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三
25話 友人の違和感
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夏休みに入ってから数日が経過していた。
新山さんは前半にバイトを多く詰め込んだらしく、その間におれは部屋に籠って大量に出ていた課題をできるだけ早く終えようと手を付けていた。
そんな時に内田と有馬の三人でやっているL◯NEグループで今から一緒に課題をやらないかと有馬から誘われ、昼過ぎからみんなで有馬の家でやることになった。
適当にカップラーメン食べた後で支度を進めていると、どこからか帰ってきた兄貴が階段を上がって自分の部屋に入ろうとしていた。
「あれ、どっか行くの?新山~?」
「違うよ、友達の家に課題やり行く。夕飯は鍋にカレーできてるらしいよ。メモ貼ってあった。」
そう言い残して玄関に向かうおれに向かった兄貴が階段から声をかけて来た。
「そういや休み中に日程決めてみんなで飯でも行こうって父さんがL◯NEで言ってたよ。母さんも乗り気だったっぽいし日付決まったら言うからお前も来いよー。」
「......本当に行くことになれば、ね。」
兄貴に話に鼻で笑いながら返したおれは靴を履いて家から出ていった。
佐々木は千隼の様子を見てなんとも言えない表情を浮かべた後自分も自分の部屋に戻った。
「せっかくの夏休みにこんなバカみたいな量の課題出すの多分うちくらいだよな。」
「だろうな。一応部活あるやつは多少免除されるって聞いたけど、だとしても結構きつそうだよな。部活と課題だけして休み終わるって。」
憂鬱そうにダラダラと話をしながら課題に手を付ける内田と有馬を横目で見ながら、千隼は黙々と課題を進めていた。
「そういやこの間お前ら出かけたんでしょ?あの誕生日の日。どうだったん?」
内田が二人に聞くと千隼は気まずそうに有馬の方を見た。
「普通に映画行ってその後ディナーデートしてきたよ~!ね?ちーちゃん。俺めっちゃ楽しかったしまた一緒に出かけよーね!」
明るく話をする有馬に浮かない表情を見せた千隼は申し訳なさそうに「まじでごめん。」と謝った。
「なんで謝るの~。彼氏に来るように言ったの俺だし、元より俺はもしそう言うことになったら全然ちーちゃんのこと渡す気だったよ?せっかくの誕生日、友達の俺と過ごすより彼氏といれたほうが絶対いいでしょ!」
一切顔色を変えない有馬のことを見て安心したように千隼が息を吐くと内田も察したように何も口出ししなかった。
「...正直今日なんて言えばいいかわからなかったから有馬から言い出してくれて助かった。気まずい感じになるところだったし。」
「うん、ちーちゃんのそうやって素直に言っちゃうところ俺めっちゃ好き。全然いいのに、俺らの仲じゃん。」
ヘラヘラと笑って話した有馬もおかげもありそこからは三人の中の雰囲気も和み、たわいもない話を交えながら課題を進めた。
千隼がトイレに立ち二人きりになると内田は有馬に話しかけた。
「...よかったの?敵に塩を送るなんてして。あいつのあの感じからして上手くいっちゃったっぽいじゃん。」
呆れた言い方をする内田を見て愛想笑いをすると寂しそうな顔をして有馬が口を開いた。
「しょうがないよねー...デート中あんな切ない顔見せられちゃ背中押す以外しようがないでしょ。でもまぁ今日、あの日ちーちゃんを迎えに来たあの人が付けてたネックレスと同じのちーちゃんが付けてたの見た時は余裕で心折れたけどね。」
「ネックレス?そんなん下げてた?相変わらずよく見てんなー...。」
「そりゃね、俺は好きな相手の変化くらい気づける男だよ、お前とは違ってな。」
嫌味を込めて言った有馬の首を軽く絞め戯れあっているところに千隼が戻ってくると「何してんの。」と冷めた声で言った千隼に「プロレス。」と内田は誤魔化した。
18時頃になって解散する流れになり片付けを済ませると、有馬に玄関まで見送られた千隼と内田は駅まで歩いていた。そんな時に不意に千隼が内田に言い出した。
「......有馬に好きな人いるのおれ知らなかった。内田はいつから知ってたの?」
千隼に言葉に驚いた表情を見せた内田は「相手誰だか知ってんの?」と聞いた。
「さっきトイレから帰った時に二人が話してんの聞いた。誰かは知らないけど、有馬好きな人居たんだってそん時知った。改めて聞いていいのか分からなかったから有馬本人には聞かなかったけどさ。」
