診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第12章 夏デビューへ

235話  ロッカーの名札張りとキャリア

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 「夏、面接は会議室でいいかな?」

「はい、初めてだからいいんじゃないですか。形式的な面接だから、一緒に二人呼んじゃいましょうか?」

「よし、そうしよう」桐生さんにメールした。

そして二人に一緒に入ってもらった。

一人は桐生さんが元いた大手ゲーム会社の後輩、村瀬 慶一さん(29歳)。

もう一人は外資系ゲーム会社で財務マネージャーをしている佐伯 陽介さん(34歳)。


佐伯さんの履歴書にはこう書かれていた。

•学歴:大学 商学部卒業(国際会計専攻)
•職歴:国際税務部で5年
国内大手ミュージックエンタテインメント(財務戦略部)4年
現在:外資系ゲーム会社 財務マネージャー(契約交渉・収益管理担当)
•キャリア
・芸能・ゲーム業界の収益構造に精通
・英語・中国語対応可能
・海外ライセンス契約・ロイヤリティ管理に強い
• アピール:柔軟で温厚な性格


もう~すごいよ。これだけの人が来たら、桐生さんもずいぶん楽になるはずだ。

それにしても、なんというか……顔で選んだ? ふっ、そんなわけないか。

でも二人とも長身で整った顔立ちだ。ああ~これで桐生さんまで並ぶとすごいだろうなあ。

またモデルクラブの会員が増えたぞ、と密かに思った。

面接は夏と桐生さんに任せよう。

夏がいきなり村瀬さんに英語で話しかけた。

So, you worked with Kiryu-san before桐生さんと以前、一緒にお仕事されていたんですね?」

村瀬さんは流暢な英語で、

Yes, I was in his team for three years. Mostly contract modeling and revenue analysis.はい、彼のチームで3年間働いていました。主に契約モデルの設計と収益分析を担当していました

今度は桐生さんが尋ねた。

「今後、アニメプラスでどんな業務を担えると思いますか?」

村瀬「契約交渉の下準備、収益モデルの設計、海外送金の管理など、桐生さんの補佐として動けます」

また夏が英語で聞いた。

Do you understand the licensing structure for mobile games in Southeast Asia東南アジアのモバイルゲームにおけるライセンス構造は理解されていますか??」

村瀬「Yes. I handled contracts in Singapore and Thailand. I know how to structure royalties and ad revenue splits.はい。シンガポールとタイで契約を担当していました。ロイヤリティや広告収益の分配方法についても把握しています

夏「Thanks for coming. Looking forward to working with you.来てくれてありがとう。ご一緒できるのを楽しみにしています

おい、目が回るぞ。この辺でストップだ。

院長「ゲームやアニメは好きですか?」

村瀬「はい。学生時代からずっと観てます。最近は莉子さんの作品も拝見しました」

へえ~そうなんだ。

今度は佐伯さんだ。

やはり夏がいろいろと国際財務について質問していた。
もう俺は疲れた。日本語でいいじゃん。でもまあ、面接だからしょうがないか。
二人とも確かに流暢に話す。これなら問題ないよね。

あ、ひとつだけ聞きたい。

「佐伯さんは前のお仕事と比べて、どんな仕事を希望されているんですか? うちの仕事では物足りないかもしれませんよ」

佐伯「それはないと思います。HPやインスタを拝見しましたし、病院の歴史も最初から読ませていただきました。
驚くべきアイデアと斬新なやり方で、すごく魅力を感じました。今後どんな展開があるのかが想像できないところが楽しみです」

「へえ~そうなんですか? こちらはそういう自覚がなくて続けてきたのですが、人から見るとそうなんですね。
結構いろんなことをやるんですよ。いいんですか? ロッカーの名札張りもありますよ」

佐伯「やりたいです! ぜひ僕にやらせてください」

みんなで笑ってしまった。

なんで国際税務に精通している人がロッカーの名札張りをやりたいんだろうねえ。

不思議だ。難しい仕事の連続で疲れてるのかもしれないね。

そういえば桐生さんも、最初の面接でロッカーの名札を貼りたいと言っていたのを思い出した。

二人とも独身で寮を希望されたので、レジデンスに入ってもらうことにした。

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