オネエな幼馴染と男嫌いな私

麻竹

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幕間10

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二度目の唇への襲撃の後、直ぐ近くから咳払いが聞こえてきた。

「お取込み中悪いんだけどさ……」

聞き慣れた声に、ジュリアスが慌ててヴィヴィアーナから離れる。
恐る恐る声の聞こえてきた方を見ると、眉間に青筋を浮かべた”婚約者の兄”が、にっこりと笑顔を作りながらこちらを見ていた。
その姿に、ジュリアスは思わず飛び上がりそうになってしまった。
真っ青な顔で親友でもあるストラウスを見ていると、彼は笑顔を顔に貼り付かせたまま話してきた。

「僕がいるって事、忘れていない?」

ふふふ、と目元に影を落としながら訊ねてきたストラウスに、思わず喉の奥で悲鳴が出かかった。
次期侯爵であり次期宰相候補であり、重度のシスコンという幼馴染の肩書きが脳裏に浮かぶ。
これは不味い!と、ジュリアスの額に脂汗が浮かぶ。
一番見せてはいけない相手に、一番見せてはいけないものを見せてしまった事実に気づき、顔を青色から白色に変えながら言い訳をし始めたのであった。

「こ、これは、その……なんていうか、ヴィーと仲直りをだな」

「ふ~~~ん、仲直りで、実の兄の前であんな事するんだ?」

僕達の両親の前でも、そんな事するのかな君は?と笑顔のまま聞き返してくるストラウスに、ジュリアスは返す言葉が無くなりあうあうと口をパクパクさせる。
言い返せなくなってしまった幼馴染に、ストラウスは更に笑みを深めると、こう言ってきたのであった。

「ふふふ、ヴィヴィに手を出したんだから、きっちり責任は取って貰うからね。」

その一言にジュリアスは、物凄い速さでコクコクと頷いてきたのであった。

「も、もちろんだ!絶対幸せにする!!」

「だってさ、良かったねヴィヴィ♪」

ジュリアスの返事にストラウスは満足そうに頷くと、妹であるヴィヴィアーナに優しく微笑みながら嬉しそうに言ってきたのであった。
兄の言葉に妹は、真っ赤になって俯いたまま「え、ええ」と頷いていたのであった。
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