15 / 357
第1章 サテライトオープン
13話 朗報
しおりを挟む
桐生さんから「話がある」と言われた。
珍しいこともあるもんだ。
俺と夏は、また何を言われるのかと緊張していた。
桐生「人材募集の件なのですが、理事は履歴書をご覧になりましたか?」
理事「ああ~、忙しくてまだ見ていないんだ。ごめんね」
桐生「実は、信じられないほどのキャリアを持った医師や技師、ナース、助手たちがたくさん応募してきているんで
すよ」
「えっ、そうだったの?」
夏は申し訳なさそうに、少し小さくなった。
桐生「それで、先日の初日のパニックを見て感じたのですが——宮本師長は3階にいて、下から呼ばれて対応したんですよね?
まだ全体を見る余裕がないのだと思います。
もし1階にも師長並みにリードして指示できるベテランがいたら、もっとスムーズに運んだのではないかと。
後で看護部長が来てからはどんどん進んだので、特にそう感じました。
それでも、あの喧騒の中で光っていた人がいたんです」
「えっ?誰?」
夏と目を合わせた。
桐生「西村さんです。
彼女の履歴書を見ると、長く救急にいて、20年ものキャリアがある方ですよね?どうりでと思いました。
だから彼女がトリアージをして指示を出していれば、もっと早く、もっとスムーズに運んだのではないかと。
すみません、僭越ながら申し上げました……」
理事「ああ~いやいや、本当にその通りだね」
「確かに、俺も患者を診るのに必死で、全体を見る余裕はなかった。
看護部長の声が聞こえ始めたときは、本当にホッとしたよ」
桐生「それで、師長が3階を気にされるのであれば、1階には西村さんにチーフのような形で——
サテライトに限定した主任の立場にはなれないでしょうか?
そうすれば指示系統がスムーズになりますよね。
確か、もう医療関係は嫌だとおっしゃっていたと思いますが……
夜勤は一切なしにして、日中の半分だけでもトリアージと指示をお願いできれば、すごく助かると思うんです」
「ああ~そうだねえ。西村さんなら完璧だよ。
あの物流の倉庫を見ればわかる。事前の準備が最高だった。
すべてが計算されていたね」
理事「そうだね。ここは何とか、西村さんをバックアップできる方法をこちらで考えないといけないね」
桐生「それとですね、実は花井部長から紹介がありまして。
履歴書が届いているのですが、持ってきました。こちらです」
見せてもらった履歴書を見て、俺は目を疑った。
「えっ?ウソだろ?何この経歴の人は?一体どうしたの?」
桐生「そうなんですよ。信じられないくらい素晴らしいキャリアなんです。
どうも、変な政治力で排除されてしまったというか、人間関係に疲れて辞めたらしいんですよね。
花井部長の知り合いで、あまりにも勿体ないからと紹介されたんです。
しかも、ちょうどご家族の介護が必要になって、夜しか働けない。
だからサテライトに合うんじゃないかと言われたんです。
これはまたとない話ですよね?」
履歴書を夏にも見せた。
理事「ええ……信じられない。こんな素晴らしい人が、うちに来てくれるの?」
「すぐ頼もうよ!明日にでも来てもらって、条件をいろいろ聞こう!」
桐生「えっと……まだ続きがあるんですよ」
珍しいこともあるもんだ。
俺と夏は、また何を言われるのかと緊張していた。
桐生「人材募集の件なのですが、理事は履歴書をご覧になりましたか?」
理事「ああ~、忙しくてまだ見ていないんだ。ごめんね」
桐生「実は、信じられないほどのキャリアを持った医師や技師、ナース、助手たちがたくさん応募してきているんで
すよ」
「えっ、そうだったの?」
夏は申し訳なさそうに、少し小さくなった。
桐生「それで、先日の初日のパニックを見て感じたのですが——宮本師長は3階にいて、下から呼ばれて対応したんですよね?
