診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

文字の大きさ
26 / 357
第2章 外科の未来、その先へ

24話 社長のアイデア 

しおりを挟む
 理事と桐生さんが戻ってきたのは夕方だった。

「なんだか話がややこしそうだね」

理事「どこから話していいか分からないよ」

桐生「では、私からお話ししましょうか?」

理事「はい、お願いします」

桐生「診療をすぐに開始しなければならないので、最短で可能なのは――1階の外科診察室を小児科に変更することです」

そこで勤務時間を14時から23時までに変更し、午前だけの小児科医を募集します。

次に、5階の健康診断用宿泊施設は一時的にすべてストップ。

でに予約されている方には、お詫びとして無料にするそうです。

そのうえで5階をしばらく外科の外来に使用します。工事は最低限にとどめるとのことです。

スイートルームには、佐久間先生が介護を必要とされるご家族に一緒に入っていただきます。

家族寮にするそうです。もちろんお帰りになっても構いません。

個室1は速見先生、個室3は佐久間先生の診察室にします。

個室2は1と3の両方から入れるよう引き戸をつけ、フリーの処置室にします。

キッチンは仕切りを設けてダイニングも含めて広げ、処置室と受付に改装。

部屋の方は、必要に応じて用途を変えてよいそうです。

個室4は狭めのベッドに替えて2台設置し、カーテンを引いて静養室に。

個室5はベッドをそのまま使用し、静養室とします。

さらにベッドが必要な場合は、4階検査室奥の静養室を点滴用に活用。

そこにはベッドが6台あるので足りるはずです。

また、現在のサテライトの診察室には日中、内視鏡内科医を2名配置。

水曜日は全員で勤務し、水曜と土曜の午後は院長と理事にも入ってもらう予定です。

したがって、本館は夜間も5階と1階を稼働させ、混雑すれば2階も開けることになります。

「……すげえなぁ。これ、一体誰の考えなんだ?」

理事「決まってるでしょう? 社長ですよ。面接に来ると聞いた段階で俺、メールしておいたんです。

その先の展開が目に見えていたから。で、今日行ったら、この案を出されたんですよ」

「さすがだな。でも、まだ続きがあるんだろう?」

理事「院長もさすがですね。父もカンパニービルだけじゃ狭すぎて無駄だと思っていたらしいです。

――でも、その先が驚いたんですよ」

「なんだよ、早く言えよ」

理事「へへ~ん、もったいな~い」

そう言うから、じろっと睨んだ。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

網代さんを怒らせたい

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「なあ。僕たち、付き合わないか?」 彼がなにを言っているのかわからなかった。 たったいま、私たちは恋愛できない体質かもしれないと告白しあったばかりなのに。 しかし彼曰く、これは練習なのらしい。 それっぽいことをしてみれば、恋がわかるかもしれない。 それでもダメなら、本当にそういう体質だったのだと諦めがつく。 それはそうかもしれないと、私は彼と付き合いはじめたのだけれど……。 和倉千代子(わくらちよこ) 23 建築デザイン会社『SkyEnd』勤務 デザイナー 黒髪パッツン前髪、おかっぱ頭であだ名は〝市松〟 ただし、そう呼ぶのは網代のみ なんでもすぐに信じてしまい、いつも網代に騙されている 仕事も頑張る努力家 × 網代立生(あじろたつき) 28 建築デザイン会社『SkyEnd』勤務 営業兼事務 背が高く、一見優しげ しかしけっこう慇懃無礼に毒を吐く 人の好き嫌いが激しい 常識の通じないヤツが大嫌い 恋愛のできないふたりの関係は恋に発展するのか……!?

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

純愛以上、溺愛以上〜無愛想から始まった社長令息の豹変愛は彼女を甘く包み込む~

芙月みひろ
恋愛
保険会社の事務職として勤務する 早瀬佳奈26才。 友達に頼み込まれて行った飲み会で 腹立たしいほど無愛想な高原宗輔30才と出会う。 あまりの不愉快さに 二度と会いたくないと思っていたにも関わらず 再び仕事で顔を合わせることになる。 上司のパワハラめいた嫌がらせに悩まされていた中 ふと見せる彼の優しい一面に触れて 佳奈は次第に高原に心を傾け出す。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...