とぼとぼと歩きながらそう言った千隼に対して内田はなんと言葉をかけようか渋った。
「...気になるなら聞いてみれば?あいつも隠してるとかじゃないだろうし、ただ単にお前が彼氏のことで悩んでるの見てるから闇雲に話できなかったとかあるんじゃない?見かけによらず気遣えるやつだからさ。」
内田の言い分を聞き納得したように首を縦に振ると千隼は大きなため息を吐いた。
電車に乗り込むと携帯ゲームをしだした内田の横で、バイトの休憩で連絡をくれていた新山とのトーク画面を開いた。あと2日で連勤が終わるからそしたら会おうと言う連絡に対し、嬉しそうに返事をする千隼を見た内田は沈痛な表情をした。
そして最寄駅に着き先に降りた千隼に手を振った後で有馬に一通の連絡を入れた。
「......友達同士の恋愛の絡れってまじでむず過ぎだろ...あれでよかったのかね。」
独り言のようにぶつぶつと呟くとまたゲーム画面に戻り、推しであるアニメキャラの笑顔を見て気持ちを落ち着かせた。
有馬には今まで内田と同じくらいに新山さんのことで相談に乗ってもらっている。だから二人にもし好きな人ができたその時はおれも同じように色々と相談に乗ってあげようと勝手ながら考えていた。
だからこそ今日のことは少し悲しく感じた。きっと有馬のことだから言い出せずにいたのかもしれないけれどおれだけが知らない二人の会話に疎外感と劣等感を持った。
内田には聞いてみれば、と言われたけれど聞いていいものなのだろうか。おれが自分のペースで新山さんのことを二人に話したように、有馬にとってもそのペースというものがあったとしてそれに土足でおれが立ち入っていいのか。
考えれば考えるほど難しいこの難問に頭を抱えたけれどそれと同時に兄貴から家を出る前に言われたことを思い出した。
「......父さんと母さんと一緒に飯、か。」
上の空で歩いていた千隼がぼーっと家の前に立っていると後ろからポンッと肩を叩かれた。
「っくりした...赤城先輩か。」
「それを俺のセリフね。何自分の家の前に突っ立ってんの、亡霊かと思ったわ。」
「...赤城先輩じゃなくて新山さんなら最高だったのに。」
「まじで揃って失礼なカップルだな、お似合いお似合い。」
適当に会話をする赤城を見て千隼が笑うとその後二人は一緒に家に入った。
そしてリビングに入っていく赤城を見届けると、千隼はそのまま自分の部屋に上がって行った。
新山さんは前半にバイトを多く詰め込んだらしく、その間におれは部屋に籠って大量に出ていた課題をできるだけ早く終えようと手を付けていた。
そんな時に内田と有馬の三人でやっているL◯NEグループで今から一緒に課題をやらないかと有馬から誘われ、昼過ぎからみんなで有馬の家でやることになった。
適当にカップラーメン食べた後で支度を進めていると、どこからか帰ってきた兄貴が階段を上がって自分の部屋に入ろうとしていた。
「あれ、どっか行くの?新山~?」
「違うよ、友達の家に課題やり行く。夕飯は鍋にカレーできてるらしいよ。メモ貼ってあった。」
そう言い残して玄関に向かうおれに向かった兄貴が階段から声をかけて来た。
「そういや休み中に日程決めてみんなで飯でも行こうって父さんがL◯NEで言ってたよ。母さんも乗り気だったっぽいし日付決まったら言うからお前も来いよー。」
「......本当に行くことになれば、ね。」
兄貴に話に鼻で笑いながら返したおれは靴を履いて家から出ていった。
佐々木は千隼の様子を見てなんとも言えない表情を浮かべた後自分も自分の部屋に戻った。
「せっかくの夏休みにこんなバカみたいな量の課題出すの多分うちくらいだよな。」
「だろうな。一応部活あるやつは多少免除されるって聞いたけど、だとしても結構きつそうだよな。部活と課題だけして休み終わるって。」
憂鬱そうにダラダラと話をしながら課題に手を付ける内田と有馬を横目で見ながら、千隼は黙々と課題を進めていた。
「そういやこの間お前ら出かけたんでしょ?あの誕生日の日。どうだったん?」
内田が二人に聞くと千隼は気まずそうに有馬の方を見た。
「普通に映画行ってその後ディナーデートしてきたよ~!ね?ちーちゃん。俺めっちゃ楽しかったしまた一緒に出かけよーね!」
明るく話をする有馬に浮かない表情を見せた千隼は申し訳なさそうに「まじでごめん。」と謝った。
「なんで謝るの~。彼氏に来るように言ったの俺だし、元より俺はもしそう言うことになったら全然ちーちゃんのこと渡す気だったよ?せっかくの誕生日、友達の俺と過ごすより彼氏といれたほうが絶対いいでしょ!」