まだ全体を見る余裕がないのだと思います。
もし1階にも師長並みにリードして指示できるベテランがいたら、もっとスムーズに運んだのではないかと。
後で看護部長が来てからはどんどん進んだので、特にそう感じました。
それでも、あの喧騒の中で光っていた人がいたんです」
「えっ?誰?」
夏と目を合わせた。
桐生「西村さんです。
彼女の履歴書を見ると、長く救急にいて、20年ものキャリアがある方ですよね?どうりでと思いました。
だから彼女がトリアージをして指示を出していれば、もっと早く、もっとスムーズに運んだのではないかと。
すみません、僭越ながら申し上げました……」
理事「ああ~いやいや、本当にその通りだね」
「確かに、俺も患者を診るのに必死で、全体を見る余裕はなかった。
看護部長の声が聞こえ始めたときは、本当にホッとしたよ」
桐生「それで、師長が3階を気にされるのであれば、1階には西村さんにチーフのような形で——
サテライトに限定した主任の立場にはなれないでしょうか?
そうすれば指示系統がスムーズになりますよね。
確か、もう医療関係は嫌だとおっしゃっていたと思いますが……
夜勤は一切なしにして、日中の半分だけでもトリアージと指示をお願いできれば、すごく助かると思うんです」
「ああ~そうだねえ。西村さんなら完璧だよ。
あの物流の倉庫を見ればわかる。事前の準備が最高だった。
すべてが計算されていたね」
理事「そうだね。ここは何とか、西村さんをバックアップできる方法をこちらで考えないといけないね」
桐生「それとですね、実は花井部長から紹介がありまして。
履歴書が届いているのですが、持ってきました。こちらです」
見せてもらった履歴書を見て、俺は目を疑った。
「えっ?ウソだろ?何この経歴の人は?一体どうしたの?」
桐生「そうなんですよ。信じられないくらい素晴らしいキャリアなんです。
どうも、変な政治力で排除されてしまったというか、人間関係に疲れて辞めたらしいんですよね。
花井部長の知り合いで、あまりにも勿体ないからと紹介されたんです。
しかも、ちょうどご家族の介護が必要になって、夜しか働けない。
だからサテライトに合うんじゃないかと言われたんです。
これはまたとない話ですよね?」
履歴書を夏にも見せた。
理事「ええ……信じられない。こんな素晴らしい人が、うちに来てくれるの?」
「すぐ頼もうよ!明日にでも来てもらって、条件をいろいろ聞こう!」
桐生「えっと……まだ続きがあるんですよ」
5
あなたにおすすめの小説
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
網代さんを怒らせたい
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「なあ。僕たち、付き合わないか?」
彼がなにを言っているのかわからなかった。
たったいま、私たちは恋愛できない体質かもしれないと告白しあったばかりなのに。
しかし彼曰く、これは練習なのらしい。
それっぽいことをしてみれば、恋がわかるかもしれない。
それでもダメなら、本当にそういう体質だったのだと諦めがつく。
それはそうかもしれないと、私は彼と付き合いはじめたのだけれど……。
和倉千代子(わくらちよこ) 23
建築デザイン会社『SkyEnd』勤務
デザイナー
黒髪パッツン前髪、おかっぱ頭であだ名は〝市松〟
ただし、そう呼ぶのは網代のみ
なんでもすぐに信じてしまい、いつも網代に騙されている
仕事も頑張る努力家
×
網代立生(あじろたつき) 28
建築デザイン会社『SkyEnd』勤務
営業兼事務
背が高く、一見優しげ
しかしけっこう慇懃無礼に毒を吐く
人の好き嫌いが激しい
常識の通じないヤツが大嫌い
恋愛のできないふたりの関係は恋に発展するのか……!?
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
純愛以上、溺愛以上〜無愛想から始まった社長令息の豹変愛は彼女を甘く包み込む~
芙月みひろ
恋愛
保険会社の事務職として勤務する
早瀬佳奈26才。
友達に頼み込まれて行った飲み会で
腹立たしいほど無愛想な高原宗輔30才と出会う。
あまりの不愉快さに
二度と会いたくないと思っていたにも関わらず
再び仕事で顔を合わせることになる。
上司のパワハラめいた嫌がらせに悩まされていた中
ふと見せる彼の優しい一面に触れて
佳奈は次第に高原に心を傾け出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる