ぼくが風になるまえに――

まめ

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19 するよ!(R18)

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 フロルがダレンとの深いキスに理性を失いかけている時、ダレンは意外にも理性を振り絞っていた。
 彼は、ゆっくりとフロルの服を脱がし、自分の服も脱いだ。全ての行動はあくまでもフロルの気をそらさぬよう、慎重に進められていった。
 最近までキスすらしたことのなかったフロル、年頃になってからはお互いの裸すら見たことがなかったのだ。いくら男同士でついているものが同じといえ、少々自分のものはデカかった。入れられる側のフロルを怯えさせたくはなかった。

「……ん、んぅ、ダレン、もっと欲しい……」

 ダレンは、フロルと舌を絡めながら、肌と肌を合わせた。フロルの白くすべらかな肌が、自分の小麦色の肌とぴったりくっつく。この間に空気すら入れないくらいに、ダレンはフロルをぎゅうぎゅうに抱き締めた。

「……あ、ダレンの肌、あったかい」

 フロルもダレンの背中に手をまわす。この消えかけた右手も、髪も、ダレンはフロルの全てを取り戻したかった。

「フロル……セックスしたい」

 フロルは、熱に浮かされた瞳で、ダレンをじっと見つめ、ようやくこくりと頷いた。
 ダレンの両手が、フロルの体をはい回る。フロルはくすぐったい感覚の中に、甘い疼きのようなものがあるのに気がついた。これが気持ちいいと言うやつだろうか。
 ダレンが背中の中心から、つつと指を下にすべらせると、フロルの体がびくんと、大きくしなった。

「……ひぅっ、あ、そこやばいっ、あっ、あん!」

 ダレンは、さらに下に指を進め、そっとフロルのおしりを開いた。そして、やさしく奥へと触れると、フロルはびくりと身をよじった。

「だ、大丈夫……? 怖い?」

 ダレンが手を止めて、不安そうに問いかける。フロルは顔を赤くして、こくりと頷いた。

「……ちょっと、びっくりしただけ。……でも、ダレンになら……いいよ」

 その言葉に、ダレンの心が喜びにふるえた。
 深いキスを重ねながら、彼は少しずつフロルの奥を開いていった。フロルの肌は上気し、うっすらと赤みがさしていった。時折、切なげな声が漏れ始める。
 ダレンは、フロルの愛らしい昂りに、そっと指を伸ばした。自分の拙い愛撫にも反応してくれていた。
 
「フロル、四つん這いになって……初めては、その方が楽だって聞いたんだ」

 フロルは、ダレンとキスをやめ、言われるままにベッドに四つん這いになった。
 唇を離したのがさみしくて、ダレンの顔が見えないのも不安で、とたんに、心細さに襲われた。
 背中から声がする

「……フロル、入れるよ……」

 フロルの、今まで誰も触れたことのない奥に、ダレンの屹立が入ってきた。それは、とても熱くて大きくて、内からフロルを作り替えるかのような存在感だった。みちみちと奥に進むたびに、体が満たされていく喜びを感じた。と、背骨をびりびりした感覚が走り抜けた。

「……ん、ああっ!なんか変!」

 フロルは、自分の背中に触れた。この感覚は、セックスの快感ではない。もっと体の根元の、精霊の領域から来ている。

「フロル、もうやめようか。俺だけ気持ちいいなんて嫌だ」
 
「違うの。ぼくの精霊の部分が反応して……やめないでよ。ぼくの中がダレンでいっぱいになるの、うれしいんだ」
 
 ダレンは再び腰を進め、フロルの中にゆっくりと全てを収めると、体を揺らし始めた。フロルの甘やかな声が、だんだん大きくなってくる。

「……っ、あぁ……、気持ちいいっ!ダレンっ!」

「フロル、俺も……。やっとつながれた……」

 たどたどしく、ぎこちなく、それでも心を確かめ合うように、ふたりはゆっくりと高みにのぼっていった。それは、フロルが前世に抱いていた、エロいセックスとは違い、あたたかくて力がわいてくるような幸せなものだった。

「……んっ、フロル、好きだっ。ずっと一緒にいてくれ!」

「ダレン……ぼく、生きたい! はぁっ……、君のそばで……、生きたいよ!」

 二人の思いがひとつになったとき、二人は一緒に光の頂きに達した。ダレンの精が、フロルの最奥に注ぎこまれると、フロルはびくんと震え、大きく仰け反った。
 
 そして、ダレンは、目の前で始まった変化に息をのんだ。

 フロルの体が淡く発光していた。背骨から、青白い光の筋が立ちのぼる。体を包んでいた光が神経のような細い糸となり、しゅるしゅると絡み合い、背骨に向かってひとつの光の束となってゆく。フロルの体から、精霊の部分を集めて巻き取っているかのようだった。
 その変化に呼応するように、フロルの髪が端から色を濃くし、人間としての色を取り戻していく。
 光の束は太さを増しながら、背骨を這うように上り、頭頂部に達すると球状に丸まった。青白く輝く、まあるい花のつぼみが姿を現した。

「……つぼみだ! フロル!ほんとに、花のつぼみが出来たよ!」

「……あっ、やだ……ダレン、急に動かないで、まだ入ってるのに!」

 息を整えながら振り返ったフロルの瞳は、黒曜石みたいな美しい黒色だった。
 フロルのペールブルーの髪も、ペールグリーンの瞳も、深い黒色に変わっていた。それは、セルフィーユ一族に代々受け継がれてきた色だった。

「フロル、……おまえの髪と目の色が、黒くなった。今、鏡を持ってくる……」

 ダレンは名残惜しそうに、フロルの体からゆっくりと己を抜いた。

「……あっ、あん!……えっ? ちょっ! あ、ほんとだ! ちんちんの毛が黒い!……他人のちんちん見てるみたい!」

「そこで気づくか……あ、わざわざ俺のは見なくていいデス」

 ベッドから立ち上がるダレンに、フロルが嬉しそうに手を振った。

「生えたよ、右手!」

 




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『カラスの志垣くん』という短編をアップしました。ゆるゆるラブコメBLです。
全4話
よかったら、そちらもどうぞ。
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