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二
20.5話 過保護ブラザーズ
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佐々木が俺に聞かせてきたのは佐々木本人と土間の会話を録音したものだった。前置きなしで聞かされ始めた俺にはさっぱり理解難問だと思っていたのに途中からそんなこと言ってられないような内容に話はすり替わっていった。
話によると土間は数年前に千隼に襲いかかったらしい。その事が千隼は今だにトラウマで、この間もあの時土間が千隼の部屋にいたのは過去のように無理やり土間がそう言う雰囲気に千隼を巻き込もうとした、と言うのが真相らしい。録音の後半の方は、佐々木が今にも土間に殴りかかろうとしているのがわかるほど激しく擦れる服の音や土間に対して罵声を浴びせる佐々木の声が生々しく入っていた。最後は佐々木の携帯が地面に落ちる音がして、そこで録音は終わった。
録音を聞いた俺は、画面フィルムに傷が入っている佐々木のその携帯を佐々木に返した。
「...ま、そんな感じ。今多分お前も土間に死ぬほど物申したいとは思うけどもう終わったことだって言われるだけだし変に口出してそれで弟との関係問い質される可能性も無きにしも非ずだからあんま触れない方がいいかもね。これ聞いたらわかるかもだけど俺があんだけ言っても反省の色皆無だったし馬鹿に何言ってもこっちが疲れるだけよ。その感じからして無理だろうけど、まだキスだけで済んで良かったと飲み込むしかないべ。現に当事者の弟がお前にだけは知られたくないって今だに怯えてたくらいなんだからさ。」
佐々木の話を聞いて俺はなんとか怒りを沈めて顔をあげた。
「は?千隼がそれお前に言ったの?」
「うん、土間が千隼の部屋入ってたあの日ね。お前ら返したあと問いただしたらしっかりゲロりました。普通にやってる事キモすぎるし俺は周りに広めるって言ったんだけど頑なにお前の耳に届くからやめてほしいって言ってたよ。そんな過去あるって知られて引かれんのが嫌だったんだとさ。...まぁ誰にも打ち明けずに兄の俺にも黙ってたって結構苦痛だっただろうね、普通に思い出したくもないべ。されてることレ◯プと変わらんやん。」
場の雰囲気を気にしてかヘラヘラ笑って話した佐々木がドリンクバーに行くと一人席で座っていた新山の元にいちごパフェとチョコサンデーが届いた。明らかにでかい商品を見て新山が頭をかけえていると佐々木が席に戻ってきた。
「......おいこれいつ頼んだ?」
「あーきたきた!さっきお前がイヤホンで録音聞いてる時注文したわ。お前の分もドリバ頼んだから行ってくれば?チョコがお前のでいちごパフェ俺ね!」
そう言って持ってきたホットコーヒーと一緒にパフェを食べる佐々木を見て新山はため息を吐いた。
そして諦めたように自分もブラックコーヒーを持ってくるとチョコサンデーを食べ始めた。
「今日お前んち泊まっても良さげ?」
お互いにもう少しで食べ終わると言うタイミングで新山が聞くと佐々木は「今更それ聞く必要あんの?」と笑って答えた。
「いや千隼のメンタルの方よ。今俺が行ったら悪化するやつかね。そっとしておいた方がいいやつ?」
話ながら新山が財布から千円を取り出し佐々木に差し出すとそれ受け取った佐々木は席から立ち上がった。
「弟の方はいつでもお前がくれば喜ぶとは思うよ。それよりそっちは?最近家空けてること多いっぽいけど大丈夫なん?」
レジに向かいながら佐々木が聞くとそれに対して新山は「どちらかと言うと大丈夫ではないけど大丈夫だよ。」と曖昧な回答をした。
二人が佐々木家に着くとリビングのソファで横になっていた千隼は玄関のドアの開く音で目を覚まし玄関に顔を出した。そして佐々木と一緒に家に入ってきた新山の姿を見て驚いて口をぽかんと開けた。
そんな千隼の事を見て新山は優しく微笑みかけるとそっと千隼のことを抱きしめた。
「そっちの方が何倍も辛い思いしてたのに俺クソほどデリカシーないこと言ったし馬鹿みたいに嫉妬してまじですいません。」
突然の新山の発言にびっくりして千隼があたふたしているとそばで見ていた佐々木がグットサインを送ってきたのに気付き全てを悟った。そして「過去のこと...兄貴から聞いたの?」と恐る恐る千隼が言うとそれに新山は頷いた。
「ま、これで一件落着ってこって!あとは個人のお部屋の方で盛ってくださいな、俺は適当に女の家行くんでお好きにー!」
と言い残して佐々木はさっさと家から出て行った。
玄関に取り残された新山と千隼は静かになった空間になんとなく恥ずかしさを覚えお互いに黙り込んだ。
「あ...えっと、おれの部屋......来...る?...泊まる?」
千隼が顔を赤くしながら首を傾げて聞くと新山は千隼の指に自身の指を絡めながら「うん。」と答えた。
5時45分にかけていたアラームが鳴ると新山は手を伸ばしてアラームを止めた。隣で気持ちよさそうにスヤスヤと眠る千隼の寝顔を見てふわっと髪に触れた。そして布団から出て立ちあがろうとするとそんな新山の身体に千隼は絡みついた。
「やだ...まだ隣いる。」
そう言って甘える千隼の方に新山は向きを変えると頬にキスをした。
「起こしちゃってごめんね。シャワー浴びてくるだけだよ。それとも一緒に行く?」
そう声をかけると何も言わずに両手を出してきた千隼に新山は嬉しそうに笑って身体を起こした。そしてその後一緒に風呂場に向かうとたわいもない話をしながら一緒に身体を洗った。
部屋に戻って制服に着替える千隼の後ろ姿を見ていた新山は、数箇所に渡って自分が付けたキスマークに思わずクスッと笑った。
「まぁ俺のは背中だし...許容範囲か。」
ボソッとそう呟いた新山の言葉に反応して千隼が振り返った。
「ん?何か言った?」
「いや?こっちの話。...それより千隼。今言うことじゃない気もするんだけどさ...まじに土間以外自分の部屋入れてない?今なら正直に言ってくれれば許せるよ。」
着替えを済ませ近づいてきた千隼に新山が聞くと千隼はそんな新山の上に跨りそのまま抱きついた。
「付き合ってから入ったのはあの人との赤城先輩くらい。赤城先輩はおれが新山さんのこと相談したかったから入っただけだしそれ以外は入れてないよ。本当に神に誓える。」
そう答えた千隼を抱きしめ返すと「これからもダメね。」と新山は弱々しい声で言った。それを聞いた千隼は満足そうに笑って頷くと、静かになった部屋の中で二人は唇を重ねた。
話によると土間は数年前に千隼に襲いかかったらしい。その事が千隼は今だにトラウマで、この間もあの時土間が千隼の部屋にいたのは過去のように無理やり土間がそう言う雰囲気に千隼を巻き込もうとした、と言うのが真相らしい。録音の後半の方は、佐々木が今にも土間に殴りかかろうとしているのがわかるほど激しく擦れる服の音や土間に対して罵声を浴びせる佐々木の声が生々しく入っていた。最後は佐々木の携帯が地面に落ちる音がして、そこで録音は終わった。
録音を聞いた俺は、画面フィルムに傷が入っている佐々木のその携帯を佐々木に返した。
「...ま、そんな感じ。今多分お前も土間に死ぬほど物申したいとは思うけどもう終わったことだって言われるだけだし変に口出してそれで弟との関係問い質される可能性も無きにしも非ずだからあんま触れない方がいいかもね。これ聞いたらわかるかもだけど俺があんだけ言っても反省の色皆無だったし馬鹿に何言ってもこっちが疲れるだけよ。その感じからして無理だろうけど、まだキスだけで済んで良かったと飲み込むしかないべ。現に当事者の弟がお前にだけは知られたくないって今だに怯えてたくらいなんだからさ。」
佐々木の話を聞いて俺はなんとか怒りを沈めて顔をあげた。
「は?千隼がそれお前に言ったの?」
「うん、土間が千隼の部屋入ってたあの日ね。お前ら返したあと問いただしたらしっかりゲロりました。普通にやってる事キモすぎるし俺は周りに広めるって言ったんだけど頑なにお前の耳に届くからやめてほしいって言ってたよ。そんな過去あるって知られて引かれんのが嫌だったんだとさ。...まぁ誰にも打ち明けずに兄の俺にも黙ってたって結構苦痛だっただろうね、普通に思い出したくもないべ。されてることレ◯プと変わらんやん。」
場の雰囲気を気にしてかヘラヘラ笑って話した佐々木がドリンクバーに行くと一人席で座っていた新山の元にいちごパフェとチョコサンデーが届いた。明らかにでかい商品を見て新山が頭をかけえていると佐々木が席に戻ってきた。
「......おいこれいつ頼んだ?」
「あーきたきた!さっきお前がイヤホンで録音聞いてる時注文したわ。お前の分もドリバ頼んだから行ってくれば?チョコがお前のでいちごパフェ俺ね!」
そう言って持ってきたホットコーヒーと一緒にパフェを食べる佐々木を見て新山はため息を吐いた。
そして諦めたように自分もブラックコーヒーを持ってくるとチョコサンデーを食べ始めた。
「今日お前んち泊まっても良さげ?」
お互いにもう少しで食べ終わると言うタイミングで新山が聞くと佐々木は「今更それ聞く必要あんの?」と笑って答えた。
「いや千隼のメンタルの方よ。今俺が行ったら悪化するやつかね。そっとしておいた方がいいやつ?」
話ながら新山が財布から千円を取り出し佐々木に差し出すとそれ受け取った佐々木は席から立ち上がった。
「弟の方はいつでもお前がくれば喜ぶとは思うよ。それよりそっちは?最近家空けてること多いっぽいけど大丈夫なん?」
レジに向かいながら佐々木が聞くとそれに対して新山は「どちらかと言うと大丈夫ではないけど大丈夫だよ。」と曖昧な回答をした。
二人が佐々木家に着くとリビングのソファで横になっていた千隼は玄関のドアの開く音で目を覚まし玄関に顔を出した。そして佐々木と一緒に家に入ってきた新山の姿を見て驚いて口をぽかんと開けた。
そんな千隼の事を見て新山は優しく微笑みかけるとそっと千隼のことを抱きしめた。
「そっちの方が何倍も辛い思いしてたのに俺クソほどデリカシーないこと言ったし馬鹿みたいに嫉妬してまじですいません。」
突然の新山の発言にびっくりして千隼があたふたしているとそばで見ていた佐々木がグットサインを送ってきたのに気付き全てを悟った。そして「過去のこと...兄貴から聞いたの?」と恐る恐る千隼が言うとそれに新山は頷いた。
「ま、これで一件落着ってこって!あとは個人のお部屋の方で盛ってくださいな、俺は適当に女の家行くんでお好きにー!」
と言い残して佐々木はさっさと家から出て行った。
玄関に取り残された新山と千隼は静かになった空間になんとなく恥ずかしさを覚えお互いに黙り込んだ。
「あ...えっと、おれの部屋......来...る?...泊まる?」
千隼が顔を赤くしながら首を傾げて聞くと新山は千隼の指に自身の指を絡めながら「うん。」と答えた。
5時45分にかけていたアラームが鳴ると新山は手を伸ばしてアラームを止めた。隣で気持ちよさそうにスヤスヤと眠る千隼の寝顔を見てふわっと髪に触れた。そして布団から出て立ちあがろうとするとそんな新山の身体に千隼は絡みついた。
「やだ...まだ隣いる。」
そう言って甘える千隼の方に新山は向きを変えると頬にキスをした。
「起こしちゃってごめんね。シャワー浴びてくるだけだよ。それとも一緒に行く?」
そう声をかけると何も言わずに両手を出してきた千隼に新山は嬉しそうに笑って身体を起こした。そしてその後一緒に風呂場に向かうとたわいもない話をしながら一緒に身体を洗った。
部屋に戻って制服に着替える千隼の後ろ姿を見ていた新山は、数箇所に渡って自分が付けたキスマークに思わずクスッと笑った。
「まぁ俺のは背中だし...許容範囲か。」
ボソッとそう呟いた新山の言葉に反応して千隼が振り返った。
「ん?何か言った?」
「いや?こっちの話。...それより千隼。今言うことじゃない気もするんだけどさ...まじに土間以外自分の部屋入れてない?今なら正直に言ってくれれば許せるよ。」
着替えを済ませ近づいてきた千隼に新山が聞くと千隼はそんな新山の上に跨りそのまま抱きついた。
「付き合ってから入ったのはあの人との赤城先輩くらい。赤城先輩はおれが新山さんのこと相談したかったから入っただけだしそれ以外は入れてないよ。本当に神に誓える。」
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