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4人の女+one とクラリス
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カトリーヌに案内されてパーティールームに入ったクラリスに、
「ジルベール様の2番目の元妻のセリーヌ・ラルミナですわ。よろしくね」
「3番目の元妻のイネス・フーリエです」
「4番目の元妻のミレーヌ・リオンヌです」
「結婚する前に追い出されたエリーヌ・コリニーです」
茶目っ気たっぷりに
「宜しくね」
と口々にクラリスに笑いかける元妻達+エリーヌを前にしてクラリスは眩暈がしそうだった。
明らかに彼女達より遥かに見劣りのする自分に、
「どうやってあの冷血人間を籠絡したの?」
と興味津々に追及されたクラリスは、
そんなんじゃないんです、と困りながら、
「ご本人に確かめた訳ではないので、私の推測なんですが」
と前置きをして、自分の生い立ちを含めた今までの経緯を説明した。
ジルベールがパンを取り返しに来たのかと恐怖した、というくだりではエリーヌとミレイユは俯いて肩を震わせたが、クラリスは話すのに必死で気づかなかった。
「私のことを不憫に思っていらっしゃるんだと思います」
5人は黙って続きを待つ。
「最初は嬉しかったんです。
正直 衣服もボロボロで、持っている服が破れてしまったら裸で過ごさないといけないかと途方に暮れる有り様でしたから。
それが高価なドレスを次々に買ってくださって。
美味しいものも沢山食べさせていただきました。
まるで王女様にでもなったかのようで、これが幸せというものなのかと思いました。
だけど行く先々で私は
『あんな身分の低い貧相な女はジルベール様に相応しくない』
と陰口を言われて落ち込みました。
あまり人目につきたくないと訴えたこともあるのですが、
『皆 君のことが羨ましいんだよ』
と笑って相手にしてくださいません。
公爵様は構わず私を色んな場所にお連れになりました。
そんな中で、私の性格が悪いからなのでしょうが、
『可哀想な女に温情をかけるジルベール様』
と周囲に賛美されることに公爵様が喜びを感じておられるように思えてきたのです」
誰かがプッと吹いた。
「あの男がやりそうなことね」
「まあ、何につけても自分本位な方だから」
セリーヌとイネスが悪口を言う。
「表現の仕方が分からないのですが、世界一高価な猫を買うことができるのに
『あえて不細工な捨て猫を拾って甲斐甲斐しく面倒を見るオレ』
みたいな・・・」
もう我慢できない、というようにカトリーヌがハンカチで口元を覆った。
「・・・まあ、近いうちに公爵様もこの遊びに飽きて追い出されると思います」
「それでクラリス様はどうしたいの?」
「・・・この生活に終わりが来ることを怖れている・・・というのは私には帰る家も行く当ても無いので・・・という反面、公爵様の気まぐれがこのままずっと続くとしたら、それもちょっとツラいなって」
「まあ、誰にでも欠点はあるじゃない?
