灰かぶり君

渡里あずま

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俺なりのケジメ2

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「クリームシチューと、モンブラン」
「……はい?」
「お前と付き合うのと、お前の飯を食うのは別の話だろう? 今までだって、作ってたんだし」

 腕組みをし、言い放つ紅河さんに俺はふむ、と考えた。
(うん、まあ、それはそうだな)
 勝手なことを言っているとは思うんで、俺は条件付で頷いた。

「じゃあ、今週の土曜日にでも……食べるのは、俺の部屋でにして下さい」
「解った」
「一緒に食べるのは、パンとかにしますか?」
「オムライス」
「相変わらず、よく食べますね」

 本当、これだけ食べて太らないんだからすごいよな。まあ、この人の場合、太るから食べないって選択肢はなさそうだけど。
 何て考えてた俺に、かー君が声をかけてきた。

「……俺も、りぃ君と話したい」

 かー君にそう言われるのは、想定内だ。
 とは言え、かー君は他の皆と違って学校だけのつきあいじゃない。幼なじみで、デジ☆でも交流がある。そう考えると、皆の前だと話せないことも出るかもしれない。
(とは言え、かー君の部屋とか俺の部屋の個人スペースで話すのもな)
 真白や紅河さんとは距離を置いて、かー君だけ特別扱いするのも――さて、どうするかと思った俺に、かー君が提案してきた。

「土曜日、昼って空いてる? 良かったら前、行ったファミレスで話さない?」
「……解った」

 確かに、ファミレスなら二人きりじゃないし。全く注目を集めないのは(かー君がイケメンなんで)無理だろうけど、BGMも流れてるから割と気楽に話すことも出来る。

「じゃあ、そう言うことで……ちょっと席外すから、あとは皆で話しててねー」

 頷いた俺にそう言うと、かー君は生徒会室を出て行き――ただ見送ることしか出来ない俺に、空青と海青が声をかけてきた。

「「友達では、いてくれるんだよね? いなくはならないんだよね?」」
「ああ」
「「……良かったぁ」」

 安心したようにそう言うと、双子は左右からギュッと俺に抱きついてきた。

「「出灰みたいなの、他にいないもん……いなくならないんなら、それで許してあげる」」
「ありがとな」

 上から発言ではあるけど、空青と海青の言葉が嬉しくてそう言った。と、抱き締めてくる腕に力がこもって、ちょっと痛いって言うか苦しくなる。

「俺も、先輩がいてくれるならそれで良いです……逆に、ここで辞めたら呆れられそうですし」
「僕もです。これからも色々、勉強させて下さい」
「黒士、朱春」
「……お前が、先輩になれる訳ないだろう?」
「違うし。そう言うところ君、頭悪いよね?」
「落ち着け、お前ら」

 そして恋愛的にって言うより、生徒会役員として続けてくれるか心配していた黒士と朱春からの言葉に、俺はホッとした。
 その後のやり取りについては一応、止めたけど実はこれ、よくあることだったりする。止めればやめるし、こいつらが言いたいことを言える相手って貴重だと思うから、まあ、良いんじゃないかなと。

「……出灰、ありが、と」

 と、ボソリと緑野が呟いたのに俺は顔を上げた。
 何となくだけど、二人みたいに抱きついてくるかなと思った緑野だけど――何と、一茶に抱きついた。
 俺もだけど、本人である一茶はもっと驚いてる。

「えっ? あの、副会長様?」
「……慰め、る」
「いや、こう言うのはチワワとか……そう、奏水なんていかがでしょう!?」
「往生際悪いよ、一茶」

 慌てるあまり、奏水に振ろうとしたけど当然、バッサリぶった切られた。
 まあ、そうだよな。緑野と奏水ってクラスメイトって以外は接点無いし。逆に一茶とは、緑野が影響受けてるなって思うフシが確かにあった。
(腐男子だから、一茶にも緑野が理解出来るだろうし……うん、ありっちゃありか)

「だって……そうだ、出灰! 石見先輩と安来先輩はどうした!?」

 納得していると、珍しく動揺している一茶が俺に話を振ってきた。この場にいない二人については、皆も気になっていたのか視線が再び俺に集中した。

「マリアさんには朝、伝えたし……刃金さんは自宅学習中だから、メールで伝えた」

 これも予想してたんで、俺は即答した。
 マリアさんに、生徒会室に来て貰うのはちょっとと思ったし。刃金さんには、メールでする話じゃないとは思ったけど、会って話してボロが出る方が大変だと思ったから――そうしたら、刃金さんからは「解った」とだけメールが来た。あっけないけど、これで完全に終わったんだろう。
 胸が痛むのを感じつつ、俺は心の中だけで呟いた。
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