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「ヒメ兄ちゃん、これどうやるの?」
「俺にも教えて!」
ヒメリは物凄く緊張していた。
ここは町にある洋服の仕立て屋だ。
だが、普通の仕立て屋であるはずがない。
クロードの事情をよく知っている、いわば裏の顔がある店だ。表向きはいかにも普通ですよという仕立て屋なので、ヒメリはそれにはホッとしていた。
まさか自分が裏事情に通じるとは思わなかったが。
スバルとオリオの二人にネクタイの締め方を教えてやる。ネクタイをきちんと締めると途端に見違えた。
「二人共かっこいいぞ」
ヒメリは二人の頭を撫でてやった。
「えへへ」
今日は例の密輸されたと思われるデスカットの件でこの仕立て屋に来ている。
そう、ヒメリ一行は貴族たちのパーティに潜入するのだ。
ヒメリはクロードの妻として、スバルとオリオはその子供として潜入する。
はじめ、ヒメリは子供たちを巻き込むのに反対だった。
だが事情を知ったスバルとオリオからクロードを手伝いたいと懇願された。自分たちに出来ることは全てやりたいと。クロードも子供たちがいた方が自然だとヒメリを説得した。ヒメリは子供たちを確実に守ろうと決意して頷いたのだった。
「ヒメリ、お前はこれだ」
クロードに手渡されたのは淡いピンク色をしたドレスだった。
妻役なのだからしょうがない。
ヒメリは渋々ドレスに着替え始めた。鏡に自分の姿が写っている。
「ヒメリ、似合ってる」
「っ…!!!」
クロードが後ろから囁いてくる。
「背中のチャック閉めてやる」
「っ…お願いします」
すんなり閉まったチャックにホッとする。
「ヒメリ」
「ぁ…!!」
ぎゅっといつの間にか後ろから抱きしめられて、ヒメリは小さく悲鳴を上げた。
クロードの手がヒメリの下腹部をすっと撫でる。
「俺の奥さんは綺麗だな。化粧をすればますます」
だんだんクロードが野獣に見えてきたヒメリである。
お互い気持ちを打ち明けあったが二人の関係はあれから進展していない。
二人はパン屋の経営と子育てで精一杯だった。
「ヒメ兄ちゃん、着替えできたー?」
たたた、とオリオが走り寄ってくる音がして、ヒメリとクロードはハッとした。
お互いぱっと離れる。
「わ、ヒメ兄ちゃんきれー!本当のお姫様みたい!」
「本当だ!!」
スバルも静かに驚いている。
ヒメリはどう返事をしたものか迷ってクロードを見上げた。
クロードが笑いかけてくる。
「いいか、スバル、オリオ。パーティの間、ヒメリはお前たちのお母さんだからな」
「分かってるよ!クロー兄ちゃん!」
「俺達の母さん…」
きゅ、とスバルが拳を握る。
「俺が絶対に兄ちゃんを守るよ」
ヒメリは嬉しかった。本当に母親になったような気持ちになる。
ふと時計を見ると夕方の五時過ぎだ。
帰って明日の仕込みを始めなければいけない。子供たちも学校の課題が出ているだろう。
ヒメリたちは仕立てた服を包んでもらい、長屋に帰った。
「俺にも教えて!」
ヒメリは物凄く緊張していた。
ここは町にある洋服の仕立て屋だ。
だが、普通の仕立て屋であるはずがない。
クロードの事情をよく知っている、いわば裏の顔がある店だ。表向きはいかにも普通ですよという仕立て屋なので、ヒメリはそれにはホッとしていた。
まさか自分が裏事情に通じるとは思わなかったが。
スバルとオリオの二人にネクタイの締め方を教えてやる。ネクタイをきちんと締めると途端に見違えた。
「二人共かっこいいぞ」
ヒメリは二人の頭を撫でてやった。
「えへへ」
今日は例の密輸されたと思われるデスカットの件でこの仕立て屋に来ている。
そう、ヒメリ一行は貴族たちのパーティに潜入するのだ。
ヒメリはクロードの妻として、スバルとオリオはその子供として潜入する。
はじめ、ヒメリは子供たちを巻き込むのに反対だった。
だが事情を知ったスバルとオリオからクロードを手伝いたいと懇願された。自分たちに出来ることは全てやりたいと。クロードも子供たちがいた方が自然だとヒメリを説得した。ヒメリは子供たちを確実に守ろうと決意して頷いたのだった。
「ヒメリ、お前はこれだ」
クロードに手渡されたのは淡いピンク色をしたドレスだった。
妻役なのだからしょうがない。
ヒメリは渋々ドレスに着替え始めた。鏡に自分の姿が写っている。
「ヒメリ、似合ってる」
「っ…!!!」
クロードが後ろから囁いてくる。
「背中のチャック閉めてやる」
「っ…お願いします」
すんなり閉まったチャックにホッとする。
「ヒメリ」
「ぁ…!!」
ぎゅっといつの間にか後ろから抱きしめられて、ヒメリは小さく悲鳴を上げた。
クロードの手がヒメリの下腹部をすっと撫でる。
「俺の奥さんは綺麗だな。化粧をすればますます」
だんだんクロードが野獣に見えてきたヒメリである。
お互い気持ちを打ち明けあったが二人の関係はあれから進展していない。
二人はパン屋の経営と子育てで精一杯だった。
「ヒメ兄ちゃん、着替えできたー?」
たたた、とオリオが走り寄ってくる音がして、ヒメリとクロードはハッとした。
お互いぱっと離れる。
「わ、ヒメ兄ちゃんきれー!本当のお姫様みたい!」
「本当だ!!」
スバルも静かに驚いている。
ヒメリはどう返事をしたものか迷ってクロードを見上げた。
クロードが笑いかけてくる。
「いいか、スバル、オリオ。パーティの間、ヒメリはお前たちのお母さんだからな」
「分かってるよ!クロー兄ちゃん!」
「俺達の母さん…」
きゅ、とスバルが拳を握る。
「俺が絶対に兄ちゃんを守るよ」
ヒメリは嬉しかった。本当に母親になったような気持ちになる。
ふと時計を見ると夕方の五時過ぎだ。
帰って明日の仕込みを始めなければいけない。子供たちも学校の課題が出ているだろう。
ヒメリたちは仕立てた服を包んでもらい、長屋に帰った。
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