イケメンで金持ちなんだし、仕事だと割り切れば我慢出来なくもないんじゃない?」
他人事だと思ってイネスがニヤニヤしている。
「・・・ご厄介になっている身で生意気だとは思うんですが。
最近では公爵様が紅茶をお飲みになる時に、こうやって脚を組んで、ちょっと品を作った感じでカップを持つ手の小指を立てていらっしゃるのを見ると、イラッと来てしまって」
ミレイユがピィヒューという変な笛の音みたいな声を漏らした。
「煙草をお吸いになるときも何故か態々片手でマッチを擦るんですよ。
『所作が洗練されたイカしたオレ』
みたいな。
それが たまに失敗なさるんですよ。
マッチが折れてしまったり火が点かなかったり。
そんな時、そばにいる私はどういう顔をすればいいのか困るので、頼みますから普通にマッチ擦ってくださいって。
言えませんけど。
なんかもう
『公爵様がお美しいのは全国民が認めていますから』
と叫びそうになったり。
公爵様が好んで私を連れ歩くのも、ご自分の美しさを引き立てる為なのでは、と疑いたくなるほどです」
皆が笑いを堪えている中でクラリスだけが眉間にシワを寄せて真剣に話していた。
「ジルベール様の2番目の元妻のセリーヌ・ラルミナですわ。よろしくね」
「3番目の元妻のイネス・フーリエです」
「4番目の元妻のミレーヌ・リオンヌです」
「結婚する前に追い出されたエリーヌ・コリニーです」
茶目っ気たっぷりに
「宜しくね」
と口々にクラリスに笑いかける元妻達+エリーヌを前にしてクラリスは眩暈がしそうだった。
明らかに彼女達より遥かに見劣りのする自分に、
「どうやってあの冷血人間を籠絡したの?」
と興味津々に追及されたクラリスは、
そんなんじゃないんです、と困りながら、
「ご本人に確かめた訳ではないので、私の推測なんですが」
と前置きをして、自分の生い立ちを含めた今までの経緯を説明した。
ジルベールがパンを取り返しに来たのかと恐怖した、というくだりではエリーヌとミレイユは俯いて肩を震わせたが、クラリスは話すのに必死で気づかなかった。
「私のことを不憫に思っていらっしゃるんだと思います」
5人は黙って続きを待つ。
「最初は嬉しかったんです。
正直 衣服もボロボロで、持っている服が破れてしまったら裸で過ごさないといけないかと途方に暮れる有り様でしたから。
それが高価なドレスを次々に買ってくださって。
美味しいものも沢山食べさせていただきました。
まるで王女様にでもなったかのようで、これが幸せというものなのかと思いました。
だけど行く先々で私は
『あんな身分の低い貧相な女はジルベール様に相応しくない』
と陰口を言われて落ち込みました。
あまり人目につきたくないと訴えたこともあるのですが、
『皆 君のことが羨ましいんだよ』
と笑って相手にしてくださいません。
公爵様は構わず私を色んな場所にお連れになりました。
そんな中で、私の性格が悪いからなのでしょうが、
『可哀想な女に温情をかけるジルベール様』
と周囲に賛美されることに公爵様が喜びを感じておられるように思えてきたのです」
誰かがプッと吹いた。
「あの男がやりそうなことね」
「まあ、何につけても自分本位な方だから」
セリーヌとイネスが悪口を言う。
「表現の仕方が分からないのですが、世界一高価な猫を買うことができるのに
『あえて不細工な捨て猫を拾って甲斐甲斐しく面倒を見るオレ』
みたいな・・・」
もう我慢できない、というようにカトリーヌがハンカチで口元を覆った。
「・・・まあ、近いうちに公爵様もこの遊びに飽きて追い出されると思います」
「それでクラリス様はどうしたいの?」
「・・・この生活に終わりが来ることを怖れている・・・というのは私には帰る家も行く当ても無いので・・・という反面、公爵様の気まぐれがこのままずっと続くとしたら、それもちょっとツラいなって」
「まあ、誰にでも欠点はあるじゃない?
イケメンで金持ちなんだし、仕事だと割り切れば我慢出来なくもないんじゃない?」
他人事だと思ってイネスがニヤニヤしている。
「・・・ご厄介になっている身で生意気だとは思うんですが。
最近では公爵様が紅茶をお飲みになる時に、こうやって脚を組んで、ちょっと品を作った感じでカップを持つ手の小指を立てていらっしゃるのを見ると、イラッと来てしまって」
ミレイユがピィヒューという変な笛の音みたいな声を漏らした。
「煙草をお吸いになるときも何故か態々片手でマッチを擦るんですよ。
『所作が洗練されたイカしたオレ』
みたいな。
それが たまに失敗なさるんですよ。
マッチが折れてしまったり火が点かなかったり。
そんな時、そばにいる私はどういう顔をすればいいのか困るので、頼みますから普通にマッチ擦ってくださいって。
言えませんけど。
なんかもう
『公爵様がお美しいのは全国民が認めていますから』
と叫びそうになったり。
公爵様が好んで私を連れ歩くのも、ご自分の美しさを引き立てる為なのでは、と疑いたくなるほどです」
皆が笑いを堪えている中でクラリスだけが眉間にシワを寄せて真剣に話していた。
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