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20・夏コミ(最終話)
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律の因果は無事に解け、一行は現代の日本に帰って来ている。今日は祭典、夏コミが開催される日だ。
「ここちゃん、休みの間に画力が凄まじく上がってるね!さすが持ち込みに行くだけのことはあるよ」
「あはは。それなら良かったんですけど」
現実世界に帰ってきて真っ先にやったのは大学の課題ではなく原稿だった。出版社への持ち込み用の作品も並行で描いていたので、修羅場を初めて経験した心海は、締め切り恐ろしいと震え上がった。だが気合いだけでなんとか乗り切ったのだ。これからも踏ん張りがきけばいいが、自信はない。
「心海ー、休憩だぞ。売り切れそうなのは買っておいたからな」
律がトートバッグを手にやって来る。彼は今日、買い子係だった。心海はずっと売り子をしていたのだ。もちろんコスプレをして。今日はメイド服だ。裾の長いスカートはふんわりとして可愛らしい。
「ありがとう、りっくん。嬉しい」
「ったく、成人指定なんてどんだけエッチなんだよ、お前は」
額に軽くデコピンされて、心海は笑った。
「だってエロがなくちゃ子孫ができないんだよ?」
「そうかもしれねえけどよ。とりあえず休憩行って来い。ちゃんと水分摂れよ」
「はぁーい」
心海は予めチェックしておいたサークルをすべて回り新刊を入手した。個人的に関わりがあり、直接話したかったのだ。途中で頼まれて写真を撮ったりもした。
(これでよし、と)
「ここちゃん」
「あ!瑛太くん!撮影終わったの?」
「まだ。ここちゃんが来なくちゃ始まらないって周りの人が焦れてるよ」
「え!そうなの?」
確か自分は地味キャラのはずだ。今日は可愛らしい化粧をしているからいつもと違うのかもしれないなと心海は瑛太の後をついていった。カメラを持った男性陣に急に囲まれ、心海は思わず後ずさってしまう。
「大丈夫。怖がらないで」
耳元で瑛太に囁かれれば、心海の心臓はバクバクすることしかできない。
そこから撮影会が始まり、心海たちがスペースに戻る頃には昼過ぎだった。
「そろそろ撤収ね。みんな!お疲れ様!」
「ここちゃん、着替えようか」
瑛太ににこやかに尋ねられる。
「うん、りっくん待っててくれる?」
「たりめーだろ」
律がこう言ってくれて嬉しい。
心海は嬉しくなって笑った。
ずっと自分は彼が好きで、一方的な感情を抱いていたが今はもう違う。彼から愛されているという実感は心海の心を最高潮に満たしてくれるのだ。
心海は願う。律をこのまま、ずっと想えるようにと。
おわり
「ここちゃん、休みの間に画力が凄まじく上がってるね!さすが持ち込みに行くだけのことはあるよ」
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「ありがとう、りっくん。嬉しい」
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「はぁーい」
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「まだ。ここちゃんが来なくちゃ始まらないって周りの人が焦れてるよ」
「え!そうなの?」
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「大丈夫。怖がらないで」
耳元で瑛太に囁かれれば、心海の心臓はバクバクすることしかできない。
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「たりめーだろ」
律がこう言ってくれて嬉しい。
心海は嬉しくなって笑った。
ずっと自分は彼が好きで、一方的な感情を抱いていたが今はもう違う。彼から愛されているという実感は心海の心を最高潮に満たしてくれるのだ。
心海は願う。律をこのまま、ずっと想えるようにと。
おわり
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