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四
30.5話 空白の時間と仲川の存在
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仲川が前に赤城たちに話した高瀬の話にはまだ続きがあった。それは他人には到底口外しできない卑劣な事だった。
あの日確かに高瀬は今まで通り過ごす事を了承した。しかしそれは一時的な事だった。また数週間後には同じ手口で同じ場所で色んな相手を強姦していた。最初は高瀬の行動に一歩引いていた千田も、一緒に居れば無条件で自分も参加できるからとノリ気だったと言う。しかしそんな中で過去に僕に好意を抱いていて、手紙で告白した相手が被害に遭った。その子が勇気を振り絞って仲川に教えてくれたことで仲川も約束を破って高瀬たちがまだ続けていた事を知ったらしい。当然黙っているはずがなく二人に話しをしに行った仲川は逆上した千田に殴られた。それを報告して一人で向かって行った仲川を心配して外で見ていたその子が先生を呼びに行って事態が大きくなった。千田はそれから二週間謹慎になり、元々決まっていた推薦が白紙になった。何があったか知った千田の両親は焦って噂が広がるのを避け、高校は海外に息子を連れて行った。一方高瀬は手を上げてもいないしその他の証拠もないことから、平気な顔をして変わらない日常を送ることとなった。そしてその後も普通に僕に接する高瀬を見て怒りと恐怖を憶えたと言う。僕は全く気付くことはなかったけど、体育の着替えの時や戯れ合いで僕に触れる時の高瀬の目がまるで品定めをするようなそんな目をしていたと仲川は言っていた。そんな時に赤城たちに言った話、女は飽きたから男でも...僕とかアリだ聞いた時はもう縁を切らないと。と、僕をごく自然に悟られないように高瀬を含めたあの二人から距離を置いたのだと聞かされた。
僕の事を全て考えた上で何も語ることなく自分の中で秘めていた仲川に僕は申し訳なくなった。自分が鈍感なのか視野が狭いのか、のびのび過ごした中学生活は仲川の気遣いで成り立っていたもので、それにようやく気づかされた自分が情けなかった。仲川は優しい。僕の親なんか?ってくらい世話を焼いてくれるし、家族のことでどん底に堕ちていた僕の隣にいてくれたのも仲川だ。このまま一生仲川離れできなかったらどうしたらいいんだろうか、なんて話を聞いていて勝手ながら思っていた。そんな時僕の心を読んだのか仲川から言われた。
「お前には赤城がいる。あいつなら絶対誰よりもお前のそばにいてくれる。どうせ今も赤城の家いるんだろ?あいつなら絶対今のお前を一人帰すわけないしな。俺はお前に今まで何度も助けられた。お前のことだ、きっと俺に迷惑かけたとか自分ばっか世話かけてるとか思ってんだろ...んでもこれはお互い様だからな?俺もお前が気づかんうちに世話になってんだわ。俺も佐々木も相馬も...まあ一応新山も。全員お前の味方だよ...でもな、結局は愛なんだよ。どんなに俺らが何人積んでも赤城一人には勝てない。そんくらい恋人って偉大なんだ。だからとは言わないけど、もっと縋れよ。助けろって、受け止めてくれって。したらあいつ絶対お前を護るだろうよ。俺から言えるのはこれくらい、あとは赤城に任せることにするよ。」
仲川は言いたい事を全て話すと「お前、変わったな。」と明るい声で言ってから電話を切った。
その言葉を聞いて僕はまた涙が出てきた。でもさっきまでの悲しい涙じゃなくて嬉しい涙だった。近くで見ていてくれた人から言われた言葉。それが今の僕には痛いほど心に響いて、空白だった時間を埋めると共に止まっていた時間が動き出したようなそんな感覚だった。
確かに今日は一人で過ごしていたらきっと何も考えることができないくらい不安と恐怖でいっぱいになっていたと思う。きっと仲川に聞くことさえ怖いと思ってしまって避けていたと思う。でも今の僕は一人じゃない。僕には気を許せる友達がいる。恋愛の相談できる人だっている。そして......。
部屋のドアが開き息を切らして赤城が部屋に帰ってきた。入ってくるなり僕を強く抱きしめると「ただいま。」と僕の顔を見て優しく笑うとまた抱きしめてくれた。
温かい...。物理的なものではなく心理的なもの。
「...赤城あったかい...。」
僕の言葉を聞いて赤城が「俺平熱高めだからね。」と子供みたいに笑って言った。
訂正...物理的にも心理的にも温かい。全てをくれる人。
僕にはそんな温もりをくれる心強い恋人もいる。
誰にも見せない笑顔を見せてくれて僕だけに欲しいものをたくさんくれる。
ものすごく欲張りみたいだけど、それもそれでいいじゃん。
今だけは...こう言う時くらい、正直に居てみようと思うよ。
-----------------------------------------------------------------
恋が仲川と電話中で送ったL◯NEに返事が来ない赤城
「今終わったからすぐに帰るから待ってて。」
着替える前に送ったのにまだ既読がつかない。寝てる?これワンチャン寝てるのか。じゃなったとしたら...急いで電話をかけたら通話中だった。
......え、誰と?
