灰かぶり君

渡里あずま

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デートはどこまでお約束で?2

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 そんな訳での、土曜日。
 朝、今日の分の小説投稿をしたり、真白達の朝飯(起きる時間によっては昼飯になる)を用意したりした後、着替えて寮を出た。
 ……そして、出入り口の前に停まっていたベンツを見て足を止めた。

「りぃ君、おはよー♪」
「……おはよう」

 後部座席のドアが開いていて、そこに立っていたかー君が、笑顔で手を振っている。
 うん、待ち合わせ時間がまたしてもバスの時間じゃなかったから、どうやって行くんだろうって思ってけど――ベンツって、俺が『おもてなし』されてどうするんだよ。

「この車って、かー君の?」
「いや? これは、生徒会役員用に提供されてるサービス。バスで、一般生徒騒がせちゃ大変だから」
「……はあ」

 アイドルなんですね、解り……たくないけど、確かに学食のノリ(黄土色の悲鳴)になったら大変だよな。主に、バスに乗り合わせた白月の生徒以外のお客さんが。

「って、それなら尚更、俺が乗っちゃ駄目なんじゃないか?」
「そんなこと……俺がつき合って貰ってるんだから、心配しないで?」

 そう言うと、かー君は俺の手を両手で包み込んで小首を傾げた。
 そんなかー君の手に、俺も自分のもう片方の手を重ねる。それから、驚くかー君を見返して。

「解った……だけど、一緒に遊びに行くんだから。貰ってるとか、そんな言い方しなくて良いからな?」
「……っ!?」

 そう言うと、何故だかかー君は真っ赤になって唇を尖らせた。

「……ずるい」
「は?」
「俺ばっかり、メロメロにして……俺も、りぃ君のことメロメロにしたいのにっ」

 こらこら、何を力説してるんだ。かー君。と言うか、そんなことを考えてたのかかー君。
(別に、そう言う勝負をしてる訳じゃないけど……気合い入れていかないと、主導権握られっ放しだな)
 頑張ろう、と俺は心の中で拳を握った――それにしても運転手さん、全く平然としてるとかプロですね。



 ベンツは山から街へ、それから駅へと俺達を運んでくれた。
 そして、かー君が「また帰りにお願いします」と言うと、ベンツは元来た方角へと走って行った――今更だけど土曜日にも仕事とか、運転手さん本当にお疲れ様です。

「りぃ君、映画観ようよ」

 ベンツを見送っていた俺に、かー君が声をかけてくる。
 そう言えば近くに映画館あったよな、と『るるる』で得た知識を思い出して俺は頷いた。そんな俺ににっこり笑って、かー君が歩き出す。
(おお、見られてる見られてる)
 そんなかー君と並んで歩きながら、俺は心の中で呟いた。
 白月だとチワワ達と一部ガチムチに人気だけど、街だと圧倒的に女性陣からの視線を集めてた。イケメンだもんな、かー君。これ、彼女とか彼氏だったら心配で仕方ないだろうな。
(まあ、惚れたら一途だって言うのは知ってるけど)
 何しろ、初恋の相手の俺をずっと想い続けてるくらいだ。俺自身は初恋もまだなんで解らないけど、周りの感じからすると十分、一途だと思う。
(……あれ? そう言えば)
 そこで、俺はふと引っかかった。
 好かれているとは、聞いていたけど――かー君は『何で』俺のことを好きになったんだろう?
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