生涯年収

コユメ

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薄暗くなってきた道を歩きながら、さっきの言葉を思い出していた。
あの日僕をつけていたのは多分メンバーの誰かに間違いない
そしてそれは男だと言う事メンバーの中には確実に男と思われるのは山中教授とNo.4の2人…だとすると怪しいのは…
いやと頭を振るとスマホに着信が見ると夢子からだった。

「今日はどうだった?」

夢子のその言葉に躊躇してしまった。
探られているんじゃないのかと
夢子はそうなんじゃないと首を振り…気を取り直して

「色々教えて貰えたよ」

返すと直ぐに

「良かった。良かったら明日時間有るかな?あ、でも予定があるなら私は大丈夫だから」

夢子からのメールを読んで

「ゴメン明日はバイトがあるんだ」

「そっか…月村君はもうやらないって言っていたもんね!分かったまた今度ね」

「ああ、また誘って?」

「うん分かった。」

「連絡ありがとう、お休み」

僕はスマホを閉じて、ため息をついた。
そろそろ新しいバイトを探さないと…
明日にでもバイト情報誌を買おうと今日はもう疲れた。
アパートへ急いだ。
自分の部屋に着くなり電気も着けず布団に倒れ込んだ。
何か食べようと言う気にもなれずこのまま寝てしまおうか?
でも流石に汗臭いまま寝るのは抵抗があった。
仕方なく風呂には入ろうと立ち上がった。
そして風呂から出て冷蔵庫から水を取り出して飲んで居るとカチンと小さな音がした。
この音には聞き覚えがある。
これは郵便受けの音だ手紙とかが郵便受けに入った音だと…ここからだと死角で確認出来ないが間違い無いでもこんな時間に?とは思ったが頭をずらしてドアを見ると
静かに郵便受けがゆっくりと開いた。
僕は慌てて隠れ様子を伺うと郵便受けから部屋の様子を伺っている目が…ソイツはキョロキョロと何かを探しているようだった。
僕は見付からない様に息を潜めるとソイツには見付からなかったようで

「チッ」

と舌打ちし今度はガチャンと音を立てて郵便受けが閉まった。
僕は音を立てないようにドアに近づき耳を澄ませるとソイツはどうやら今度は隣の部屋の様子を伺っているようだ。
そしてしばらくするとトントンと階段を降りていく音がした。
僕は細心の注意を払いながらドアの鍵を静に開いて隙間から下の様子を伺うといきなり怒鳴り声が聞こえた。
どうやら下の住民と揉めているようだった。
もしかして誰かを探しているのだろうか?
それはもしかして…僕なんだろうか…。
あの夜僕をつけていたのはこいつなんだろうか?
もし僕を探しているのならこのアパートにいるのは不味いだろう…
僕は犯人の顔を確認しようと1階の様子を伺いながら階段を音を立てないように降りて、そしてアパートの裏に回り姿を確認しようとすると
やっぱり男の様だ、でも流石に後ろ姿じゃ誰か分からないあの時公園に居た男だったのかも判断が出来ないし男も用心の為なのか帽子を深く被りマスク迄していた。
男は一階の住民と揉めているようだったが僕は揉めて居る住民を見て不味いとあの部屋の住民の男はガラが悪く僕も何度も怒鳴られた経験をしている。
大家も何度も注意をしても直らないと愚痴っていた。
すると一階住民の男は大声で

「今何時だと思ってる何度も鳴らしやがって!殺すぞ!」

どうやらこの男は何度もインターホンを鳴らして男を起こしたらしい
今深夜の時間になろうとしているのだから住民の男もきっと寝ていたのだろうと
1階住民の男は怒り心頭だったが帽子のマスクの男はポケットの中から普通にナイフを取り出して住民の男の喉に押し当ててそのまま住民の喉を割いた。

「アガ!」

ビシャ!と返り血が男に掛かったが男は躊躇する事も無く見ていた。
その姿にゾッした。
何だコイツ…
住民の男は声も出せないままその場にうずくまった。
すると男は住民の男の頭を掴み部屋の中に引きずって行った。
もう何人も殺している手際の良さだった。目の前でドアが閉まり僕はドアについている郵便受けから震える手で恐る恐る部屋の中を覗き込むと帽子のマスク男は部屋の中で何かを探している。
帽子のマスク男の足元ではヒューヒューと嫌な息が漏れた音がしている
あともう少しで住民の男は死ぬすると帽子のマスクの男はようやく目当ての物が見つけたのか今度は自分のスマホを取り出して何か操作をし出した。
そうして終わるなりナイフを持ち直して倒れている瀕死の男に振り下ろした。
すると住民の男は小さな声で

「ぐ!」

最後の言葉で動かなくなった。
すると

「黒川修二の生涯年収が上田様の口座へ入金されました」

その音声に耳を疑ったが僕は震える手でゆっくりと音を立てないように郵便受けから手を離しアパートのの階段の影に隠れた。その直後帽子のマスク男が部屋から出て来た。
返り血がこびりついたままだった。
今見つかったら今度は僕が殺られてしまう僕は自分の口に手を当てて男が帰るのを待った。
男は鼻歌を歌いながら

