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9・イベント当日
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「じゃありっくん、先に行くね!」
「おう、気をつけて行けよ」
「はーい」
イベントにサークル参加する場合、配布されるチケットさえあれば、早い時間から会場に入場出来るらしい。当然、サークルはスペースの設営があるからだ。それと、今日の心海はコスプレをするために着替えなくてはいけない。ドレスだけではなく、ウィッグを付けたり化粧もしなければならないので、時間厳守と言われていた。
(これが東京ビッグサイト!!)
眼の前にビッグサイトの建物がどんとそびえたっているのをみて、心海はますますドキドキした。
階段を上がり、入口に向かう。そこにはすでに漫研のメンバーがいた。
「ここちゃん、こっちよ、おはよ」
「おはようございます」
無事に合流出来て良かったと心海はホッとした。
「サークル設営は私たちに任せて。林田くん、コスプレ班は?」
「あぁ、もうすぐ来るよ」
「了解。ここちゃんと瑛太くんはそっちで着替えてきてね」
「はーい」
コスプレ班とも間もなく合流し、心海たちは着替え始めた。改めて着てみると、すごく可愛らしいドレスであることに気が付く。裾や袖にはたっぷりフリルがあしらわれている。お陰で男の自分が着てもあまり違和感がない。心海と瑛太の準備はほぼ同時に終わった。
「瑛太くん、可愛い!」
「ここちゃんも」
瑛太は身長が高いが、ドレスを着ていても不自然に見えない。それどころか、どこかのモデルが着ているのではないかと錯覚してしまうほどだ。
「二人共、よく似合ってる。スペースの様子も見てきてくれるか?ここちゃんは彼氏が来るんだろう?」
「か?!」
心海は驚いて固まった。
「うーん、ごめん。ちょうど修羅場目撃してた」
どうやらあの時の様子を見られていたらしい。他にも何人かに見られていたようだが今は気にしないことにする。
「林田先輩、俺、りっくんにはまだ告白も出来てなくて」
「そうなの?」
そっと耳元で言ったら驚かれた。しー、と心海は人差し指を口に当て笑う。
「他の人には、ナイショ♡ですよ」
心海はくるんと振り返って、瑛太のそばに駆け寄る。
「行こ、瑛太くん」
「うん」
残された林田は一人呟いた。
「あれは、可愛いわ…」
✢✢✢
「あっ!りっくん!」
自スペースに向かうとすでに律がいた。心海はドレスの裾を摘んで彼に駆け寄る。律は驚いた様だ。ぽかん、とこちらを見ている。
「え、もしかして、心海なのか?」
「そうだよ、可愛い?」
「か、可愛い」
「本当?」
「嘘言ってどうすんだよ」
頭をぽむぽむと撫でられて、心海は嬉しくなって笑った。
「律…くん?」
後ろから瑛太が遅れてやって来る。気まずそうだ。
「あんたか」
律も顔を険しくした。やって来たのが瑛太だと気が付いたらしい。
「あ、あのね、りっくん」
「いいんだ、心海。下がってろ」
「う、うん」
「瑛太、とかいったな?俺はお前なんかに絶対に負けねぇ!心海は俺のだ!でもこの間は悪かった、本当にすまん!!」
頭を下げた律に瑛太や他の者までぽかん、としている。
「り、律くん、僕も君に負けるつもりはないよ。ここちゃんはそれだけ魅力的な子だし」
「あんた、そこは諦めてくれないか?」
「そういうわけにはいかないよ」
ふふ、と瑛太が笑う。
「まぁ仕方ねえな。選ぶのは心海だ。な」
ぽむ、と律に頭を撫でられる。
「ここちゃん、これからもよろしくね」
ふんわりと瑛太にも優しく笑いかけられて心海は戸惑った。
(なんかBL漫画みたいな展開になった)
「ほら、あんたたち、イベント始まるから準備して」
「はーい」
イベントは滞りなく過ぎていった。
「おう、気をつけて行けよ」
「はーい」
イベントにサークル参加する場合、配布されるチケットさえあれば、早い時間から会場に入場出来るらしい。当然、サークルはスペースの設営があるからだ。それと、今日の心海はコスプレをするために着替えなくてはいけない。ドレスだけではなく、ウィッグを付けたり化粧もしなければならないので、時間厳守と言われていた。
(これが東京ビッグサイト!!)
