好きなレオへ

 今日は僕の友達、ルーカスから初めて手紙が届いたよ。
 ルーカスは僕たちの2歳年下で、口は悪くて、乱暴な話し方なんだけど、初めて会った時に僕が咳をしていたら、マントを貸してくれる優しい奴なんだ。

 ルーカスの話ではね、今帝都では『練り飴』と言って、柔らかく溶かした飴を練って、動物の形にした飴が流行ってるみたい。

 本当はルーカスもその練り飴が欲しいんだけど、小さい子が喜びそうなものだから、欲しいというのは恥ずかしいんだって。
 ルーカスは僕たちよりも年下で、幼いから欲しいって言ってもいいのに言えないなんて、笑っちゃうだろ?

 もし僕が帝都に行く時があったら、僕がルーカスとレオに練り飴買ってあげるよ。
 だからレオも楽しみにしててね。



△月×日 大好きなレオへ

 今日の入れ替わりごっこ、楽しかったね。誰も僕たちが入れ替わったこと、気がつかなかったね。

 あ、でもサイモンは気が付いていたんだ。レオと僕の顔や姿や話し方は、全然違うって。

 でもサイモンは僕たちには、入れ替わりがわからなかったフリをしてただろ?
 なんでそんなことしたの?って聞いたら「2人とも一生懸命、相手になりきってたのが可愛くて」だってさ。
 このことはレオには秘密にするって約束したんだけど……、日記の中のレオに話しかけるのはいいよね。
 それにしても、あんなに完璧に入れ替わったのに、やっぱりサイモンはみんなと違うね。



□月○日 大好きなレオへ

 18歳の誕生日になったら、大好きなサイモンと結婚するって、親友のルーカスに手紙を出したら、ルーカスなんてあったと思う?

『俺にはオリバーのどこがいいかわからない』なんだよ!

 僕は一瞬、目を疑ったよ。
 あのサイモンのいいところがわからないって、ルーカスの目はどんなに節穴なんだよ。
 そんな失礼なルーカスには、もう返事は出さない。
 僕は怒ってるんだからね。



×月○日 大好きなレオへ

 今日からサイモンは夏の間、邸宅に泊まってくれることになったね。
 最近サイモンは忙しくて、なかなか会えなかったから僕たち、今日の日を本当に楽しみにしてたね。

 なのに僕の咳が治らなくて、父様たちに咳のことを秘密にしてなんて言ったから、レオが怒られてサイモンに会えなくなってしまって、本当にごめんなさい。

 サイモンにレオがすごく会いたがっていたって言っておいたから、きっとサイモンはレオのところに行ってくれたと思う。
 サイモンは僕たちのことを『特別だ』って言ってくれてたけど、僕に対しての特別と、レオに対しての特別は違うと思う。
 レオはどう思う?


×月□日  大好きなレオへ

昨日、ルーカスから『ごめん』って手紙が届いたんだ。

ルーカスに手紙を出さなくなって一ヶ月が経って、僕、いろいろ考えたんだ。
僕、ルーカスのこと友達としてじゃなく、好きみたい。
だから今度出す手紙には、仲直りしてちゃんとルーカスに好きだって書くんだ。



×月△日  大好きなレオへ

 昨日、街での買い物の時、わがまま言っちゃってごめんね。
 あんなこと風に言うつもりは、なかったんだ。
 
 本当は街で買ったレモンの木を、街がよく見えたあの丘の上に、一緒に植えたかったんだ。 
 そうしたら僕が一緒に丘に行けなかったとしても、レモンの木が僕の代わりになってくれるでしょ?

 それにねレオがいつも淹れてくれるお茶は、レモンの香りがして僕は大好きなんだ。
 だからいつかレモンの実がなったら、今度は僕がレオにお茶を淹れてあげるね。

 それまでに、こっそりお茶を淹れる勉強しないと!



 ページをめくっていくと、次のページはひどく乱れた字で書かれていた。


×月×日  大好きなレオへ

熱が下がらなくて、たくさん吐いてしまう。
今回の風邪は本当に厳しいかしれない。

本当はレオに会いたいけど、僕の風邪をうつしてしまうといけないから、まだ会いにいけないんだ。
父様と母様から、レオも熱があるって聞いて心配だよ。

僕、毎日神様に「レオが早く元気になりますように」ってお祈りしているから、誰に対しても優しいレオを神様はきっと、元気ににしてくださるよ。

レオ、もし、この日記を見ることがあれば一つお願いがあるんだ。
それはルーカスへの手紙を代筆して、届けて欲しいんだ。
本当は僕が書けばいいんだけど、こんな汚い字、ルーカスには見せられない。
だからお願い、どうか僕の気持ちをルーカスに届けて欲しい。


 日記には青い小さな花の押し花がされている便箋が出てきた。
 確かこれはサイモンとミカと僕と一緒に街に買い物に行った時、ミカが買っていた便箋だ。

「ルーカス様、今からミカからルーカス様への手紙を読みます」
 僕はミカの気持ちが伝わるように、ゆっくりとミカからの手紙を声に出して読んだ。
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