一切顔色を変えない有馬のことを見て安心したように千隼が息を吐くと内田も察したように何も口出ししなかった。
「...正直今日なんて言えばいいかわからなかったから有馬から言い出してくれて助かった。気まずい感じになるところだったし。」
「うん、ちーちゃんのそうやって素直に言っちゃうところ俺めっちゃ好き。全然いいのに、俺らの仲じゃん。」
ヘラヘラと笑って話した有馬もおかげもありそこからは三人の中の雰囲気も和み、たわいもない話を交えながら課題を進めた。
千隼がトイレに立ち二人きりになると内田は有馬に話しかけた。
「...よかったの?敵に塩を送るなんてして。あいつのあの感じからして上手くいっちゃったっぽいじゃん。」
呆れた言い方をする内田を見て愛想笑いをすると寂しそうな顔をして有馬が口を開いた。
「しょうがないよねー...デート中あんな切ない顔見せられちゃ背中押す以外しようがないでしょ。でもまぁ今日、あの日ちーちゃんを迎えに来たあの人が付けてたネックレスと同じのちーちゃんが付けてたの見た時は余裕で心折れたけどね。」
「ネックレス?そんなん下げてた?相変わらずよく見てんなー...。」
「そりゃね、俺は好きな相手の変化くらい気づける男だよ、お前とは違ってな。」
嫌味を込めて言った有馬の首を軽く絞め戯れあっているところに千隼が戻ってくると「何してんの。」と冷めた声で言った千隼に「プロレス。」と内田は誤魔化した。
18時頃になって解散する流れになり片付けを済ませると、有馬に玄関まで見送られた千隼と内田は駅まで歩いていた。そんな時に不意に千隼が内田に言い出した。
「......有馬に好きな人いるのおれ知らなかった。内田はいつから知ってたの?」
千隼に言葉に驚いた表情を見せた内田は「相手誰だか知ってんの?」と聞いた。
「さっきトイレから帰った時に二人が話してんの聞いた。誰かは知らないけど、有馬好きな人居たんだってそん時知った。改めて聞いていいのか分からなかったから有馬本人には聞かなかったけどさ。」
とぼとぼと歩きながらそう言った千隼に対して内田はなんと言葉をかけようか渋った。
「...気になるなら聞いてみれば?あいつも隠してるとかじゃないだろうし、ただ単にお前が彼氏のことで悩んでるの見てるから闇雲に話できなかったとかあるんじゃない?見かけによらず気遣えるやつだからさ。」
内田の言い分を聞き納得したように首を縦に振ると千隼は大きなため息を吐いた。
電車に乗り込むと携帯ゲームをしだした内田の横で、バイトの休憩で連絡をくれていた新山とのトーク画面を開いた。あと2日で連勤が終わるからそしたら会おうと言う連絡に対し、嬉しそうに返事をする千隼を見た内田は沈痛な表情をした。
そして最寄駅に着き先に降りた千隼に手を振った後で有馬に一通の連絡を入れた。
「......友達同士の恋愛の絡れってまじでむず過ぎだろ...あれでよかったのかね。」
独り言のようにぶつぶつと呟くとまたゲーム画面に戻り、推しであるアニメキャラの笑顔を見て気持ちを落ち着かせた。
有馬には今まで内田と同じくらいに新山さんのことで相談に乗ってもらっている。だから二人にもし好きな人ができたその時はおれも同じように色々と相談に乗ってあげようと勝手ながら考えていた。
だからこそ今日のことは少し悲しく感じた。きっと有馬のことだから言い出せずにいたのかもしれないけれどおれだけが知らない二人の会話に疎外感と劣等感を持った。
内田には聞いてみれば、と言われたけれど聞いていいものなのだろうか。おれが自分のペースで新山さんのことを二人に話したように、有馬にとってもそのペースというものがあったとしてそれに土足でおれが立ち入っていいのか。
考えれば考えるほど難しいこの難問に頭を抱えたけれどそれと同時に兄貴から家を出る前に言われたことを思い出した。
「......父さんと母さんと一緒に飯、か。」
上の空で歩いていた千隼がぼーっと家の前に立っていると後ろからポンッと肩を叩かれた。
「っくりした...赤城先輩か。」
「それを俺のセリフね。何自分の家の前に突っ立ってんの、亡霊かと思ったわ。」
「...赤城先輩じゃなくて新山さんなら最高だったのに。」
「まじで揃って失礼なカップルだな、お似合いお似合い。」
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