25 / 50
24話 玲奈への断罪1
しおりを挟む
鳴り止まない拍手の中、近づいてくる北条さん。
凛とした姿勢、完璧に計算されたような立ち居振る舞いが素敵だ。
彼女の後ろにはスタッフと車椅子が準備されている。
「香澄さん、美咲さん……本当に素晴らしい演奏でした」
北条さんは穏やかな声で言いながらも、その眼差しは激しい感動を表現したそうな色をしていた。
香澄はそっと息をつき、力が抜けたように微笑んだ。
「ありがとうございます。……やっと、終わりました」
「ええ。ですが、あなたの音楽は、今夜を境に多くの人の記憶に刻まれたわ」
私は横で控えめに会釈した。
「立花さんも見事だったわ。息の合った連弾、久々に心が震えたもの」
「恐縮です……」
北条さんは「さあ」と手を差し出した。
「香澄さん、無理はしないで。車椅子で会場を出ましょう」
香澄が頷き、車椅子に座ったそのとき──。
「……美咲?」
聞きなれた声に、思わず顔を上げる。
そこに立っていたのは、元恋人の達也。その腕には、華やかなドレス姿の女性がいた。
「あら、達也さん。今来たの?会社の重役がパーティーをすっぽかすとは、褒められたことじゃないわよ」
北条さんの声が、氷のように冷たく響いた。
会社の重役?
達也は営業マンだって言ってたのに……。
彼は一瞬たじろぎ、曖昧に笑う。
「い、いや、ちょっと別の来賓と……」
達也の腕にいる女性が、すかさず前に出て満面の笑みを見せた。
「あの!本当に素敵な演奏だったわ!もう鳥肌が立っちゃって!」
彼女は無邪気な声をあげる。
「こんなに若くて才能ある方たち、ぜひ紹介していただきたいです、北条さん!」
北条さんは一瞬、笑みを浮かべる。
「ええ。今は少し取り込んでいるので、手短に」
北条さんは達也たちと私たちの間に入り、こちらに手を向けた。
「こちらが、水城香澄さんと立花美咲さん」
二人で軽く頭を下げる。
北条さんが視線を達也と彼女にも向けた。
「そして──こちらが、神崎社長の弟の神崎達也さん。達也さんの婚約者で、桜花グループのご令嬢の桜庭こはるさんよ」
「香澄さん!美咲さん!よろしくね」
彼女は嬉しそうに香澄の手を握り、続いて私の手を握った。
明るくて可愛い女の子だ。
この子が達也の婚約者なんだなぁ。
まったく。こんな可愛い子を泣かせるようなことをしてるんだから、悪い男ね。
達也と目があった。
彼は何か言いたそうに口を開いたが、何も言わずに閉じ、気まずそうに視線を反らした。
北条さんは、腕のお洒落な時計をちらりと見て、淡々と告げた。
「時間がありませんので、続きはまたの機会に」
それだけ言って、彼女は香澄の車椅子を押し会場を出た。
通路に人はおらず、静かだった。
これから起こる、嵐の前の静けさのようだった。
◇◇◇
「やっぱり私たちの演奏、社長に響いたんだよ!」
「社長自ら呼んでくださるなんて、滅多にないことだよね!」
「きっとお褒めの言葉をいただけるはず!」
女性たちの声が廊下にまで響いていた。
部屋の前に神崎社長と弁護士バッジをつけた男性、ウェイターと上司、体格の良い男性が4人待機していた。
「来たか」
「お待たせ」
神崎社長と北条さんは短く言葉を交わした。
「水城様」
弁護士の男性が香澄に近づいてきた。
「木下と申します」
名刺をスッと渡された。
「北条様よりお話は伺っております。手短に確認させていただきますが、浅野玲奈に『治療費』『損害賠償』『真摯な謝罪』を請求すると言うことで間違いございませんか?」
「はい」
「かしこまりました。また、交渉等は私に一任していただけるとの認識でよろしいですか?」
「はい。よろしくお願いします」
「かしこまりました。最善を尽くします」
木下弁護士は香澄に手を差し出した。香澄もその手に応える。
「では、いくぞ」
神崎社長の号令に、全員が頷き、顔が引き締まる。
──コンコンッ。
体格の良い男性の一人がノックをし、ドアを開ける。
神崎社長、北条さん、木下弁護士、上司、ウエイター、そして車椅子の香澄とそれを押す私、体格の良い男性4人が入室する。
さっきまでお祝い気分だった楽団員たちだったが、『お褒めの言葉』がもらえるような雰囲気ではないと察し、全員が押し黙った。
「かっ、神崎社長……」
楽団員の中から、中年の男性が代表して口を開いた。
