診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第1章 サテライトオープン

6話 本館スタッフサイド・狭すぎて

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 休憩室の掲示板の下に、何人かが集まっていた。

「なになに?」と、張り紙を見に来たナースたち。

「ああ~これねぇ……院長の肝いりの夜間勤務の募集記事なのよ。でもねぇ、ちょっと厳しいよね」

加納看護主任が、小さな声で呟いた。

「ええ?なんでですか?だって労働時間も短いし、生活丸抱えじゃないですか」

ナースの伊佐山乃々は、今までいじめで病院を転々としてきた。

だから、この菜の花の中の寮に入れる人がうらやましい。

伊佐山「だって、ここに入れば大事にしてもらえそうだもんね」

「そうだよ。ここは良いとこだよ。いじめられてきた人を、みんな拾ってくれたじゃん」とナースの西脇恵梨。

皆、同期だから、どうしてここへ来たのかはお互いによく知っている。

「そうだよね!それに、お金を貯めるなら絶対に良いよね?」と伊佐山がニコニコして言うと、

「じゃあ、あなた申し込めば?」と、強気なナースの志田桜子がばっさり。

志田「だってさ、部屋が狭すぎるじゃん。無理だよ。あの宿直室2つを1つに改造するならいいけどさ」

岩崎「確かにねぇ。あの宿直室ですよ?荷物が入らないもん。泊まるだけの部屋だから、ろくに収納もないしさぁ」

ナースの岩崎沙耶は、パワハラで転々としてきた。

だから、このクリニックは助けてくれた場所だ。

所属先も、院長や看護部長がすごく考えてくれて、今は優しい先生のところにいる。

西脇「そうだよね、みんな上の寮は順々に見たから知ってるもんね。あの医師寮はすごかったよね!広くてきれいで無料だよ。光熱費も要らなくて、Wi-Fiも入って、寮母さんの朝食も付いてるんだよ!医者って最高の待遇だよね」

加納主任「はいはい、羨まないの。それだけ優秀で勉強してきてるんだからさ。しょうがないじゃん」

さばさばした加納は、皆を慰めていた。……でも、私だってうらやましい……。

「いいなぁ~ナースは……俺でもいいなら真っ先に応募するんだけどねぇ……見なきゃよかったよ」

と嘆くのは、看護助手の吉岡誠。

加納主任「ああ~そうだねぇ、残念だね。夜間の緊急だと、やっぱりナースじゃないと無理だと思うんだよね」

そこへ、理学療法士のコンビ、加納聡と小林拓海が覗きに来た。

加納「ああ~これねぇ、良いよねぇ。でも部屋が狭すぎて、荷物が入らないもんね」

小林「そうだよ。他の寮と差がありすぎるもんね。収納がないしさ。他の寮を見なかったらまた違ったかもしれないけどさ。見ちゃった後だからさ、厳しいよね」

加納「宿直室は泊まるだけの部屋だからさ、しょうがないよ。院長の苦肉の策なんだよ。かわいそうだよ」

小林「はぁ~ん、お前は惚れてるもんねぇ~」

加納「当たり前だろ?全員惚れてここに来たんじゃないの?そうだろ?」

キョロキョロとみんなを見ると、なぜか皆さーっと散ってしまった。

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