主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま

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お忘れかもですが

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 魔王のいる国は『魔国』と呼ばれていた。まんまだな、と舞は思ったがそれは口に出さないでおいた。
 亜人もだが、魔族のいる国に行きたいということで、不審がられないかが心配だったが――商会長であるセバエから多くはないが、年に一、二回は今回のような申し出があると聞いた。
 ちなみにセバエは、魔国と定期的に行き来しているからか一見、細身に見えるが細マッチョのようだ。大樹もそうだった。年も、大樹と同じ三十代後半から四十前後くらいのようだ。ちなみにここも大樹と同じで妻帯者であり、子供が女の子というのだけが違った。

「特製竈や特製氷箱は、すっかりこのロクス皇国に普及しましたが……魔国の高い技術に惹かれた職人や、あとこの国は貴族以上と平民の間に絶対的身分差があるので……我らのように、平民出身の商人が自由に商売する為に行ったりしますね」
「そうなんですね……」
「ただ、魔国に住むほとんどは魔族や亜人です。彼ら『は』人族を差別しませんが、あなたはどうですか?」
「人族だけの、小さな集落で育ったので驚くかもしれませんが、差別はないです。そして理由としては、後者ですかね……見た目も含めて、皇国ここだと馴染めませんし。最初は、露店から始めたいんですが」

 山の中の小さな里で育ったが、両親を亡くしたので仕事を探しにロクス皇国に来た。
 それは二か月程酒場で働いているうちに、聞かれて答えていつしか定着した設定だった。『小さい』のと両親を亡くしたは嘘だが、結果として探して仕事に就いたしそもそも日本には亜人はいないので嘘ではない。

(と言うか、当然なんだけど私、日本人なんで……亜人までじゃないにしろ、中世ヨーロッパ風の中にいると思った以上に浮くのよね)

 服装以前の問題だと気づき、万が一にも捜索されていたら困るのと、来る客が一瞬だが不思議そうに見るのに気づいてからはほぼ外出しなかった。そして、この商会に来るまでも顔を隠すのにジョゼに借りたスカーフを頭に巻いて来た。悪目立ちしたくないのと、外国人だと解ればスリなどにあう危険があったからだ。
 ……そんな舞の容姿を見て、セバエからは確かに皇都から移動したがると思って貰えたらしい。

「解りました。露店なら中古でよければ手配出来ますし、魔国では許可を取れば広場の一角など借りられますから……露店は、刺繍などですか?」
「ありがとうございます、おいくらですか? あ、私が売りたいのは」

 そして露店(テントや販売する為の設備)の値段を確認し、支払えるのにホッとしたところで私はセバエからの質問に答えた。
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