「我々をお呼びと聞き、こちらでお待ちしてました。あの……どういったご用件でしょうか……」
困惑と怯えを感じさせる男性の声だ。
「あぁ。風間団長。来てくれてありがとう」
神崎社長はニコッと笑った。
「この二人の連弾は本当に素晴らしかった!招待客の反応を見たかい?全員彼女たちに釘付けで、曲が終わっても、余韻に浸っていてしばらくは拍手すら忘れてしまうほどだったろう。本当に素晴らしい連弾だった!」
すごい誉めちぎりようだ……。
あれ、私と香澄が楽団員だとわざと誤解して嬉しそうにしてるわね。風間団長と言われた人、何て言えばいいのかわからず顔色を悪くしている。
当初は浅野玲奈だけを呼び出す予定だったが、『水城香澄の暴行容疑で話を聞きたい』なんて言ったら、玲奈は自分の悪事の露見を恐れて、逃げ出すだろう。
それを防ぐために、ノーブル管弦楽団全員を社長が呼んでいるとすれば警戒されないだろうと、策を講じたのか。でも、これってかなり楽団員を煽る行為よね。
うわ~……。神崎社長って容赦ないわね。
楽団員の顔が険しい。
「あのように観客を魅了する演奏は、プロであってもなかなかできることではない。彼女たちの卓越した技術はもちろんだ。だが、何より真摯に音楽へ打ち込む姿勢──それこそが観客の心を打ったのだろうな。実に素晴らしい奏者だ」
風間団長が固まっている。
「水城さん」
神崎社長が香澄に話しかけた。
「三つほど聞いてもいいだろうか?」
「はい、何でも言ってください」
「一つ目、毎日どんな練習をしているんだ?」
「いたって普通の基礎練習ですよ」
「基礎練習だけではないだろう。あんなに観客を魅了する演奏は基礎練習だけで身に付くものではない」
「そうですね……。他には、ピアノバーの定休日以外はほぼ毎日、お客様の前で緊張感をもって演奏していることぐらいですかね」
「素晴らしい。緊張感をもって毎回演奏するのは、かなりの精神力が必要だろう」
「そうですね。でもピアノが好きなので、むしろ楽しいですよ」
何人かの楽団員は居心地悪そうにソワソワしているように見える。
「そうか。では二つ目なんだが、アンコールの選曲は誰が決めたんだい?」
「あれは二人で決めました」
「なぜあの曲だったんだい?」
「実は、アンコールがあったとき用に、他の曲を用意していましたが、想定以上にお客様の期待で会場が盛り上がってしまいました。喜ばしいことなのですが、時間も時間でしたので、静かな曲で、気持ちを穏やかにしてお帰りいただけたらと──そう思って選びました」
「見事な判断だ。観客のことを考えて、臨機応変に選曲していたのか。客への配慮と即座にその場にあった曲を選曲し、なおかつ実行できるのは、プロの鏡だな」
「いえ、そんな。プロなら当たり前です。それに、私事ですが、足の怪我もありましたので、連弾パートナーの彼女が、静かな曲にしようと気遣ってくれて……」
「あぁ、そうだったな。素晴らしい演奏だったので、君の足の怪我を忘れていた」
玲奈が『足の怪我』に肩を震わせたのが見えた。
「三つ目はまさにその怪我についてだか──」
「あの!」
玲奈が、明らかに焦った声で割り込んだ。
引きつった笑顔のまま、頬がぴくりと震えている。
凛とした姿勢、完璧に計算されたような立ち居振る舞いが素敵だ。
彼女の後ろにはスタッフと車椅子が準備されている。
「香澄さん、美咲さん……本当に素晴らしい演奏でした」
北条さんは穏やかな声で言いながらも、その眼差しは激しい感動を表現したそうな色をしていた。
香澄はそっと息をつき、力が抜けたように微笑んだ。
「ありがとうございます。……やっと、終わりました」
「ええ。ですが、あなたの音楽は、今夜を境に多くの人の記憶に刻まれたわ」
私は横で控えめに会釈した。
「立花さんも見事だったわ。息の合った連弾、久々に心が震えたもの」
「恐縮です……」
北条さんは「さあ」と手を差し出した。
「香澄さん、無理はしないで。車椅子で会場を出ましょう」
香澄が頷き、車椅子に座ったそのとき──。
「……美咲?」
聞きなれた声に、思わず顔を上げる。
そこに立っていたのは、元恋人の達也。その腕には、華やかなドレス姿の女性がいた。
「あら、達也さん。今来たの?会社の重役がパーティーをすっぽかすとは、褒められたことじゃないわよ」
北条さんの声が、氷のように冷たく響いた。
会社の重役?
