不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました！

12◆ラウロ視点

子供たちが、庭で動物と戯れているのをみて、僕は前世の懐かしい思い出を思い出していました。

大好きな家族のいる暖かい家でしたね。

ある日、僕は捨て犬を拾ったんですよ。

その捨て犬は、ダンボールの中で弱っていました。

病院で診てもらったら、空腹以外は健康体でした。

恐らく、捨てられてまだ日が浅かったのでしょう。

捨て犬の名前はクラッシュ。

クラッシュの入っていたダンボールに書いてました。

元飼い主は、お金の都合で飼えなくなったようです。

しかし………何も捨てなくても、新しい里親をみつけてあげようとは思わないんですかね？

僕は、クラッシュを家族に頼んで飼うことにしました。

クラッシュは僕にとてもなつき、家族にも大切にされて育ちました。

ただ、何故か僕にしか尻尾を振らないんですよね。

ふふふ、つい嬉しくてニマニマ微笑むのは仕方ないですよ。

大好きなクラッシュ。

僕の可愛いクラッシュ。

ちなみに、クラッシュはハスキーらしい。

特徴的な顔が堪らなく愛しいんです！

ああ、会いたいですね。

そういえば、前世といえばまだ思い出せないんですよ。

僕の死因。

僕………未だに思い出せないので、もしかしたらずっと思い出せないのかもしれないですね。

まぁ、別に困らないのでどうでもいいですけど。

犬………また飼いたいですね。

クラッシュに似ている犬を、またあの頃のように………。