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一
5話 異色の組み合わせ
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昼食後屋上でココアラテを飲みながら、赤城はぼーっとベンチで横になっていた。
青い空に流れる雲を目で追っている視界にいきなり仲川が入ってきた。
「......走馬灯か。」
「死ぬ気じゃないですか。」
冷静にボケる赤城にツッコミを入れた仲川。横に立っていた仲川を見て赤城はベンチから起き上がり端にずれ、それを見ていた仲川が横に座った。
「...どうも。」
「そこさっきココア溢したけどね。」
「先に言ってくれません?」
「冗談ですやん。」
話の途中でちょいちょい無言になる。
「なんで来たかって聞かないんですか?」
「聞いて欲しいなら聞いてあげてもいいけど、3秒で済ませてね。」
......この人...クラスでもそうだけど、まじで一切顔色変えないな。絶対俺がお前たちの関係気づいてるの察してるはずなのにな。
悩んだ末に仲川が赤城の方を見て真顔で聞いた。
「芦野と付き合ってるんすか?」
「うん。」
仲川の質問に対して即答する赤城。仲川はその赤城の返事に吃驚していた。
その後赤城はベンチから立ち上がり、大きく伸びをして歩き出した。ドアを開け、屋上を出る手前で止まり仲川の方を振り返った。
「あー。......遊びじゃないし、ちゃんと本気だから安心してよ。幼馴染の仲川くん。」
「...え?」
赤城は笑って話し終えると驚いている仲川に「じゃ。」と言って先に戻って行った。
「......制圧、されたなー...。」
仲川は立ち上がり手すりにもたれ掛かった。
「あれのどこが自分ばっか、なんだか...。」
幸せそうに答えた赤城の顔を思い出して仲川が微笑んだ。そして、独り言の様に小さな声で「お幸せに。」と、屋上から見える教室の窓辺で相馬と話す恋を見て言った。
「あ、赤城どこ行ってたんー?探したんだけど。」
教室に戻った赤城にクラスメイトたちが声をかけた。
「屋上で仲川と政治について語ってたわ。」
「イレギュラーコンビ過ぎるだろ、お前に絡まれる仲川が不憫でならないわ。」
みんなに笑われながら椅子に座る赤城はそのまま会話の輪に溶け込んでいった。
仲川が教室に戻ると、恋と相馬が仲川を呼んだ。
「ねえ見てこれ!この犬可愛いでしょ!?相馬が飼うなら絶対猫だって言うんだよ?犬だろ!仲川もそう思うでしょ!」
「散歩がめんどくさいよ。猫ならしなくていいし、冬は一緒に布団で丸くなって寝るよ~。」
「布団で丸くならない猫もいるかもだよ!あと散歩したいって猫が言うかもよ!」
恋が携帯で犬の動画を見せながら相馬に言い寄った。
「あっしー...ハウス。」
相馬があくびをしながら恋に仲川の方を指刺した。
「......犬派猫派の話以前に、相馬は楽さで選んでんだろ。あと俺をゲージ扱いするな。」
「絶対飼ったら愛着湧いて犬派になると思うけどな~。」
「その理論で言うと猫もそうだよ?あっしー。」
すかさず相馬が口を挟むと恋は「...確かに。」と納得してしまった。
「いや、明らか犬派が勝つ流れだったろ。負けんなよ芦野。」
仲川が笑いながら恋の頭をポンと叩いた。
「うーん、でもまぁどうせ飼うなら俺あっしーみたいなかわいいねこちゃんがいいな~。」
相馬はそう言いながら、恋の制服のベストを引っ張り自分の方に寄せ、座ったまま抱きしめた。
「相馬、動けん~!」
恋がバタバタ抵抗していると、佐々木が仲川の肩に手をかけた。
「......え?」
「っす!赤城に絡まれて災難だった仲川!お前の知り合いで可愛い女誰?」
突然の佐々木の登場で一同が静止した。
「えっと......自分の周辺で財布潤ってる人いないですよ。」
「違うって!いるんでしょ?いい感じの女が!」
状況が理解できずに立ち尽くす仲川。そこに赤城が近づいてきた。
「お前の行動力半端ねえな。」
赤城は恋の隣に行き、しれっと自分の方に相馬から恋を引き剥がした。
「お前が今さっき言ったんだろ!恋人仲川も知ってるやつだって!」
......あー、この人絶対あれだ。あー、はいはい。
赤城の先程の行動を見ていた仲川は、物事を察した様子をした。
「って言われましても。」
そう言って恋の方を見ると、頬を赤らめて下を向いていた。
「おかしいなー。この前仲川と話してるの見かけたんだよなー。すれ違う時ぶつかって、すみませんって言ってた気がしたんだよな。」
「それじゃ知り合いじゃなくてただの通行人ですよ。」
「んだよ、仲川も知らねえのかー。」
諦めて離れていく佐々木見届けてから仲川が赤城に目を移した。
「......あの、巻き込まないでくれますかね?」
知らないふりをする赤城に仲川が話しかけた。相馬は首を傾げて興味無さそうに机で眠り出す。
「誰にでも間違えはあるもんだよ。...今日帰り一緒に帰ろー。」
恋が「うん。」と言うと赤城は恋の指に自分の手を絡め「また後でね。」と言い残して戻って行った。
「よそでやれ。」と言い放つ仲川の言葉は耳に届く事なく、赤城はご機嫌そうに話に加わっていった。
「......佐々木くんと赤城なんだったんだろうね?」
嵐のように去っていく二人にポカンと口を開けて、状況を理解してない恋に仲川が呆れた顔をした。
「お前...。さすがに鈍感にも程があるわ。まあ、見てて面白いからいいわ。」
