83 / 86
番外編
フィルのお相手は……?
しおりを挟む
「ミッチェル様……折り入ってご相談があるのですが……」
いつものように、午後のティータイムをのんびりと中庭で過ごしていたミッチェルに、専属使用人のペーターが話しかけてきた。
「ん? どうかしたの?」
ミッチェルはグラスを口に運ぶ手を止め、ペーターに返事をした。
「あの……ちょっとここでは話しづらいことなので、場所を変えたいのですが……」
いつもは謎に堂々としているペーターが、やけに今日はキョロキョロとまわりの様子をうかがう素振りを見せ、声を潜めている。
「あ……じゃあ、僕の部屋でいい?」
以前はミッチェルの母親専用の離れだった部屋は、今ではミッチェル専用の離れとして使わせてもらっている。
ヒート時も対応できるようにリフォームされ、オメガにとって快適な空間に生まれ変わっていた。
ミッチェルが部屋に案内し中へ入ると、ペーターは大きくため息をついた。
「お休み中のところ、大変申し訳ありません」
「ううん、別に構わないよ。フレッドも仕事だし、お母様も出かけてらして、ちょうど暇してたんだ」
「お気遣い、感謝いたします」
ミッチェルは身重であるためひとりでの外出は禁止、自分の夫も母親も不在で、今日はどこに出かけることも出来ずにいた。だから社交辞令でもなんでもなく、ミッチェルは本当に暇を持て余していて、話し相手が欲しかったのだ。
「僕の方こそ、話し相手ができてよかったよ。……で、話って?」
「……大変話しづらいことなのですが……。ミッチェル様はフィル様のお兄様ですし……オメガの先輩ということで……ご相談がありまして……」
普段はハキハキとしゃべるペーターが、どうも煮えきらずモゴモゴと言葉をつなげた。
「相談?」
「……ハイ。……えっとですね。……最近、フィル様が、……どうにかして私を落とそうと、躍起になってるんですが……」
「っ……! ……あっ! ごめん!」
予想外の相談に、ミッチェルは飲みかけのハーブティーを吹き出してしまった。
「……ああ、ごめんなさい」
ペーターはあわててハンカチを差し出した。ミッチェルはそれを受け取って口元を拭きながら、ペーターの話の続きを促した。
「まぁ、僕も何度か見てるから……。で、どうしたの?」
「はじめは、フィル様のお戯れ。私のことをからかっているのだと思っていたのですが、日に日にアプローチが増していきまして。挙句の果てに、私と二人きりになると、あの……アルファの……フェロモンが濃く香りまして……」
ペーターは耳まで真っ赤にしてそこまで言うと、再びはぁ…とため息をついた。冷静沈着なペーターの、こんな顔は初めて見た。
「そっか。じゃあさ、ペーターはフィルのことをどう思っているの?」
「えっ……? 私がですか? ……当主様として、大変頑張っておられると……」
「当主ではなく、ひとりの人間として、フィルのことをどう思っているのか、教えてほしいな」
ミッチェルは、身分とかそんなの関係なく、ペーターの本当の気持ちを聞きたくてそう尋ねた。
「……私は使用人ですし……。フィル様にはもっと釣り合った方が……」
「じゃあ、フィルが他の人と結婚してもいいんだ?」
ペーターには申し訳なく思いながらも、ミッチェルはわざと意地悪な言い方をした。あれだけストレートに思いを伝えている弟のフィラットのことを知ってるから、ペーターには自分の気持ちにちゃんと向き合ってほしいよ願う。
「……それはっ!」
「ペーターは、フィルと婚約者の、身の回りのお世話をすることになるかもしれないんだよ?」
「私が……?」
「そうなった時のこと、よーく想像してみて。……あ、そろそろお母様が戻られる頃かな。僕、お出迎えに行ってくるよ」
ミッチェルの言葉を聞いて、フリーズしたようにその場で固まってしまったペーターを見て、ちょっと意地悪しすぎたかなと思いながらも、ミッチェルは部屋を出ていった。
