完 婚約破棄の瞬間に100回ループした悪役令嬢、おせっかいしたら王子に溺愛されかけた為、推しと共に逃亡いたします。

水鳥楓椛

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 発狂して泣き出しそうな表情で叫んだディートリヒに、ヴァイオレットは慈愛の笑みを浮かべた。

「今年成人を迎えた16歳ですわ。あぁ、他にも執務室の椅子がいくらふかふかで寝心地がいいと言っても眠ってはいけませんと、執務室を逃げ出して木登りをしてはいけません。後は、侍従たちとの鬼ごっこももうやめるのですよ?わたくしがいなくなったからと言って、自由気ままに過ごしてはいけません。執務をしっかりとこなし、好き嫌いせずものを食べ、濡れるのが嫌でもちゃんとお風呂に入って、楽しい本があったとしても12時になる前にお布団に入ってちゃんと眠るのですよ?と言わなくてはなりませんでしたね」
「もぅ、」
「?」
「もう、やめてくれえええぇぇぇぇぇぇ!!」

 びゃーっと泣き崩れたディートリヒに首を傾げたヴァイオレットは、よしよしと彼の頭を撫でる。

「男の子だから泣いちゃいけませんと王太子としてもっと相応しい行動をとってくださいも言わないとダメなのですか?ほら、しゃんと立ちなさい」

 にっこりと笑ったヴァイオレットは、くるっと周囲を見まわし、明らかに焦った表情をしている男を見つけた。

(あらあらまあまあ、司祭さまのお顔色が優れないわね)

 ディートリヒの愛おしい人であり、聖女であるマリーナの育ての親。
 ヴァイオレットは今まさにそのことに気がついたと言わんばかりに顔を驚きに染め、彼の方に向かう。


*************************

読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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