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第10章 人が集う、嵐の春
181話 社長の隠し玉炸裂
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昨日、桐生さんから「ビジネスホテルを30室押さえます」と聞いていたのに、
今日は開口一番、「社長がホテル買ったって!聞きました」と、興奮気味に言うではないか。
珍しいな。桐生さんがそんなに興奮するなんて。
まあ、俺はもう驚かないよ。ここまで来たら何でもありだ。
大学の学生寮を買ったと聞いたときは「その手があったか」と思ったけれど、
その学生寮の前の家を5軒まとめて買い取って壊し、アネックスを建てると聞いても、
「ああ、ありそうだな」としか思わなくなっている。
30室押さえるくらいなら、いっそ買った方が早い。
どうせ従業員もそのまま雇うつもりなんだろう。
ホテルならレストランもある。
入院患者の家族も泊まれるし、スタッフの寮にもなる。
最高だな。これでまた菜の花が繁盛しちゃうじゃないか。
――いや、本当にどうしよう。
とりあえず、今後を想定してみた。
今の菜の花は大型のシャトルバスを3台、小型ハイエース6名乗りを1台所有していて、ドライバーは4名。
けれど、これから救命センターとの往復が増えるとなると、4名では到底回らない。
まず、ホテルを買い取ったなら、救命センターとの連絡用に中型のシャトルバスを1台追加。
さらに小回りが利くよう、ハイエースタイプをもう1台増車。
そして――ドライバーはあと5名は必要だな。
……ダメだ。山野課長を呼ぼう。
ほどなくして、ノックの音がして山野さんが入ってきた。
「お呼びでしょうか?」
「実はね……」と、思わずくすっと笑ってしまう。
「え?」と首を傾げる山野さん。
俺が笑うと、つられて彼も笑っている。
「いつも“追加・追加”で笑っちゃうんだけど、また追加になっちゃったんだよね。
今日、駅近のビジネスホテルあるでしょう? あれを社長が買ったんだって」
「ええ? へえ~驚きました。一体何のためにです?」
「名前がもう決まってるんだ。”菜の花レジデンス”。
ホテルだけど、患者さんのご家族のためでもあり、スタッフの宿泊所や寮も兼ねてるらしい。
元からいたホテルの従業員もそのまま雇用して、
レストランは菜の花フーズのスタッフが派遣されて営業するんだって。
それからね、新しく雇うドライバーも希望すればこのホテルに宿泊できる。
もちろん、仕事で宿泊するんだから無料だよ。朝食も無料だ。
夜勤が多い人や通勤が不便な人がいたら、ここを寮扱いしてもいいからね。
ただしシングルルームだけどね。
つまり――バスはこれから注文、ドライバーもこれから採用。
だから、コースを作ったり、時刻表を作ったり、シフトを組んだりで、
山野さんは大忙し、というわけ」
ふっ、と苦笑しながら山野さんは頭を掻いた。
「笑えた?すごい話でしょう?
でね、今は桜丘救命センターへの送迎をお願いしているけど、
シフトがかなり厳しいんじゃないかと思ってね」
「はい、実はそうなんです。ご相談しようと思っていました」
「じゃあ、スタッフを何名採用するか、コースと時間、車の種類も含めて、
まとめて教えてもらえますか?お任せしますので、よろしくお願いします」
「かしこまりました。2、3日お時間をいただいてもよろしいでしょうか?」
「もちろんです。よろしくお願いします」
少し沈黙があって、俺たちは思わず笑い合った。
本当に、菜の花はどこまで大きくなるんだろうな。
今日は開口一番、「社長がホテル買ったって!聞きました」と、興奮気味に言うではないか。
珍しいな。桐生さんがそんなに興奮するなんて。
まあ、俺はもう驚かないよ。ここまで来たら何でもありだ。
大学の学生寮を買ったと聞いたときは「その手があったか」と思ったけれど、
その学生寮の前の家を5軒まとめて買い取って壊し、アネックスを建てると聞いても、
「ああ、ありそうだな」としか思わなくなっている。
30室押さえるくらいなら、いっそ買った方が早い。
どうせ従業員もそのまま雇うつもりなんだろう。
ホテルならレストランもある。
入院患者の家族も泊まれるし、スタッフの寮にもなる。
最高だな。これでまた菜の花が繁盛しちゃうじゃないか。
――いや、本当にどうしよう。
とりあえず、今後を想定してみた。
今の菜の花は大型のシャトルバスを3台、小型ハイエース6名乗りを1台所有していて、ドライバーは4名。
けれど、これから救命センターとの往復が増えるとなると、4名では到底回らない。
まず、ホテルを買い取ったなら、救命センターとの連絡用に中型のシャトルバスを1台追加。
さらに小回りが利くよう、ハイエースタイプをもう1台増車。
そして――ドライバーはあと5名は必要だな。
……ダメだ。山野課長を呼ぼう。
ほどなくして、ノックの音がして山野さんが入ってきた。
「お呼びでしょうか?」
「実はね……」と、思わずくすっと笑ってしまう。
「え?」と首を傾げる山野さん。
俺が笑うと、つられて彼も笑っている。
「いつも“追加・追加”で笑っちゃうんだけど、また追加になっちゃったんだよね。
今日、駅近のビジネスホテルあるでしょう? あれを社長が買ったんだって」
「ええ? へえ~驚きました。一体何のためにです?」
「名前がもう決まってるんだ。”菜の花レジデンス”。
ホテルだけど、患者さんのご家族のためでもあり、スタッフの宿泊所や寮も兼ねてるらしい。
元からいたホテルの従業員もそのまま雇用して、
レストランは菜の花フーズのスタッフが派遣されて営業するんだって。
それからね、新しく雇うドライバーも希望すればこのホテルに宿泊できる。
もちろん、仕事で宿泊するんだから無料だよ。朝食も無料だ。
夜勤が多い人や通勤が不便な人がいたら、ここを寮扱いしてもいいからね。
ただしシングルルームだけどね。
つまり――バスはこれから注文、ドライバーもこれから採用。
だから、コースを作ったり、時刻表を作ったり、シフトを組んだりで、
山野さんは大忙し、というわけ」
ふっ、と苦笑しながら山野さんは頭を掻いた。
「笑えた?すごい話でしょう?
でね、今は桜丘救命センターへの送迎をお願いしているけど、
シフトがかなり厳しいんじゃないかと思ってね」
「はい、実はそうなんです。ご相談しようと思っていました」
「じゃあ、スタッフを何名採用するか、コースと時間、車の種類も含めて、
まとめて教えてもらえますか?お任せしますので、よろしくお願いします」
「かしこまりました。2、3日お時間をいただいてもよろしいでしょうか?」
「もちろんです。よろしくお願いします」
少し沈黙があって、俺たちは思わず笑い合った。
本当に、菜の花はどこまで大きくなるんだろうな。
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