言葉通り母親を出迎えようと玄関に向かっていると、後ろからどんどん近付く足音が聞こえ、ミッチェルのことをあっという間に追い抜いていった。
「あれ? ペーター? どこに行くの?」
ペーターにわざとらしい言葉をかけて呼び止めると、ミッチェルの声を聞き、ペーターはハッとして立ち止まって振り返った。
「すみません、所用で少し出かけてまいります。夜までには戻りますので」
そう言うとそのまま慌てた様子で屋敷を出ていった。
急ぎ足のペーターとすれ違いで帰って来た母親は、不思議そうに首を傾げてミッチェルに尋ねた。
「あれ? ペーターはどこに行くのかしら? 今日は出かける用事はないと言っていたはずなのに」
「急用が出来たみたいですよ。今日は戻らないかもしれませんね。あ! お母様、それはなんですか?」
ミッチェルは母親の手にしていた袋から、ちらりと見えた物を指差す。
「ああこれね、新作焼き菓子の試作品なんですって。ぜひ食べて感想がほしいと言うからいただいてきたわ。さ、お茶にしましょう。ペーターも一緒にと思ったけど、用事ができたなら仕方がないわねぇ」
「二人で全部いただいちゃいましょう」
「ふふふ、そうね」
ミッチェルとミッチェルの母はそう言うと、午後のお茶会の準備をし、二人で夕飯時までのんびり雑談をしていた。
「お母様、良い報告が近いうちに聞けるかもしれませんよ」
「え? 何の話?」
「内緒です」
ミッチェルはそう遠くない未来に、フィラットとペーターが、二人並んで報告をする姿を想像して、ふふふっと心のなかで微笑んだ。
(終)
✤
本編では、「フィル→→→→♥️←ペーター」という感じでしたが、実はペーターも熱い思いを内に秘めているのです。
ちょっとしたきっかけを与えてあげれば、素直になれるのかな?💕……と思って書いてみました。
これもツイノベ用に書いたものを、整えたものになります。
いつものように、午後のティータイムをのんびりと中庭で過ごしていたミッチェルに、専属使用人のペーターが話しかけてきた。
「ん? どうかしたの?」
ミッチェルはグラスを口に運ぶ手を止め、ペーターに返事をした。
「あの……ちょっとここでは話しづらいことなので、場所を変えたいのですが……」
いつもは謎に堂々としているペーターが、やけに今日はキョロキョロとまわりの様子をうかがう素振りを見せ、声を潜めている。
「あ……じゃあ、僕の部屋でいい?」
以前はミッチェルの母親専用の離れだった部屋は、今ではミッチェル専用の離れとして使わせてもらっている。
ヒート時も対応できるようにリフォームされ、オメガにとって快適な空間に生まれ変わっていた。
ミッチェルが部屋に案内し中へ入ると、ペーターは大きくため息をついた。
「お休み中のところ、大変申し訳ありません」
「ううん、別に構わないよ。フレッドも仕事だし、お母様も出かけてらして、ちょうど暇してたんだ」
「お気遣い、感謝いたします」
ミッチェルは身重であるためひとりでの外出は禁止、自分の夫も母親も不在で、今日はどこに出かけることも出来ずにいた。だから社交辞令でもなんでもなく、ミッチェルは本当に暇を持て余していて、話し相手が欲しかったのだ。
「僕の方こそ、話し相手ができてよかったよ。……で、話って?」
「……大変話しづらいことなのですが……。ミッチェル様はフィル様のお兄様ですし……オメガの先輩ということで……ご相談がありまして……」
普段はハキハキとしゃべるペーターが、どうも煮えきらずモゴモゴと言葉をつなげた。
「相談?」
「……ハイ。……えっとですね。……最近、フィル様が、……どうにかして私を落とそうと、躍起になってるんですが……」
「っ……! ……あっ! ごめん!」
予想外の相談に、ミッチェルは飲みかけのハーブティーを吹き出してしまった。
「……ああ、ごめんなさい」