まさかまた高瀬とか言うヤツなのか?え、大丈夫そう?リアルガチめに心配なんだけど。
あー、佐々木じゃなくて俺がその場に居合わせたら良かったな。なんで今日に限ってバイトなんだよふざけてんだろマジで。さすがに自分恨むわー......もう同棲するしかねぇだろ。
あの日確かに高瀬は今まで通り過ごす事を了承した。しかしそれは一時的な事だった。また数週間後には同じ手口で同じ場所で色んな相手を強姦していた。最初は高瀬の行動に一歩引いていた千田も、一緒に居れば無条件で自分も参加できるからとノリ気だったと言う。しかしそんな中で過去に僕に好意を抱いていて、手紙で告白した相手が被害に遭った。その子が勇気を振り絞って仲川に教えてくれたことで仲川も約束を破って高瀬たちがまだ続けていた事を知ったらしい。当然黙っているはずがなく二人に話しをしに行った仲川は逆上した千田に殴られた。それを報告して一人で向かって行った仲川を心配して外で見ていたその子が先生を呼びに行って事態が大きくなった。千田はそれから二週間謹慎になり、元々決まっていた推薦が白紙になった。何があったか知った千田の両親は焦って噂が広がるのを避け、高校は海外に息子を連れて行った。一方高瀬は手を上げてもいないしその他の証拠もないことから、平気な顔をして変わらない日常を送ることとなった。そしてその後も普通に僕に接する高瀬を見て怒りと恐怖を憶えたと言う。僕は全く気付くことはなかったけど、体育の着替えの時や戯れ合いで僕に触れる時の高瀬の目がまるで品定めをするようなそんな目をしていたと仲川は言っていた。そんな時に赤城たちに言った話、女は飽きたから男でも...僕とかアリだ聞いた時はもう縁を切らないと。と、僕をごく自然に悟られないように高瀬を含めたあの二人から距離を置いたのだと聞かされた。
僕の事を全て考えた上で何も語ることなく自分の中で秘めていた仲川に僕は申し訳なくなった。自分が鈍感なのか視野が狭いのか、のびのび過ごした中学生活は仲川の気遣いで成り立っていたもので、それにようやく気づかされた自分が情けなかった。仲川は優しい。僕の親なんか?ってくらい世話を焼いてくれるし、家族のことでどん底に堕ちていた僕の隣にいてくれたのも仲川だ。このまま一生仲川離れできなかったらどうしたらいいんだろうか、なんて話を聞いていて勝手ながら思っていた。そんな時僕の心を読んだのか仲川から言われた。
「お前には赤城がいる。あいつなら絶対誰よりもお前のそばにいてくれる。どうせ今も赤城の家いるんだろ?あいつなら絶対今のお前を一人帰すわけないしな。俺はお前に今まで何度も助けられた。お前のことだ、きっと俺に迷惑かけたとか自分ばっか世話かけてるとか思ってんだろ...んでもこれはお互い様だからな?俺もお前が気づかんうちに世話になってんだわ。俺も佐々木も相馬も...まあ一応新山も。全員お前の味方だよ...でもな、結局は愛なんだよ。どんなに俺らが何人積んでも赤城一人には勝てない。そんくらい恋人って偉大なんだ。だからとは言わないけど、もっと縋れよ。助けろって、受け止めてくれって。したらあいつ絶対お前を護るだろうよ。俺から言えるのはこれくらい、あとは赤城に任せることにするよ。」
仲川は言いたい事を全て話すと「お前、変わったな。」と明るい声で言ってから電話を切った。
その言葉を聞いて僕はまた涙が出てきた。でもさっきまでの悲しい涙じゃなくて嬉しい涙だった。近くで見ていてくれた人から言われた言葉。それが今の僕には痛いほど心に響いて、空白だった時間を埋めると共に止まっていた時間が動き出したようなそんな感覚だった。
確かに今日は一人で過ごしていたらきっと何も考えることができないくらい不安と恐怖でいっぱいになっていたと思う。きっと仲川に聞くことさえ怖いと思ってしまって避けていたと思う。でも今の僕は一人じゃない。僕には気を許せる友達がいる。恋愛の相談できる人だっている。そして......。
部屋のドアが開き息を切らして赤城が部屋に帰ってきた。入ってくるなり僕を強く抱きしめると「ただいま。」と僕の顔を見て優しく笑うとまた抱きしめてくれた。
温かい...。物理的なものではなく心理的なもの。
「...赤城あったかい...。」
僕の言葉を聞いて赤城が「俺平熱高めだからね。」と子供みたいに笑って言った。
訂正...物理的にも心理的にも温かい。全てをくれる人。
僕にはそんな温もりをくれる心強い恋人もいる。
誰にも見せない笑顔を見せてくれて僕だけに欲しいものをたくさんくれる。
ものすごく欲張りみたいだけど、それもそれでいいじゃん。
今だけは...こう言う時くらい、正直に居てみようと思うよ。
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恋が仲川と電話中で送ったL◯NEに返事が来ない赤城
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着替える前に送ったのにまだ既読がつかない。寝てる?これワンチャン寝てるのか。じゃなったとしたら...急いで電話をかけたら通話中だった。
......え、誰と?
まさかまた高瀬とか言うヤツなのか?え、大丈夫そう?リアルガチめに心配なんだけど。
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