「良い小遣い稼ぎだよな全く、それにしても…あの大学生ここじゃ無いのか?あいつにしようと思ったのに、でもまぁ良いか代わりが居たし」

…その声に聞き覚えが合った。
ゴクリと僕は男の顔を良く見ようと男の後をつける事にした。
ゆっくりと付かず離れずに居ると男はスマホを取り出し色々電話を掛けていたが全て女のようだった。
そして電話に出た女達は皆同じ事をいってるのか男は笑いながら

「いーよ。分かったよ。今度の時にな?」

上機嫌で答えていた。
そして一通り電話してを切ると首を鳴らしながら

「そろそろ、あの女飽きてきたし次はコイツにするか…」

恐ろしい事を口にした。
男は南公園に立ち寄りトイレに入った。
僕はトイレの外で身を隠した。
そして出て来た人を見て愕然とした。
男は帽子とマスクをトイレに捨ててきたのか顔がハッキリと分かった。
一瞬僕はまだ男はトイレに入ったまんまじゃないかと思ったが相手は何人も躊躇無く殺す殺人者だ
こんな人気の無い公園で人がいたらカモだと殺すはずだ。
だったらコイツが犯人に間違い無いだろうけど…この人は…
信じたくはないがそれしか考えられない…そこにいたのはスーパースズキの店長だった。
何でこの人が?あんなに優しそうな人が…僕はしばらく動けず店長の後ろ姿を見ていた。
そして念の為にとトイレに入った。
そしてやっぱりトイレには誰も居なかった。

「……。」

僕はゴミ箱の中を覗くと血の付いた帽子とマスクが捨ててあった。
僕は頭の中で山中教授の言葉が…
確かNo.4はウエダだって何で気が付かなかったのか
…嘘だろ?何でこんな近くに殺人者が?
夢子といい、こんな事があるんだろうか?たまたま何だろうか?
いくら考えても分からない分からないが今分かっているのはNo.4が店長で有ることは間違い無い
そういえば前の時スーパースズキの帰りに大体付けられていた事を思い出した。
店長はその時に僕に目を付けたのだろう、そしてアパートに目星を付けたが部屋までは分からなかったのだろう
そして郵便受けから僕を探していた?
僕は今回運良く電気を消していたお陰で見付からなかったが次見つかったら不味い…
今回は1階のあの男が犠牲になったが次は僕かもしれない…
あのアパートの2階は僕と隣のおじさんだけだおじさんは深夜の交通系の仕事をしているのでまず店長と会う事は無いだろう
あと1階はあの死んだ男のせいで人が入ってきても長続きしない状態だったので誰も居ない
問題は僕だろう…このままアパートにいたらいつ殺されるか分からない
一刻も早くあのアパートから出ないと
もっとセキュリティのしっかりした所じゃないと僕はそう決意してトイレから出た。するとトイレの近くにある街灯が切れかかっているのかチカチカと点滅していた。
そして気が付いた。
街灯の下に男の子が居る事にこんな深夜に?何故だろうと思ったけど次の瞬間もしかしてこれは幽霊なんじゃないかと思ったがそうでも無い
男の子にはちゃんと足が付いているし男の子は切れかっている街灯を見ているようだった。
もしかしてネグレクトとかで家に居られない子供かもと思った。
そして次の瞬間男の子が不意にこっちを振り返った。
振り返った男の子はフードを深く被っていて顔が見えないが明らかに僕の様子を伺っているように見えた。
僕が近づくと男の子は後退りをした。
僕は慌てて手を振り

「ごめん怪しい者じゃ無いんだ。」

男の子は何も言わずじっと僕を見ている。僕は男の子を怯えさえないように屈み

「こんな時間にどうしたの?お母さんは?」

すると男の子はチカチカと着いたり消えたりする街灯の下で

「…向こうにいるよ。」

ああ何だお母さんは近くにいるのか僕は辺りを見渡したがそれらしい気配は無かった。
おかしいなと思っていると男の子はボソリと

「狙われているよ…気を付けて」

「え?」

聞き返すと男の子は後退りそして次の瞬間街灯が暗くなって男の子の姿が見えなくなった。

「!」

そして明かりが着いた時に男の子は消えていた。
僕は慌てて回りを見渡したが男の子はどこにも居なかった。
一体何だったんだろう…恐怖は無かったが不思議な気持ちだった。
でもあの男の子…背格好からすると航と一緒ぐらいの年だった。
もし航が健康だったらあんな感じなんだろうか
そしたらもっと…一緒に居られたんだろうか?

「それにしてもあの子は一体?」

分からない色々考える事が多すぎる
僕は重い足を引きずりながら取り敢えずアパートに戻る事にした。
アパートに戻ると電気を付けず身を潜めながら眠った。
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