9 / 61
009:夢は大きく
しおりを挟む
カイトさん率いるパーティを指名して依頼を出した。
「メジュ草を取ってくれば良いんだね?」
「はい」
「取ってくるのは葉でいい? 量は?」
「そうですね。根や茎は今回はいらないです。量は任せます。多ければ乾燥させて粉にしますので」
「了解した」
そう言って彼等は冒険者ギルドを出ていった。
「さて、と。彼等らに渡す報酬の準備をしなきゃな」
メジュ草は比較的簡単に手に入る。森の中で日当たりの良い場所に生えてるから。
頼んでおいて気が付いた。
「あっ、俺も行けばよかった……」
だがもう後の祭り。すでにカイトさん率いるパーティ『ウィンド』は居ない。すでに採取に出たあとだ。
「まぁいっか。次回頼もう」
こうして俺は宿に引き返す。道すがら何度か村人に声をかけられ対応しつつ。
※
※
※
みんな村に錬金工房と雑貨屋が出来ることに期待しているようだ。それが皆の役に立てるようでなんだか嬉しい。
とは言え宿に籠もっていてもやることがない。しょうがないので宿の一階の酒場でのんべんだらりとしていると、やはり冒険者に絡まれた。
「おう。なんでぇ。ずいぶんと生っ白い奴が居るな」
俺は無難に「こんにちは」と返す。
「冒険者か?」
「いえ。錬金術師です」
「ほぉ。そりゃ珍しい。ここで商売でも始めるのか?」
「いずれは。今は工房兼住居が出来るのを待っているところです」
「ほぉ。そりゃいいな。今は近場の街まで買いに行っているからな。どうしても効率が悪い。傷用のポーションは作れるのか?」
「はい。大丈夫ですよ」
そんな会話を交わす。これなら店を開けば直ぐにでも顧客が付くだろう。ありがたや、ありがたや~。
さて、村人や冒険者と交流して、何が足りていないか、何が必要かをリストアップしていく。
「やっぱ、必須は薬系になるよなぁ」
傷用のポーションや栄養ドリンクは必須。虫除けも必須。でもこれれらはどちらかというと薬師の領分だ。この村には薬師がいないから需要があるが、いずれは薬師が来たときのことも考えて他の商品開発も考えておいたほうだ良いだろう。
うん?
薬師と錬金術師の違いを教えてくれって?
あ~
そうだな。錬金術師は素材と素材を掛け合わせて、全く違う物を作る人たちのことを言う。例えばAと言う薬草とBと言う薬草をかけ合わせて、それを変質させて爆薬を作っちゃうのようなのが錬金術師。
薬師はAと言う薬草とBと言う薬草をかけ合わせてCと言う強力な薬を作るのが仕事。
なので、錬金術師は薬師の真似事もできるが、薬師は錬金術師の真似事は出来ない。一般的には錬金術師のほうが上と言われるが実際には、どっちが上とか下とかじゃなくて、どっちもそれぞれ方向性が違う。というのが正解だ。
ただ薬師には突飛な物は作れないと言う欠点はあるけどね。
まぁ、人体に影響のある薬だ。
必要なのは突飛な発想ではなく、確実な安全性だ。
普通に考えて嫌だろ?
錬金術師が作る、何が元になっているのか分からない薬より、ちゃんとした薬草学の理論によって作られた薬のほうが。
たとえ効能が一緒でも。
話が少しそれたか。
えっと、必要なものをリストアップしてたんだっけな。
そうだな。結界石とか簡易結界石とかもあってもいいな。どちらの品も魔物から取り出した魔石という物質を変質させて作る魔物除けの事だ。
他には、冷蔵庫が欲しいとか魔石を使った竃が欲しいなんてのがある。家事って一日仕事で大変だからな。そのうちその辺の魔道具も作ろう。
でも、この辺のは魔道具技師の仕事なんだよな。
まぁ俺も作れないことはないけど。
うん?
魔道具技師と錬金術師の違い?
