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試験開始!
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「はい、じゃあ次は樹くんと健悟くんね」
牡丹に言われて2人は頷いた。
ここはレコーディング・スタジオだ。
試験のため、生徒たちが順番に収録をしている。
この試験の結果次第で、「楽曲制作」の評定が決まるらしい。
樹はドキドキが止められなかった。
だが、自分のやれることは全てやった。
健悟と散々話し合って、作った曲だ。
この為に作った音源を牡丹に渡す。
今日、樹は見ていることしか出来ない。
あとは健悟に任せるしかないのだ。
「樹、あとは俺に任せろ」
ぽん、と頭に手を置かれる。
「お願いします、櫻木先輩」
樹が頷くと、健悟は笑った。
いよいよ試験が始まるのだ。
健悟が歌い始める。
今回の歌は切ない恋愛バラードだ。
普段、健悟が歌う荒々しい曲とは真逆だ。
牡丹の表情が驚きに変わるのを見る。樹はそれに嬉しくなった。
健悟の声と旋律が合わさって一つの曲になっていく。
曲が終わった。
健悟がブースから出てくる。
樹は彼に駆け寄った。
「良かったです!櫻木先輩!」
「樹、喜ぶのはまだ早いぜ」
「二人共、お疲れ様。あとは音楽室で自習をしていてね」
牡丹が笑いながら言う。
今日の「楽曲制作」の授業は二時限連続で行われている。
腕時計を見るとまだ大分時間がある。
音楽室に戻ると、みんな自習をしているようだ。次の番の生徒らに声を掛けて、2人は席に戻った。
「樹、ありがとうな」
「櫻木先輩?」
樹が首を傾げると、健悟がふい、と視線を反らす。
「なんでもねえ」
どうやら彼が照れているらしいことが分かり、樹は笑った。
「櫻木先輩のおかげです」
健悟が何も言わずわしゃわしゃと樹の頭を撫でる。
はじめはどうなることかと思ったが、こうして無事に課題をやり遂げることが出来た。
樹は嬉しかった。
自習の時間、樹は英語の課題を先に進めていた。まだ期限はあるが、問題がたっぷりあるので、早めに終わらせておいた方がいいだろう。
健悟もまた何か課題に取り組んでいるらしい。
(櫻木先輩を初めて見た時は不良だって思ったけど、勉強も結構できるんだよな)
芸能界で生き残るには、やはり見た目が大事なのだと教わった。
見てくれる人に名前と顔を覚えてもらわなければ、話にならない。
プロデューサーを目指す自分にはあまり関係ないかもしれないが、知識はあっても邪魔にならない。
樹はこの学校で学べるだけ学ぼうと改めて思った。
「はーい、みんなー!」
牡丹が教室に入ってくる。
みんなが牡丹に注目したらしい。
彼女が言う。
「試験の結果は三日後に校内掲示板に張り出します。確認しておいてね!」
生徒らが各々返事をする。
「じゃ、今日はここで解散!」
樹は席から立ち上がった。
確か次は国語の授業だった。
おい、と健悟に後ろから肩を掴まれる。
「先輩?」
「結果…その、一緒に見ようぜ?」
「はい!」
試験の結果が不安であるのは間違いない。だが、健悟も一緒だ。
心強かった。
牡丹に言われて2人は頷いた。
ここはレコーディング・スタジオだ。
試験のため、生徒たちが順番に収録をしている。
この試験の結果次第で、「楽曲制作」の評定が決まるらしい。
樹はドキドキが止められなかった。
だが、自分のやれることは全てやった。
健悟と散々話し合って、作った曲だ。
この為に作った音源を牡丹に渡す。
今日、樹は見ていることしか出来ない。
あとは健悟に任せるしかないのだ。
「樹、あとは俺に任せろ」
ぽん、と頭に手を置かれる。
「お願いします、櫻木先輩」
樹が頷くと、健悟は笑った。
いよいよ試験が始まるのだ。
健悟が歌い始める。
今回の歌は切ない恋愛バラードだ。
普段、健悟が歌う荒々しい曲とは真逆だ。
牡丹の表情が驚きに変わるのを見る。樹はそれに嬉しくなった。
健悟の声と旋律が合わさって一つの曲になっていく。
曲が終わった。
健悟がブースから出てくる。
樹は彼に駆け寄った。
「良かったです!櫻木先輩!」
「樹、喜ぶのはまだ早いぜ」
「二人共、お疲れ様。あとは音楽室で自習をしていてね」
牡丹が笑いながら言う。
今日の「楽曲制作」の授業は二時限連続で行われている。
腕時計を見るとまだ大分時間がある。
音楽室に戻ると、みんな自習をしているようだ。次の番の生徒らに声を掛けて、2人は席に戻った。
「樹、ありがとうな」
「櫻木先輩?」
樹が首を傾げると、健悟がふい、と視線を反らす。
「なんでもねえ」
どうやら彼が照れているらしいことが分かり、樹は笑った。
「櫻木先輩のおかげです」
健悟が何も言わずわしゃわしゃと樹の頭を撫でる。
はじめはどうなることかと思ったが、こうして無事に課題をやり遂げることが出来た。
樹は嬉しかった。
自習の時間、樹は英語の課題を先に進めていた。まだ期限はあるが、問題がたっぷりあるので、早めに終わらせておいた方がいいだろう。
健悟もまた何か課題に取り組んでいるらしい。
(櫻木先輩を初めて見た時は不良だって思ったけど、勉強も結構できるんだよな)
芸能界で生き残るには、やはり見た目が大事なのだと教わった。
見てくれる人に名前と顔を覚えてもらわなければ、話にならない。
プロデューサーを目指す自分にはあまり関係ないかもしれないが、知識はあっても邪魔にならない。
樹はこの学校で学べるだけ学ぼうと改めて思った。
「はーい、みんなー!」
牡丹が教室に入ってくる。
みんなが牡丹に注目したらしい。
彼女が言う。
「試験の結果は三日後に校内掲示板に張り出します。確認しておいてね!」
生徒らが各々返事をする。
「じゃ、今日はここで解散!」
樹は席から立ち上がった。
確か次は国語の授業だった。
おい、と健悟に後ろから肩を掴まれる。
「先輩?」
「結果…その、一緒に見ようぜ?」
「はい!」
試験の結果が不安であるのは間違いない。だが、健悟も一緒だ。
心強かった。
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