男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ

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二人暮らし

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「あー、お腹空いた」

家に着くなり克樹が冷蔵庫を物色している。

樹は克樹と二人で夢プロの敷地内にあるマンションに暮らしている。
二人で暮らしていることを他の人間にあまり知られたくないと、樹が希望した結果こうなった。住心地もなかなかいい。
このマンションに住んでいるのはだいたいが夢プロの卒業生だ。

「冷凍パスタでいいならあるけど」

「いっくんは冷凍食品が本っ当に好きだよね。レストラン行こうよ、たまに」

「わかった」

なんだか残念な気持ちになって、樹は自分の本音に気が付いた。
克樹に触りたいと無意識に思ってしまっていた。
それは克樹にも伝わっていたようだ。

「なに?いっくん、やらしいことしたいの?」

「な!…ちが!…くないかも」

克樹に優しい表情で見つめられてしまえば意地を張る気力もなくなってしまう。
樹は克樹に抱き着いていた。

「かっちゃん、寂しかった。ずっと寂しかった」

「いっくんは本当に寂しがりだね。
そうゆうとこ、大好き」

克樹に優しく背中を撫でられて樹はホッとした。
克樹の方を見上げれば、そのまま唇を奪われてしまう。

「ン…」

こうして唇を重ねるのも久しぶりだ。
克樹の舌の侵入を許すと、たちまち口内を犯されてしまう。

「んっ、あ、は…」

こうしてキスをすると、樹はいつも克樹のされるがままになってしまう。
なんだか悔しくて目を開けたら、自分を見つめる熱っぽい視線にどきりとした。
こんな表情で自分を求めてくれていることに今まで気付かなかった。

「あ…かっ…ちゃ」

ぢゅ、と舌ごと唾液を吸われる。
それに耐えきれなくて、樹はよろけた。
克樹が支えてくれる。

「いっくん、ベッドいこっか♡」

「っ…」

優しく手を引かれて、ベッドのある寝室に樹は連れて行かれた。
何をするかなんて、聞かなくても分かっている。自分はもう大人だ。

「いっくん、好きだよ」

「っああ!!」

克樹に優しく絶頂に導かれてしまう。
いつもの事ながら、克樹は自分のいいところを知り尽くしている。
何度も何度も体を重ねた結果である。

二人は裸のままベッドに寝そべっていた。
克樹は撮影の状況を樹に話してくれた。

「そうそう、向こうで風に会ったよ」

「元気だった?」

「うん。なんか向こうの女優さんに気に入られて専属のスタイリストになったんだって」

「すっごーい」

「疾風もこの前ドラマに出てたし、皆それぞれ活躍してるよね」

知り合いの活躍を聞くのはなかなか楽しい。

「そういえば真城先輩から個展のチケットもらってた」

「二人で行こうよ」

「もちろん」

健悟は歌手をしながら、俳優業をこなし、楓は舞台に立っているらしい。
芸能界は厳しい世界だ。
人気を保つのがいかに難しいか、毎日思い知らされている。

「ね、いっくん。俺に曲を書いてよ」

樹にはずっと、温めていたメロディがあった。
克樹にお礼がしたいと思ったあの時は漠然としていたが、プロデューサーとして年数を重ねるうちに、克樹には、曲で返そうと決めたのだ。

「うん、実はもうあって」

「やったぁ!とりあえずご飯食べに行かない?お腹空いた」

「賛成。俺もお腹空いた」

樹が克樹を見つめると、にっと克樹が笑ってくれる。

(幸せだな)

樹も笑い返した。

おわり
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