授業始めのチャイムが鳴り、恋が仲川の言葉に「どう言う事?」と言うも、笑って仲川は席に戻って行った。
青い空に流れる雲を目で追っている視界にいきなり仲川が入ってきた。
「......走馬灯か。」
「死ぬ気じゃないですか。」
冷静にボケる赤城にツッコミを入れた仲川。横に立っていた仲川を見て赤城はベンチから起き上がり端にずれ、それを見ていた仲川が横に座った。
「...どうも。」
「そこさっきココア溢したけどね。」
「先に言ってくれません?」
「冗談ですやん。」
話の途中でちょいちょい無言になる。
「なんで来たかって聞かないんですか?」
「聞いて欲しいなら聞いてあげてもいいけど、3秒で済ませてね。」
......この人...クラスでもそうだけど、まじで一切顔色変えないな。絶対俺がお前たちの関係気づいてるの察してるはずなのにな。
悩んだ末に仲川が赤城の方を見て真顔で聞いた。
「芦野と付き合ってるんすか?」
「うん。」
仲川の質問に対して即答する赤城。仲川はその赤城の返事に吃驚していた。
その後赤城はベンチから立ち上がり、大きく伸びをして歩き出した。ドアを開け、屋上を出る手前で止まり仲川の方を振り返った。
「あー。......遊びじゃないし、ちゃんと本気だから安心してよ。幼馴染の仲川くん。」
「...え?」
赤城は笑って話し終えると驚いている仲川に「じゃ。」と言って先に戻って行った。
「......制圧、されたなー...。」
仲川は立ち上がり手すりにもたれ掛かった。
「あれのどこが自分ばっか、なんだか...。」
幸せそうに答えた赤城の顔を思い出して仲川が微笑んだ。そして、独り言の様に小さな声で「お幸せに。」と、屋上から見える教室の窓辺で相馬と話す恋を見て言った。
「あ、赤城どこ行ってたんー?探したんだけど。」
教室に戻った赤城にクラスメイトたちが声をかけた。
「屋上で仲川と政治について語ってたわ。」
「イレギュラーコンビ過ぎるだろ、お前に絡まれる仲川が不憫でならないわ。」
みんなに笑われながら椅子に座る赤城はそのまま会話の輪に溶け込んでいった。
仲川が教室に戻ると、恋と相馬が仲川を呼んだ。
「ねえ見てこれ!この犬可愛いでしょ!?相馬が飼うなら絶対猫だって言うんだよ?犬だろ!仲川もそう思うでしょ!」
「散歩がめんどくさいよ。猫ならしなくていいし、冬は一緒に布団で丸くなって寝るよ~。」
「布団で丸くならない猫もいるかもだよ!あと散歩したいって猫が言うかもよ!」
恋が携帯で犬の動画を見せながら相馬に言い寄った。
「あっしー...ハウス。」
相馬があくびをしながら恋に仲川の方を指刺した。
「......犬派猫派の話以前に、相馬は楽さで選んでんだろ。あと俺をゲージ扱いするな。」
「絶対飼ったら愛着湧いて犬派になると思うけどな~。」
「その理論で言うと猫もそうだよ?あっしー。」
すかさず相馬が口を挟むと恋は「...確かに。」と納得してしまった。
「いや、明らか犬派が勝つ流れだったろ。負けんなよ芦野。」
仲川が笑いながら恋の頭をポンと叩いた。
「うーん、でもまぁどうせ飼うなら俺あっしーみたいなかわいいねこちゃんがいいな~。」
相馬はそう言いながら、恋の制服のベストを引っ張り自分の方に寄せ、座ったまま抱きしめた。
「相馬、動けん~!」
恋がバタバタ抵抗していると、佐々木が仲川の肩に手をかけた。
「......え?」
「っす!赤城に絡まれて災難だった仲川!お前の知り合いで可愛い女誰?」
突然の佐々木の登場で一同が静止した。
「えっと......自分の周辺で財布潤ってる人いないですよ。」
「違うって!いるんでしょ?いい感じの女が!」
状況が理解できずに立ち尽くす仲川。そこに赤城が近づいてきた。
「お前の行動力半端ねえな。」
赤城は恋の隣に行き、しれっと自分の方に相馬から恋を引き剥がした。
「お前が今さっき言ったんだろ!恋人仲川も知ってるやつだって!」
......あー、この人絶対あれだ。あー、はいはい。
赤城の先程の行動を見ていた仲川は、物事を察した様子をした。
「って言われましても。」
そう言って恋の方を見ると、頬を赤らめて下を向いていた。
「おかしいなー。この前仲川と話してるの見かけたんだよなー。すれ違う時ぶつかって、すみませんって言ってた気がしたんだよな。」
「それじゃ知り合いじゃなくてただの通行人ですよ。」
「んだよ、仲川も知らねえのかー。」
諦めて離れていく佐々木見届けてから仲川が赤城に目を移した。
「......あの、巻き込まないでくれますかね?」
知らないふりをする赤城に仲川が話しかけた。相馬は首を傾げて興味無さそうに机で眠り出す。
「誰にでも間違えはあるもんだよ。...今日帰り一緒に帰ろー。」
恋が「うん。」と言うと赤城は恋の指に自分の手を絡め「また後でね。」と言い残して戻って行った。
「よそでやれ。」と言い放つ仲川の言葉は耳に届く事なく、赤城はご機嫌そうに話に加わっていった。
「......佐々木くんと赤城なんだったんだろうね?」
嵐のように去っていく二人にポカンと口を開けて、状況を理解してない恋に仲川が呆れた顔をした。
「お前...。さすがに鈍感にも程があるわ。まあ、見てて面白いからいいわ。」
授業始めのチャイムが鳴り、恋が仲川の言葉に「どう言う事?」と言うも、笑って仲川は席に戻って行った。
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