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謀略
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三年学んで、クロエは『リブレ国大使の養女』としてエスカーダへ戻った。そして数日後、新学期が始まると共に卒業までの一年を王立学園で過ごすことになる。
王立学園には寮もあるが入るのは下級貴族や、クロエと違って王都に別宅のない留学生。そして、最近は数が増えたという平民である。
「『真実の愛』に憧れた者達らしいですね」
「……くだらないな」
「ただ、母親は首席だったらしいですが……ラウラ嬢は、十位前後らしいですね?」
風呂から上がったクロエの銀髪を、オーべルがしっかり拭いて整える。かつて、オーべルが磨き上げると言っていたクロエの髪は、言葉通り絹糸のような見栄えや手触りになっていた。
髪だけではない。肌も、鍛えたせいもあって育った胸や引き締まり、くびれのある腰も。あとマッサージ効果か、化粧をしなくても目尻が上がり、顔も凛とした美人風になっていた。これなら髪の色のおかげもあるが、誰もクロエとジャンヌが同一人物だとは思わないだろう。
……そこまで考えて、オーべルにされるがままになりながらクロエは答えた。
ちなみに、オーベルの情報はカルバ経由で入手したもので、クロエも知ってはいる。
「ああ。あれは、母親とは事情が違うのと……計算だろう?」
「計算ですか」
「母親は奨学生だったから、三位以内に入らないと退学だったが……ラウラは、公爵家の娘だからそんなことはない。あと、おそらくだが王太子は可愛いタイプが好きみたいだったから……好みに、合わせたんじゃないかな」
昔はジャンヌも今のクロエとは違って可愛かったが、とにかく手をかけられていなかったので地味だしみすぼらしかった。だからこそより可愛らしく、それでいて勉強もそれなりに出来るラウラに心変わりしたのだと思う。
「だった……過去形、ですか?」
そこでクロエの言葉に引っかかったのか、オーペルが髪を拭くのをやめて問いかけてくる。
それに鏡越しに目をやり、リブレ国風の白い襦袢姿のクロエは肩を竦めた。
「ガキならともかく、男なら可愛い以外にも目がいくだろう? アイツ、この前会った時にこの胸見てたしな」
「……ああ」
クロエの言葉に、オーベルも思い出したのか声が低くなる。ジャンヌの体と考えると申し訳ないが、前世アラサー男性だった身としては理解出来てしまうので苦笑しか出ない。
「一応、俺以外にも『駒』は用意しているが……俺にハマってくれるのが、一番なんだよな」
「多分、うまくいくと思いますよ? アイツの父親も、王妃がいるくせに俺の母親に手出しましたし」
「そうだったな」
リブレ国で、オーベルの母の絵姿を見たことがあるが──確かに、エスカーダ王妃とは系統が違う美女だった。だからこそ、お忍びで城下街に行った国王に目をつけられて通われ、子供が出来たとは言え他国民の娼婦が王宮に招かれたのだから。
「まあ、俺か『駒』かはともかく、食いついてきたらせいぜい振り回してやるさ」
「匙加減を間違えて、手を出されないで下さいよ?」
「当然だ。ジャンヌの体を、アイツに必要以上に触れさせてたまるか」
「それなら安心です」
そう言って肩を竦めるクロエに、オーベルは濡れた髪を拭くのを再開した。
王立学園には寮もあるが入るのは下級貴族や、クロエと違って王都に別宅のない留学生。そして、最近は数が増えたという平民である。
「『真実の愛』に憧れた者達らしいですね」
「……くだらないな」
「ただ、母親は首席だったらしいですが……ラウラ嬢は、十位前後らしいですね?」
風呂から上がったクロエの銀髪を、オーべルがしっかり拭いて整える。かつて、オーべルが磨き上げると言っていたクロエの髪は、言葉通り絹糸のような見栄えや手触りになっていた。
髪だけではない。肌も、鍛えたせいもあって育った胸や引き締まり、くびれのある腰も。あとマッサージ効果か、化粧をしなくても目尻が上がり、顔も凛とした美人風になっていた。これなら髪の色のおかげもあるが、誰もクロエとジャンヌが同一人物だとは思わないだろう。
……そこまで考えて、オーべルにされるがままになりながらクロエは答えた。
ちなみに、オーベルの情報はカルバ経由で入手したもので、クロエも知ってはいる。
「ああ。あれは、母親とは事情が違うのと……計算だろう?」
「計算ですか」
「母親は奨学生だったから、三位以内に入らないと退学だったが……ラウラは、公爵家の娘だからそんなことはない。あと、おそらくだが王太子は可愛いタイプが好きみたいだったから……好みに、合わせたんじゃないかな」
昔はジャンヌも今のクロエとは違って可愛かったが、とにかく手をかけられていなかったので地味だしみすぼらしかった。だからこそより可愛らしく、それでいて勉強もそれなりに出来るラウラに心変わりしたのだと思う。
「だった……過去形、ですか?」
そこでクロエの言葉に引っかかったのか、オーペルが髪を拭くのをやめて問いかけてくる。
それに鏡越しに目をやり、リブレ国風の白い襦袢姿のクロエは肩を竦めた。
「ガキならともかく、男なら可愛い以外にも目がいくだろう? アイツ、この前会った時にこの胸見てたしな」
「……ああ」
クロエの言葉に、オーベルも思い出したのか声が低くなる。ジャンヌの体と考えると申し訳ないが、前世アラサー男性だった身としては理解出来てしまうので苦笑しか出ない。
「一応、俺以外にも『駒』は用意しているが……俺にハマってくれるのが、一番なんだよな」
「多分、うまくいくと思いますよ? アイツの父親も、王妃がいるくせに俺の母親に手出しましたし」
「そうだったな」
リブレ国で、オーベルの母の絵姿を見たことがあるが──確かに、エスカーダ王妃とは系統が違う美女だった。だからこそ、お忍びで城下街に行った国王に目をつけられて通われ、子供が出来たとは言え他国民の娼婦が王宮に招かれたのだから。
「まあ、俺か『駒』かはともかく、食いついてきたらせいぜい振り回してやるさ」
「匙加減を間違えて、手を出されないで下さいよ?」
「当然だ。ジャンヌの体を、アイツに必要以上に触れさせてたまるか」
「それなら安心です」
そう言って肩を竦めるクロエに、オーベルは濡れた髪を拭くのを再開した。
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