眼の前にビッグサイトの建物がどんとそびえたっているのをみて、心海はますますドキドキした。
階段を上がり、入口に向かう。そこにはすでに漫研のメンバーがいた。
「ここちゃん、こっちよ、おはよ」
「おはようございます」
無事に合流出来て良かったと心海はホッとした。
「サークル設営は私たちに任せて。林田くん、コスプレ班は?」
「あぁ、もうすぐ来るよ」
「了解。ここちゃんと瑛太くんはそっちで着替えてきてね」
「はーい」
コスプレ班とも間もなく合流し、心海たちは着替え始めた。改めて着てみると、すごく可愛らしいドレスであることに気が付く。裾や袖にはたっぷりフリルがあしらわれている。お陰で男の自分が着てもあまり違和感がない。心海と瑛太の準備はほぼ同時に終わった。
「瑛太くん、可愛い!」
「ここちゃんも」
瑛太は身長が高いが、ドレスを着ていても不自然に見えない。それどころか、どこかのモデルが着ているのではないかと錯覚してしまうほどだ。
「二人共、よく似合ってる。スペースの様子も見てきてくれるか?ここちゃんは彼氏が来るんだろう?」
「か?!」
心海は驚いて固まった。
「うーん、ごめん。ちょうど修羅場目撃してた」
どうやらあの時の様子を見られていたらしい。他にも何人かに見られていたようだが今は気にしないことにする。
「林田先輩、俺、りっくんにはまだ告白も出来てなくて」
「そうなの?」
そっと耳元で言ったら驚かれた。しー、と心海は人差し指を口に当て笑う。
「他の人には、ナイショ♡ですよ」
心海はくるんと振り返って、瑛太のそばに駆け寄る。
「行こ、瑛太くん」
「うん」
残された林田は一人呟いた。
「あれは、可愛いわ…」
✢✢✢
「あっ!りっくん!」
自スペースに向かうとすでに律がいた。心海はドレスの裾を摘んで彼に駆け寄る。律は驚いた様だ。ぽかん、とこちらを見ている。
「え、もしかして、心海なのか?」
「そうだよ、可愛い?」
「か、可愛い」
「本当?」
「嘘言ってどうすんだよ」
頭をぽむぽむと撫でられて、心海は嬉しくなって笑った。
「律…くん?」
後ろから瑛太が遅れてやって来る。気まずそうだ。
「あんたか」
律も顔を険しくした。やって来たのが瑛太だと気が付いたらしい。
「あ、あのね、りっくん」
「いいんだ、心海。下がってろ」
「う、うん」
「瑛太、とかいったな?俺はお前なんかに絶対に負けねぇ!心海は俺のだ!でもこの間は悪かった、本当にすまん!!」
頭を下げた律に瑛太や他の者までぽかん、としている。
「り、律くん、僕も君に負けるつもりはないよ。ここちゃんはそれだけ魅力的な子だし」
「あんた、そこは諦めてくれないか?」
「そういうわけにはいかないよ」
ふふ、と瑛太が笑う。
「まぁ仕方ねえな。選ぶのは心海だ。な」
ぽむ、と律に頭を撫でられる。
「ここちゃん、これからもよろしくね」
ふんわりと瑛太にも優しく笑いかけられて心海は戸惑った。
(なんかBL漫画みたいな展開になった)
「ほら、あんたたち、イベント始まるから準備して」
「はーい」
イベントは滞りなく過ぎていった。
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