ペーターはあわててハンカチを差し出した。ミッチェルはそれを受け取って口元を拭きながら、ペーターの話の続きを促した。
「まぁ、僕も何度か見てるから……。で、どうしたの?」
「はじめは、フィル様のお戯れ。私のことをからかっているのだと思っていたのですが、日に日にアプローチが増していきまして。挙句の果てに、私と二人きりになると、あの……アルファの……フェロモンが濃く香りまして……」
ペーターは耳まで真っ赤にしてそこまで言うと、再びはぁ…とため息をついた。冷静沈着なペーターの、こんな顔は初めて見た。
「そっか。じゃあさ、ペーターはフィルのことをどう思っているの?」
「えっ……? 私がですか? ……当主様として、大変頑張っておられると……」
「当主ではなく、ひとりの人間として、フィルのことをどう思っているのか、教えてほしいな」
ミッチェルは、身分とかそんなの関係なく、ペーターの本当の気持ちを聞きたくてそう尋ねた。
「……私は使用人ですし……。フィル様にはもっと釣り合った方が……」
「じゃあ、フィルが他の人と結婚してもいいんだ?」
ペーターには申し訳なく思いながらも、ミッチェルはわざと意地悪な言い方をした。あれだけストレートに思いを伝えている弟のフィラットのことを知ってるから、ペーターには自分の気持ちにちゃんと向き合ってほしいよ願う。
「……それはっ!」
「ペーターは、フィルと婚約者の、身の回りのお世話をすることになるかもしれないんだよ?」
「私が……?」
「そうなった時のこと、よーく想像してみて。……あ、そろそろお母様が戻られる頃かな。僕、お出迎えに行ってくるよ」
ミッチェルの言葉を聞いて、フリーズしたようにその場で固まってしまったペーターを見て、ちょっと意地悪しすぎたかなと思いながらも、ミッチェルは部屋を出ていった。
言葉通り母親を出迎えようと玄関に向かっていると、後ろからどんどん近付く足音が聞こえ、ミッチェルのことをあっという間に追い抜いていった。
「あれ? ペーター? どこに行くの?」
ペーターにわざとらしい言葉をかけて呼び止めると、ミッチェルの声を聞き、ペーターはハッとして立ち止まって振り返った。
「すみません、所用で少し出かけてまいります。夜までには戻りますので」
そう言うとそのまま慌てた様子で屋敷を出ていった。
急ぎ足のペーターとすれ違いで帰って来た母親は、不思議そうに首を傾げてミッチェルに尋ねた。
「あれ? ペーターはどこに行くのかしら? 今日は出かける用事はないと言っていたはずなのに」
「急用が出来たみたいですよ。今日は戻らないかもしれませんね。あ! お母様、それはなんですか?」
ミッチェルは母親の手にしていた袋から、ちらりと見えた物を指差す。
「ああこれね、新作焼き菓子の試作品なんですって。ぜひ食べて感想がほしいと言うからいただいてきたわ。さ、お茶にしましょう。ペーターも一緒にと思ったけど、用事ができたなら仕方がないわねぇ」
「二人で全部いただいちゃいましょう」
「ふふふ、そうね」
ミッチェルとミッチェルの母はそう言うと、午後のお茶会の準備をし、二人で夕飯時までのんびり雑談をしていた。
「お母様、良い報告が近いうちに聞けるかもしれませんよ」
「え? 何の話?」
「内緒です」
ミッチェルはそう遠くない未来に、フィラットとペーターが、二人並んで報告をする姿を想像して、ふふふっと心のなかで微笑んだ。
(終)
✤
本編では、「フィル→→→→♥️←ペーター」という感じでしたが、実はペーターも熱い思いを内に秘めているのです。
ちょっとしたきっかけを与えてあげれば、素直になれるのかな?💕……と思って書いてみました。
これもツイノベ用に書いたものを、整えたものになります。
104
あなたにおすすめの小説
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!
ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。
その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。
しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。
何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。
聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)
婚約破棄されて追放された僕、実は森羅万象に愛される【寵愛者】でした。冷酷なはずの公爵様から、身も心も蕩けるほど溺愛されています
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男アレンは、「魔力なし」を理由に婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡され、社交界の笑い者となる。家族からも見放され、全てを失った彼の元に舞い込んだのは、王国最強と謳われる『氷の貴公子』ルシウス公爵からの縁談だった。
「政略結婚」――そう割り切っていたアレンを待っていたのは、噂とはかけ離れたルシウスの異常なまでの甘やかしと、執着に満ちた熱い眼差しだった。
「君は私の至宝だ。誰にも傷つけさせはしない」
戸惑いながらも、その不器用で真っ直ぐな愛情に、アレンの凍てついた心は少しずつ溶かされていく。
そんな中、領地を襲った魔物の大群を前に、アレンは己に秘められた本当の力を解放する。それは、森羅万象の精霊に愛される【全属性の寵愛者】という、規格外のチート能力。
なぜ彼は、自分にこれほど執着するのか?
その答えは、二人の魂を繋ぐ、遥か古代からの約束にあった――。
これは、どん底に突き落とされた心優しき少年が、魂の番である最強の騎士に見出され、世界一の愛と最強の力を手に入れる、甘く劇的なシンデレラストーリー。
マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
【完結】だから俺は主人公じゃない!
美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。
しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!?
でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。
そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。
主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱!
だから、…俺は主人公じゃないんだってば!
a life of mine ~この道を歩む~
野々乃ぞみ
BL
≪腹黒い他国の第二王子×負けず嫌いの転生者≫
第二王子:ブライトル・モルダー・ヴァルマ
主人公の転生者:エドマンド・フィッツパトリック
【第一部】この道を歩む~転生先で真剣に生きていたら、第二王子に真剣に愛された~
エドマンドは13歳の誕生日に日本人だったことを静かに思い出した。
転生先は【エドマンド・フィッツパトリック】で、二年後に死亡フラグが立っていた。
エドマンドに不満を持った隣国の第二王子である【ブライトル・ モルダー・ヴァルマ】と険悪な関係になるものの、いつの間にか友人や悪友のような関係に落ち着く二人。
死亡フラグを折ることで国が負けるのが怖いエドマンドと、必死に生かそうとするブライトル。
「僕は、生きなきゃ、いけないのか……?」
「当たり前だ。俺を残して逝く気だったのか? 恨むぞ」
【第二部】この道を歩む~異文化と感情と、逃げられない運命のようなものと~
必死に手繰り寄せた運命の糸によって、愛や友愛を知り、友人たちなどとの共闘により、見事死亡フラグを折ったエドマンドは、原作とは違いブライトルの母国であるトーカシア国へ行く。
異文化に触れ、余り歓迎されない中、ブライトルの婚約者として過ごす毎日。そして、また新たな敵の陰が現れる。
二部は戦争描写なし。戦闘描写少な目(当社比)です。
全体的にかなりシリアスです。二部以降は、死亡表現やキャラの退場が予想されます。グロではないですが、お気を付け下さい。
闘ったり、負傷したり、国同士の戦争描写があったりします。
本編ド健全です。すみません。
※ 恋愛までが長いです。バトル小説にBLを添えて。
※ 閑話休題以外は主人公視点です。
※ ムーンライトノベルズにも投稿しております。
【完】三度目の死に戻りで、アーネスト・ストレリッツは生き残りを図る
112
BL
ダジュール王国の第一王子アーネストは既に二度、処刑されては、その三日前に戻るというのを繰り返している。三度目の今回こそ、処刑を免れたいと、見張りの兵士に声をかけると、その兵士も同じように三度目の人生を歩んでいた。
★本編で出てこない世界観
男同士でも結婚でき、子供を産めます。その為、血統が重視されています。
秘匿された第十王子は悪態をつく
なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。
第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。
第十王子の姿を知る者はほとんどいない。
後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。
秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。
ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。
少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。
ノアが秘匿される理由。
十人の妃。
ユリウスを知る渡り人のマホ。
二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる