婚約破棄されたら王太子がストーカーになりました

4◆ユリウス視点

「………覗かないでください」

今、僕は学園にて……トイレの個室にいます。

ここ注目！
トイレの個室にいます！

じゃあ、今のは誰に言ったのか………それは、上から覗く変態だ。
(別に性癖は否定しないけど、上からは嫌だ。怖いから)

ちなみに誰かというと、この国の王太子ロビン様だ。

「個室だと私の愛しいユリウスの姿がみえなくなるから……」
「………はぁ」

婚約を断ったあの日の次の日から、ロビン様がストーカーになりやがったです。

どこに行ってもついてくるし、クラスが違うから授業の時はいないけど……代わりにロビン様の側近のカイル・レベッカが常にいる。

………ロビン様の命令には絶対服従らしい。

ロビン様は更衣室にもついてくるし、トイレにもついてくる。

ロビン様がダメな時は、やっぱり側近のカイルがついてくる。

ロビン様のアプローチって、つきまといだけかと思いきやそんなことはない。

毎日の分厚いラブレター。

内容説明として、一部みせよう。

『ユリウスがいるから私はこの世界に命を与えられ、ユリウスを愛するために私は生きている。ユリウスが私に微笑むたび、ユリウスが私の名前を呼ぶたび、私は何度も神にユリウスと愛し合う運命を与えてくれたことに感謝の祈りを捧げる』

………これはあくまでも一部だ。

いくつもあるラブレターの内の、一通の一部に過ぎない。

次に、毎日のプレゼント。

ちなみにプレゼント内容は、大人のエロ系プレゼントだ。

オモチャとか、縄とか、ロウソクにムチとか、エロい服とか、拘束具とか、媚薬とか………。

ロビン様………僕に何を求めているの？
SMでもしたいの？

ついでに言うと、オモチャのプレゼント数が一番多い。

なんでくれるのか聞いたら………。

「私に使ってほしいから」

と、照れながら言われた。

素直に男として抱きたくなったけど、まだ失恋の傷のせいか性欲がわかなくて………今は使えそうにない。