出戻り国家錬金術師は村でスローライフを送りたい

新川キナ

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035:ギルドで雑談

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 スライムの確認のために冒険者ギルドにやってきた。受付にはリサさんが居る。以前にお喋りが過ぎて一緒に別の職員に怒られた仲の。

「リサさん。こんにちわぁ」
「あら。ジンさん。こんにちは。本日はどの様なご利用で?」
「はい。実はですね、出していた依頼の査定と評価に来ました」
「あっ、ってことはもしかして。スライムですか?」
「そうです。ギルド宿舎のトイレ用のですね」
「おぉ。やった。これで我が宿舎も!」
「あはは。はい。まぁそうですねスライムによりますけど、あと10日ほどの我慢です」
「じゃあちょっと、確認してきますね」

 そう言ってリサさんは、後ろの方で何やら資料をめくり始めた。そして戻ってきて言った。

「うん。確かに。本日の昼前にここのギルドにスライムが持ち込まれて預かっていますね。取りに行ってきますね」

 俺は、それに慌てる。

「重いですよ? 俺も一緒に行きましょうか?」
「あら? いいんですか?」
「えぇ」

 俺は頷いて、リサさんの後ろについていく。その際にも少しお喋り。

「どうですか、最近は?」
「そうですねぇ……」

 そう言ってキョロキョロとあたりを見回してから話し始めた。

「まだ、確定じゃないんですけど」

 そう言い置いてから更に話を続けるリサさん。

「実はですねゴブリンの数が増えているみたいなんですよねぇ」
「冬場だからじゃないですか?」

 冬場は餌を求めて魔物の行動範囲が上がる。そうすると森の奥から出て来るパターンが多いのだ。それを指摘してみる。

「私も最初はそう思ったんですね。でも、どうもそうでもないみたいな? 範囲の分布に偏りが出てるというか。うぅん。どう説明したものか」

 なるほど。確信はないから、確定情報じゃないけどと前置きしたわけか。

「まぁ杞憂ならいいんですが……」
「ゴブリンキングなんてのが出てきてる可能性……ですか?」
「えぇ。ゴブリンキングは第3種特定危険生物に分類されます。見た目は普通のゴブリンよりわずかに大きい程度だそうですが、その力は桁違いだとか」

 なるほど。色んな情報に触れるからこその勘。以外に侮れないんだよな。

「勘違い、だといいですね」
「えぇ」

 ギルドの倉庫についた。そこで捕獲器で安眠するスライム。俺はさっそく確認する。すると、ちゃんと生きている。

「ん? ちょっと大きい、か?」

 どうも冬場のスライムにしては大きいようだ。これなら培養は要らないな。

「この大きさなら明後日までにはスラリンに出来ますよ」
「本当ですか!」
「はい。明後日までにスラリンして、明々後日はトイレの方に結界を刻みたいと思います」
「やった。ありがとうございます!」

 その後は、ギルドのカウンターで査定表に「良」と書き込み、お金を預けてから帰宅したのだった。
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