達也は営業マンだって言ってたのに……。
彼は一瞬たじろぎ、曖昧に笑う。
「い、いや、ちょっと別の来賓と……」
達也の腕にいる女性が、すかさず前に出て満面の笑みを見せた。
「あの!本当に素敵な演奏だったわ!もう鳥肌が立っちゃって!」
彼女は無邪気な声をあげる。
「こんなに若くて才能ある方たち、ぜひ紹介していただきたいです、北条さん!」
北条さんは一瞬、笑みを浮かべる。
「ええ。今は少し取り込んでいるので、手短に」
北条さんは達也たちと私たちの間に入り、こちらに手を向けた。
「こちらが、水城香澄さんと立花美咲さん」
二人で軽く頭を下げる。
北条さんが視線を達也と彼女にも向けた。
「そして──こちらが、神崎社長の弟の神崎達也さん。達也さんの婚約者で、桜花グループのご令嬢の桜庭こはるさんよ」
「香澄さん!美咲さん!よろしくね」
彼女は嬉しそうに香澄の手を握り、続いて私の手を握った。
明るくて可愛い女の子だ。
この子が達也の婚約者なんだなぁ。
まったく。こんな可愛い子を泣かせるようなことをしてるんだから、悪い男ね。
達也と目があった。
彼は何か言いたそうに口を開いたが、何も言わずに閉じ、気まずそうに視線を反らした。
北条さんは、腕のお洒落な時計をちらりと見て、淡々と告げた。
「時間がありませんので、続きはまたの機会に」
それだけ言って、彼女は香澄の車椅子を押し会場を出た。
通路に人はおらず、静かだった。
これから起こる、嵐の前の静けさのようだった。
◇◇◇
「やっぱり私たちの演奏、社長に響いたんだよ!」
「社長自ら呼んでくださるなんて、滅多にないことだよね!」
「きっとお褒めの言葉をいただけるはず!」
女性たちの声が廊下にまで響いていた。
部屋の前に神崎社長と弁護士バッジをつけた男性、ウェイターと上司、体格の良い男性が4人待機していた。
「来たか」
「お待たせ」
神崎社長と北条さんは短く言葉を交わした。
「水城様」
弁護士の男性が香澄に近づいてきた。
「木下と申します」
名刺をスッと渡された。
「北条様よりお話は伺っております。手短に確認させていただきますが、浅野玲奈に『治療費』『損害賠償』『真摯な謝罪』を請求すると言うことで間違いございませんか?」
「はい」
「かしこまりました。また、交渉等は私に一任していただけるとの認識でよろしいですか?」
「はい。よろしくお願いします」
「かしこまりました。最善を尽くします」
木下弁護士は香澄に手を差し出した。香澄もその手に応える。
「では、いくぞ」
神崎社長の号令に、全員が頷き、顔が引き締まる。
──コンコンッ。
体格の良い男性の一人がノックをし、ドアを開ける。
神崎社長、北条さん、木下弁護士、上司、ウエイター、そして車椅子の香澄とそれを押す私、体格の良い男性4人が入室する。
さっきまでお祝い気分だった楽団員たちだったが、『お褒めの言葉』がもらえるような雰囲気ではないと察し、全員が押し黙った。
「かっ、神崎社長……」
楽団員の中から、中年の男性が代表して口を開いた。
「我々をお呼びと聞き、こちらでお待ちしてました。あの……どういったご用件でしょうか……」
困惑と怯えを感じさせる男性の声だ。
「あぁ。風間団長。来てくれてありがとう」
神崎社長はニコッと笑った。
「この二人の連弾は本当に素晴らしかった!招待客の反応を見たかい?全員彼女たちに釘付けで、曲が終わっても、余韻に浸っていてしばらくは拍手すら忘れてしまうほどだったろう。本当に素晴らしい連弾だった!」
すごい誉めちぎりようだ……。
あれ、私と香澄が楽団員だとわざと誤解して嬉しそうにしてるわね。風間団長と言われた人、何て言えばいいのかわからず顔色を悪くしている。
当初は浅野玲奈だけを呼び出す予定だったが、『水城香澄の暴行容疑で話を聞きたい』なんて言ったら、玲奈は自分の悪事の露見を恐れて、逃げ出すだろう。
それを防ぐために、ノーブル管弦楽団全員を社長が呼んでいるとすれば警戒されないだろうと、策を講じたのか。でも、これってかなり楽団員を煽る行為よね。
うわ~……。神崎社長って容赦ないわね。
楽団員の顔が険しい。
「あのように観客を魅了する演奏は、プロであってもなかなかできることではない。彼女たちの卓越した技術はもちろんだ。だが、何より真摯に音楽へ打ち込む姿勢──それこそが観客の心を打ったのだろうな。実に素晴らしい奏者だ」
風間団長が固まっている。
「水城さん」
神崎社長が香澄に話しかけた。
「三つほど聞いてもいいだろうか?」
「はい、何でも言ってください」
「一つ目、毎日どんな練習をしているんだ?」
「いたって普通の基礎練習ですよ」
「基礎練習だけではないだろう。あんなに観客を魅了する演奏は基礎練習だけで身に付くものではない」
「そうですね……。他には、ピアノバーの定休日以外はほぼ毎日、お客様の前で緊張感をもって演奏していることぐらいですかね」
「素晴らしい。緊張感をもって毎回演奏するのは、かなりの精神力が必要だろう」
「そうですね。でもピアノが好きなので、むしろ楽しいですよ」
何人かの楽団員は居心地悪そうにソワソワしているように見える。
「そうか。では二つ目なんだが、アンコールの選曲は誰が決めたんだい?」
「あれは二人で決めました」
「なぜあの曲だったんだい?」
「実は、アンコールがあったとき用に、他の曲を用意していましたが、想定以上にお客様の期待で会場が盛り上がってしまいました。喜ばしいことなのですが、時間も時間でしたので、静かな曲で、気持ちを穏やかにしてお帰りいただけたらと──そう思って選びました」
「見事な判断だ。観客のことを考えて、臨機応変に選曲していたのか。客への配慮と即座にその場にあった曲を選曲し、なおかつ実行できるのは、プロの鏡だな」
「いえ、そんな。プロなら当たり前です。それに、私事ですが、足の怪我もありましたので、連弾パートナーの彼女が、静かな曲にしようと気遣ってくれて……」
「あぁ、そうだったな。素晴らしい演奏だったので、君の足の怪我を忘れていた」
玲奈が『足の怪我』に肩を震わせたのが見えた。
「三つ目はまさにその怪我についてだか──」
「あの!」
玲奈が、明らかに焦った声で割り込んだ。
引きつった笑顔のまま、頬がぴくりと震えている。
79
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
死を望まれた王女は敵国で白い結婚を望む。「ご安心ください、私もあなたを愛するつもりはありません」
千紫万紅
恋愛
次期女王として王位継承が内定していたフランツェスカ。
だが戦況の悪化を理由に父王に争いの最前線に送られた。
それから一年、命からがら王都へ戻った彼女を待っていたのは労いの言葉ではなく、敵国・シュヴァルツヴァルトの王太子への輿入れ命令。
しかも父王は病弱な異母妹アリーシアを王妃に据え、フランツェスカの婚約者レナードを王にするという。
怒りと絶望の中フランツェスカはかつて敵将であったシュヴァルツヴァルト王太子・フリードのもとへお飾りの妻として嫁ぐことを決意する。
戦地での過去を封じ、王族としての最後の務めを果たすために。
天真爛漫な婚約者様は笑顔で私の顔に唾を吐く
りこりー
恋愛
天真爛漫で笑顔が似合う可愛らしい私の婚約者様。
私はすぐに夢中になり、容姿を蔑まれようが、罵倒されようが、金をむしり取られようが笑顔で対応した。
それなのに裏切りやがって絶対許さない!