魔道具技師は、そのもの魔道具と呼ばれる道具を作る仕事の人。錬金術師は……さっきも言ったな。そうだな。薬師がいて錬金術師が間に居て魔道具技師がいる。錬金術師は間に居る感じかな。それぞれの分野にも片足突っ込んでたりするけど、それぞれの分野に素材を提供したりもする。
何でも屋みたいな感じだと思ってもらえば良いと思うよ。
さて。リストアップはこの辺にして、俺が人生をかけて取り組む最大の目標を決めようと思う。
毎日をただ、ダラダラと過ごすのも勿体無いので。
まぁ出来たら良いな。と言う程度の代物だ。出来るかどうか分からんしな。
という訳で、出来たら良いなという物。第一弾は転移!
これがあれば、どんなに遠くの街にだってひとっ飛び!
他には空が飛びたいなぁとか。ゴーレムの製造なんてのもやってみたいなんてのもある。
あぁ夢が広がる。
まぁあくまで出来たら良いなであって、出来るとは言っていない。だが生涯をかけて取り組んでもいいだろうとも思う。
夢は大きい方が挑戦しがいがあるだろ?
さて。
でっかい夢もいいけど、まずは現実の足元の安定からだな。
「生活しなきゃね」
そのためには、まず六等級ポーションである栄養ドリンク作りからだ。
先は長いな。
夕方。カイトさん達パーティである「ウィンド」が帰ってきた。その手には結構な量のメジュ草が。それらを買い取り、乾燥させるために窓の軒下に干していく。
塩は、いちおう行商人のテレンスさんに頼んだが、さて。いつ届くやら。
テレンスさん以外の行商人が来るのを待った方が早いかな?
まぁ来たら購入しよう。他にも何か素材になりそうな物を頼んだりもしないとな。魔筆の素材に、魔紙の素材。他にも細かな道具類。
「あっ、ガラスに陶器!」
ガラスや陶器の入れ物も必要か!
でもここに運んでもらうとなると割れる恐れが……
「自作するか」
素材だけ運んでもらおう。
まぁそれもこれも、家が出来てからの方が良いだろう。
「最低でも三ヶ月は宿暮らしか」
さて、出来ることから始めますかね。
「メジュ草を取ってくれば良いんだね?」
「はい」
「取ってくるのは葉でいい? 量は?」
「そうですね。根や茎は今回はいらないです。量は任せます。多ければ乾燥させて粉にしますので」
「了解した」
そう言って彼等は冒険者ギルドを出ていった。
「さて、と。彼等らに渡す報酬の準備をしなきゃな」
メジュ草は比較的簡単に手に入る。森の中で日当たりの良い場所に生えてるから。
頼んでおいて気が付いた。
「あっ、俺も行けばよかった……」
だがもう後の祭り。すでにカイトさん率いるパーティ『ウィンド』は居ない。すでに採取に出たあとだ。
「まぁいっか。次回頼もう」
こうして俺は宿に引き返す。道すがら何度か村人に声をかけられ対応しつつ。
※
※
※
みんな村に錬金工房と雑貨屋が出来ることに期待しているようだ。それが皆の役に立てるようでなんだか嬉しい。
とは言え宿に籠もっていてもやることがない。しょうがないので宿の一階の酒場でのんべんだらりとしていると、やはり冒険者に絡まれた。
「おう。なんでぇ。ずいぶんと生っ白い奴が居るな」
俺は無難に「こんにちは」と返す。
「冒険者か?」
「いえ。錬金術師です」
「ほぉ。そりゃ珍しい。ここで商売でも始めるのか?」
「いずれは。今は工房兼住居が出来るのを待っているところです」
「ほぉ。そりゃいいな。今は近場の街まで買いに行っているからな。どうしても効率が悪い。傷用のポーションは作れるのか?」
「はい。大丈夫ですよ」
そんな会話を交わす。これなら店を開けば直ぐにでも顧客が付くだろう。ありがたや、ありがたや~。
さて、村人や冒険者と交流して、何が足りていないか、何が必要かをリストアップしていく。
「やっぱ、必須は薬系になるよなぁ」
傷用のポーションや栄養ドリンクは必須。虫除けも必須。でもこれれらはどちらかというと薬師の領分だ。この村には薬師がいないから需要があるが、いずれは薬師が来たときのことも考えて他の商品開発も考えておいたほうだ良いだろう。
うん?
薬師と錬金術師の違いを教えてくれって?
あ~
そうだな。錬金術師は素材と素材を掛け合わせて、全く違う物を作る人たちのことを言う。例えばAと言う薬草とBと言う薬草をかけ合わせて、それを変質させて爆薬を作っちゃうのようなのが錬金術師。
薬師はAと言う薬草とBと言う薬草をかけ合わせてCと言う強力な薬を作るのが仕事。
なので、錬金術師は薬師の真似事もできるが、薬師は錬金術師の真似事は出来ない。一般的には錬金術師のほうが上と言われるが実際には、どっちが上とか下とかじゃなくて、どっちもそれぞれ方向性が違う。というのが正解だ。
ただ薬師には突飛な物は作れないと言う欠点はあるけどね。
まぁ、人体に影響のある薬だ。
必要なのは突飛な発想ではなく、確実な安全性だ。
普通に考えて嫌だろ?
錬金術師が作る、何が元になっているのか分からない薬より、ちゃんとした薬草学の理論によって作られた薬のほうが。
たとえ効能が一緒でも。
話が少しそれたか。
えっと、必要なものをリストアップしてたんだっけな。
そうだな。結界石とか簡易結界石とかもあってもいいな。どちらの品も魔物から取り出した魔石という物質を変質させて作る魔物除けの事だ。
他には、冷蔵庫が欲しいとか魔石を使った竃が欲しいなんてのがある。家事って一日仕事で大変だからな。そのうちその辺の魔道具も作ろう。
でも、この辺のは魔道具技師の仕事なんだよな。
まぁ俺も作れないことはないけど。
うん?
魔道具技師と錬金術師の違い?
魔道具技師は、そのもの魔道具と呼ばれる道具を作る仕事の人。錬金術師は……さっきも言ったな。そうだな。薬師がいて錬金術師が間に居て魔道具技師がいる。錬金術師は間に居る感じかな。それぞれの分野にも片足突っ込んでたりするけど、それぞれの分野に素材を提供したりもする。
何でも屋みたいな感じだと思ってもらえば良いと思うよ。
さて。リストアップはこの辺にして、俺が人生をかけて取り組む最大の目標を決めようと思う。
毎日をただ、ダラダラと過ごすのも勿体無いので。
まぁ出来たら良いな。と言う程度の代物だ。出来るかどうか分からんしな。
という訳で、出来たら良いなという物。第一弾は転移!
これがあれば、どんなに遠くの街にだってひとっ飛び!
他には空が飛びたいなぁとか。ゴーレムの製造なんてのもやってみたいなんてのもある。
あぁ夢が広がる。
まぁあくまで出来たら良いなであって、出来るとは言っていない。だが生涯をかけて取り組んでもいいだろうとも思う。
夢は大きい方が挑戦しがいがあるだろ?
さて。
でっかい夢もいいけど、まずは現実の足元の安定からだな。
「生活しなきゃね」
そのためには、まず六等級ポーションである栄養ドリンク作りからだ。
先は長いな。
夕方。カイトさん達パーティである「ウィンド」が帰ってきた。その手には結構な量のメジュ草が。それらを買い取り、乾燥させるために窓の軒下に干していく。
塩は、いちおう行商人のテレンスさんに頼んだが、さて。いつ届くやら。
テレンスさん以外の行商人が来るのを待った方が早いかな?
まぁ来たら購入しよう。他にも何か素材になりそうな物を頼んだりもしないとな。魔筆の素材に、魔紙の素材。他にも細かな道具類。
「あっ、ガラスに陶器!」
ガラスや陶器の入れ物も必要か!
でもここに運んでもらうとなると割れる恐れが……
「自作するか」
素材だけ運んでもらおう。
まぁそれもこれも、家が出来てからの方が良いだろう。
「最低でも三ヶ月は宿暮らしか」
さて、出来ることから始めますかね。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる