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14・ハーレム遊園地
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次の日は雲一つない快晴だった。今日は暑いらしい。心海はどうしようか迷って、結局半袖を着ていくことにした。日焼け止めを塗り、部屋を出ると、律が天気予報を見ている。
「大丈夫そうだな、天気」
「うん。もう梅雨だもんね」
「それに、夏休みになったら色々やることあるもんな」
「うん、きっと大丈夫だよ」
ぎゅ、と律に手を握られた。心海も握り返す。
「そろそろ行こうか」
「うん」
待ち合わせの場所に向かうと、既に瑛太とスイケが来ていた。
「お、この前のちびっこ!」
「リツ!会いたかったよ!」
スイケが律に抱き着く。
「俺はあんたを知らないけどな」
「そんなことはないはずさ。僕と君の仲だろう?」
「いや、知らねえけど」
律が力ずくでスイケを自分から引き剥がす。
「つれないねぇ、リツは。まあいいや、遊園地を存分に楽しもうじゃないか!」
遊園地の入場ゲートに向かうと、沢山の人が並んでいた。
「おぉ、盛況だね!」
「もうすぐ開園するね、これチケット」
瑛太がチケットを渡してくれる。
「本当にチケット、ただでいいの?」
驚く心海を見て、スイケがえっへんと胸を仰け反らせた。
「何を隠そう、エイタは五条財閥の息子だからね!当然僕も役員さ!」
「やっぱり金持ちかよ」
チっと律がつまらなそうに舌打ちをする。スイケが軽やかに笑った。
「大丈夫、リツは優秀な子のようだからこちらでも十分に稼げるだろう。安心しなさい!」
「スイケ…さんは一体、何者なんだ?」
律がスイケを指差して心海に聞いてくる。
「確か、教師をしてるって」
心海も困りながら答えた。
「はぁ?学校の先生?こんなちゃらんぽらんがか?」
「りっくん!スイケさんは一応年上だから!」
「ははは…」
瑛太まで苦笑している。先程まで遠かった入場ゲートが近付いてきた。スタッフにチケットを見せて中に入る。
「さぁ、何に乗る?やっぱり王道のジェットコースターかな?」
「とりあえず歩きながら決めるか。な、心海」
もらったガイドマップを広げながら律が言う。
「ここちゃんは何がいいかな?」
「うーん、空いてるのから乗ってみる?」
「心海はハーレムなんだね、うんうん」
状況を察したのか、スイケが頷いている。
「あ、これ30分待ちだって」
「行ってみるか」
四人は列に並んだ。
「このあと限定フレーバーのチュロス食べたいな」
「あぁ、昨日調べてたやつか、いいな」
「ここちゃんは甘党なの?」
「うん」
ふふ、と心海が笑うと、律と瑛太も笑う。
(なんかデートしてるみたい、楽しいな)
「スイケさんもいいですか?」
「あぁ、もちろんだよ!姫のお願いとあれば叶えないわけにはいかない!」
「姫?」
心海は首を傾げた。
「心海には姫の素質があるようだからね!」
「は?なんだよ、ソレ」
律がすかさずつっこむ。
「ここちゃんは確かに可愛らしいものね」
「分かってくれるかい!エイタ!!」
✢✢✢
「わぁ、全部に反射してる。見て、りっくん!」
「見えてるよ」
「壁にぶつからないように気を付けてね、ここちゃん」
「ぐあっ…」
スイケが壁に激突している。ここは期間限定で建てられているミラーハウスだ。綺麗で映える写真が撮れると人気なアトラクションらしい。
「なんだ…?」
「りっくん?」
心海は律に駆け寄った。律が鏡に手を触れる。すると鏡に波紋が走る。
「なにこれ」
心海は怖くなって後ずさった。
「律くんの転生前の記憶のようだね。そこには僕等もいた」
「この世界ってなんていうの?」
「ミラだ」
「ミラ…」
いつの間にか鏡は元に戻っている。
「ううん、今のも因果の解放だ。まるで彼に協力者がいるようだね」
「協力者?」
律が首を傾げる。
「そうだね、いわゆる神というやつかな」
「神様がりっくんに力を貸してくれてるなら百人力だね!」
心海が言うと、皆が笑った。
「因果の解放はこれからもちょっとしたことで起こるだろう。大丈夫、夏コミとやらまでには終わっているはずさ!大学生活は十分楽しめるよ」
そうだったと心海は思い出していた。自分は大学生で、将来のために勉強しているのだ。
「りっくん、大丈夫?」
「あぁ、なんか俺の一部を取り戻したような気持ちだ。記憶はあやふやだけどな」
「具合が悪くなったりしなければいいね」
「心配するな」
ぽむ、と律に頭を撫でられる。二人は笑い合った。
「な、なぁ心海?俺といて辛くないか?」
「そんなわけないでしょ。りっくんてば何言ってるの」
ニッコリ笑いながら心海は言った、律もホッとしたようだ。
「ありがとうな」
「うん」
「大丈夫そうだな、天気」
「うん。もう梅雨だもんね」
「それに、夏休みになったら色々やることあるもんな」
「うん、きっと大丈夫だよ」
ぎゅ、と律に手を握られた。心海も握り返す。
「そろそろ行こうか」
「うん」
待ち合わせの場所に向かうと、既に瑛太とスイケが来ていた。
「お、この前のちびっこ!」
「リツ!会いたかったよ!」
スイケが律に抱き着く。
「俺はあんたを知らないけどな」
「そんなことはないはずさ。僕と君の仲だろう?」
「いや、知らねえけど」
律が力ずくでスイケを自分から引き剥がす。
「つれないねぇ、リツは。まあいいや、遊園地を存分に楽しもうじゃないか!」
遊園地の入場ゲートに向かうと、沢山の人が並んでいた。
「おぉ、盛況だね!」
「もうすぐ開園するね、これチケット」
瑛太がチケットを渡してくれる。
「本当にチケット、ただでいいの?」
驚く心海を見て、スイケがえっへんと胸を仰け反らせた。
「何を隠そう、エイタは五条財閥の息子だからね!当然僕も役員さ!」
「やっぱり金持ちかよ」
チっと律がつまらなそうに舌打ちをする。スイケが軽やかに笑った。
「大丈夫、リツは優秀な子のようだからこちらでも十分に稼げるだろう。安心しなさい!」
「スイケ…さんは一体、何者なんだ?」
律がスイケを指差して心海に聞いてくる。
「確か、教師をしてるって」
心海も困りながら答えた。
「はぁ?学校の先生?こんなちゃらんぽらんがか?」
「りっくん!スイケさんは一応年上だから!」
「ははは…」
瑛太まで苦笑している。先程まで遠かった入場ゲートが近付いてきた。スタッフにチケットを見せて中に入る。
「さぁ、何に乗る?やっぱり王道のジェットコースターかな?」
「とりあえず歩きながら決めるか。な、心海」
もらったガイドマップを広げながら律が言う。
「ここちゃんは何がいいかな?」
「うーん、空いてるのから乗ってみる?」
「心海はハーレムなんだね、うんうん」
状況を察したのか、スイケが頷いている。
「あ、これ30分待ちだって」
「行ってみるか」
四人は列に並んだ。
「このあと限定フレーバーのチュロス食べたいな」
「あぁ、昨日調べてたやつか、いいな」
「ここちゃんは甘党なの?」
「うん」
ふふ、と心海が笑うと、律と瑛太も笑う。
(なんかデートしてるみたい、楽しいな)
「スイケさんもいいですか?」
「あぁ、もちろんだよ!姫のお願いとあれば叶えないわけにはいかない!」
「姫?」
心海は首を傾げた。
「心海には姫の素質があるようだからね!」
「は?なんだよ、ソレ」
律がすかさずつっこむ。
「ここちゃんは確かに可愛らしいものね」
「分かってくれるかい!エイタ!!」
✢✢✢
「わぁ、全部に反射してる。見て、りっくん!」
「見えてるよ」
「壁にぶつからないように気を付けてね、ここちゃん」
「ぐあっ…」
スイケが壁に激突している。ここは期間限定で建てられているミラーハウスだ。綺麗で映える写真が撮れると人気なアトラクションらしい。
「なんだ…?」
「りっくん?」
心海は律に駆け寄った。律が鏡に手を触れる。すると鏡に波紋が走る。
「なにこれ」
心海は怖くなって後ずさった。
「律くんの転生前の記憶のようだね。そこには僕等もいた」
「この世界ってなんていうの?」
「ミラだ」
「ミラ…」
いつの間にか鏡は元に戻っている。
「ううん、今のも因果の解放だ。まるで彼に協力者がいるようだね」
「協力者?」
律が首を傾げる。
「そうだね、いわゆる神というやつかな」
「神様がりっくんに力を貸してくれてるなら百人力だね!」
心海が言うと、皆が笑った。
「因果の解放はこれからもちょっとしたことで起こるだろう。大丈夫、夏コミとやらまでには終わっているはずさ!大学生活は十分楽しめるよ」
そうだったと心海は思い出していた。自分は大学生で、将来のために勉強しているのだ。
「りっくん、大丈夫?」
「あぁ、なんか俺の一部を取り戻したような気持ちだ。記憶はあやふやだけどな」
「具合が悪くなったりしなければいいね」
「心配するな」
ぽむ、と律に頭を撫でられる。二人は笑い合った。
「な、なぁ心海?俺といて辛くないか?」
「そんなわけないでしょ。りっくんてば何言ってるの」
ニッコリ笑いながら心海は言った、律もホッとしたようだ。
「ありがとうな」
「うん」
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