「シェリーは容姿がアレだから」
は?よく見てごらん、令息達の視線の先を
「シェリーは鈍臭いんだから」
は?最年少騎士団員ですが?
「どうせ、僕なんて見下してたくせに」
ふざけないでよ…世界で一番愛してたわ…
思い込み、勘違いも、程々に。
棗
恋愛
※一部タイトルを変えました。
伯爵令嬢フィオーレは、自分がいつか異母妹を虐げた末に片想い相手の公爵令息や父と義母に断罪され、家を追い出される『予知夢』を視る。
現実にならないように、最後の学生生活は彼と異母妹がどれだけお似合いか、理想の恋人同士だと周囲に見られるように行動すると決意。
自身は卒業後、隣国の教会で神官になり、2度と母国に戻らない準備を進めていた。
――これで皆が幸福になると思い込み、良かれと思って計画し、行動した結果がまさかの事態を引き起こす……
【完結】彼を幸せにする十の方法
玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。
フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。
婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。
しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。
婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。
婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。
円満離婚に持ち込むはずが。~『冷酷皇帝の最愛妃』
みこと。
恋愛
「あなたと子を作るつもりはない」
皇帝シュテファンに嫁いだエリザは、初夜に夫から宣言されて首をかしげる。
(これは"愛することのない"の亜種?)
前世を思い出したばかりの彼女は、ここが小説『冷酷皇帝の最愛妃』の中だと気づき、冷静に状況を分析していた。
エリザの役どころは、公爵家が皇帝に押し付けた花嫁で、彼の恋路の邪魔をするモブ皇妃。小説のシュテファンは、最終的には運命の恋人アンネと結ばれる。
それは確かに、子どもが出来たら困るだろう。
速やかな"円満離婚"を前提にシュテファンと契約を結んだエリザだったが、とあるキッカケで彼の子を身ごもることになってしまい──?
シュテファンとの契約違反におののき、思わず逃走したエリザに「やっと見つけた」と追いすがる夫。
どうやら彼はエリザ一筋だったらしく。あれ? あなたの恋人アンネはどうしたの?
※小説家になろう様でも掲載しています
※表紙イラスト:あさぎかな先生にコラージュアートをいただきました
※毎朝7時に更新していく予定です
理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました
ぺきぺき
恋愛
王家の次男として生まれたヨーゼフには幼い頃から決められていた婚約者がいた。兄の補佐として育てられ、兄の息子が立太子した後には臣籍降下し大公になるよていだった。
このヨーゼフ、優秀な頭脳を持ち、立派な大公となることが期待されていたが、幼い頃に見た絵本のお姫様を理想の女性として探し続けているという残念なところがあった。
そしてついに貴族学園で絵本のお姫様とそっくりな令嬢に出会う。
ーーーー
若気の至りでやらかしたことに苦しめられる主人公が最後になんとか幸せになる話。
作者別作品『二人のエリーと遅れてあらわれるヒーローたち』のスピンオフになっていますが、単体でも読めます。
完結まで執筆済み。毎日四話更新で4/24に完結予定。
第一章 無計画な婚約破棄
第二章 無計画な白い結婚
第三章 無計画な告白
第四章 無計画なプロポーズ
第五章 無計画な真実の愛
エピローグ
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる