異世界召喚チート騎士は竜姫に一生の愛を誓う

はやしかわともえ

文字の大きさ
14 / 68

14

しおりを挟む
「ご飯美味しい」

会議が行われたホールを後にした俺たちは宿で食事を摂っていた。ルネも無事復活したようだし、よかったな。あの会議は確かにきつかった。発言が全然ないのもよくないけれど、あっても議題について話が前に進まないのは余計よくない。上手く話が進んでいても、前例がないからやっぱり無理なんじゃないかなんて、そんな事を言っていたら、いくら時間があっても足りない。会議だけで一年は過ぎちまう。やれやれだった、本当に。 

結局あの会議はどうなるんだろう?俺たちはそんなに偉い人と伝があるわけでもないしな。どうしても他の人頼りになっちゃうんだよな。まあ休めって言われているし休もうか。

「明日はハクと遊ぼうか」

「うん!お休み嬉しいね!そうだ、フィーナさんの所にも行こうよ。赤ちゃんたちと時々お散歩してるんだって」

休みの予定を決めるのは本当に楽しいな。ルネはもりもりカレーライスを食べている。俺も同じものを頼んでいた。カレーライスの隣に葉物野菜の千切りとトマトらしき赤い実がスライスされて載っている。ドレッシングとマヨネーズ、両方から好きなものを選べるのが素晴らしい。
シャワーを借りて今日も寝る支度をする。部屋に戻るとルネはもう寝息を立てていた。一昨日の発情しているルネはなんだかいつもより綺麗でドキドキした。あんな状態のルネは他の誰にも見せたくないな。
もしあんな状態で誰かに無理に抱かれてたら…そう思うだけで怖くなる。ルネは小柄だし、みんなが敬愛する龍姫だ。俺が守らなくちゃ。俺はルネの隣に寝そべった。ルネの髪の毛を梳くように撫でる。すうすう、とルネは気持ちよさそうだ。駄目だ、俺も疲れてる。寝よう。
部屋の照明を落として、俺は眠ったのだった。

✢✢✢

「ちゅー」

俺は白雪姫よろしくルネの熱烈なキスで目が覚めた。

「お目覚めですか?ショーゴ姫」

ふふんと得意そうな顔に俺は噴き出してしまった。

「ルネの方が…よっぽど…ふふっ…姫なのに」

頑張って笑いを堪えたけど、もちろん無理だった。ルネが頬を膨らませている。可愛いな。

「もぉー、ショーゴってば!そんなに笑わないでよね!」

「だってルネが毎度寝ている俺に襲い掛かってくるんじゃないか」

「確かに!」

いや、確かにじゃなくてだな。もうさすがにどうでも良くなって二人で笑った。

「ショーゴ、朝ごはん食べたらハクのとこ行くんだよね!」

「あぁ、行こうか」

✢✢✢

「ブルル」

宿から出てすぐの場所に厩舎はある。ここに泊まる客が馬を使うこともあるからだ。ハクは一時的に借りたことになっていたけれど、馬番の人から連絡が来て、貰い受けることが出来た。ハクがなかなか人間に心を許さなかったからという理由もあるらしい。多分彼女は、誰よりも誇り高いのだ。自分の背に乗せるものを彼女は自分で選ぶ。それがたまたま俺たちだった。嬉しいことだな。

「ハク、久しぶり」

ハクが俺に顔を擦り付けてくる。

「よしよし」

「ハク、僕のこと忘れてないよね?」

ルネの必死さがハクは可笑しかったのか笑うように鼻を鳴らした。

「よかった、覚えていてくれたんだ」

ぎゅー、とルネがハクの首に抱きつく。厩舎から出してやり、ハクはルネを乗せたまま、軽くフィールドを走り回った。いいな、こういうの。俺もハクと一緒に駆けた。まるで子供の頃に戻ったみたいだ。ふと空を見上げると、前のような厚い雲はない。柔らかな日差しが俺たちを照らしている。地面からはわずかに緑が覗いている。この世界は確かに変わったんだ。魔王という存在がいなくなって、凶暴だったモンスターもいなくなりつつあるらしい。知性を持つモンスターたちはますます知恵を持ち、自分たちの村を作っているようだ。
散々走り回ってハクも疲れたらしい。俺たちも汗びっしょりになった。

厩舎に戻って、ハクの体を洗ってやる。するとブルっとハクが身震いした。お陰で俺たちもびしょびょになった。なんとかハクを綺麗にして、俺たちも宿のシャワーを浴びて着替えた。

「あー、さっぱりした」

ルネが着ているのは俺がここに来た時に着ていたワイシャツだ。小柄なルネが着ると太ももまで隠れる…けども。

「ルネ!君、パンツ履いてる?!」

ルネがペラっとワイシャツを捲ろうとしたので必死に止めた。心臓に悪すぎる。

「もー、やだな。ショーゴってば」

ルネが悪戯っぽく笑う。ちょっとルネの顔が赤いのがね、こうやって童貞からかって楽しいんですか?

「いや、今本気で捲ろうとしたよね?他の人の前では絶対にやめてね!」

「しないよ、ショーゴのことは…その…信じてるから」

可愛い。駄目だ、ルネの色気には俺なんかじゃ敵わない。
ハクが見ていたら『なにやってるんだ、こいつら』って思うんだろうな。俺もそう思うぞ。
ルネにショートパンツを履くように言った。そうじゃなきゃ部屋から出さないぞ。

ルネは俺の言う通り、黒いショートパンツを履いた。ショートパンツから覗く白い足につい目が行く。俺はもう、駄目みたいだ。みんな、俺は先に逝くからな。

「ショーゴ、なんで死にそうなの?」

ルネが本当に分からないっていう顔をしている。その方が好都合だ。言わないでおくか。

「なんでもない…」

「あー!僕に隠し事は禁止だよ!」

うぅう…。ルネにじーっと見つめられて、俺もさすがに気まずくなった。もう…この際だ、言う。

「ルネが可愛いから見惚れてたの!」

「っ??!!」

ルネが顔を真っ赤にしている。俺も更に顔が熱くなった。だから言いたくなかったんだ。

「ショーゴ、そうゆうとこ可愛いよね…」

「う…うるさいな」

ルネが抱きついて来たから抱き締めた。

「フィーナさんのとこ、行こうか」

「うん」

俺たちは手を繋いでギルドに向かったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。

カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。 異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。 ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。 そして、コスプレと思っていた男性は……。

転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ
BL
魔物の国との和議の証に結ばれた公爵家同士の婚約。だが、婚約することになった姉が拒んだため6男のシャル(俺)が代わりに婚約することになった。 突然、オーガ(鬼)の嫁になることがきまった俺は、ショックで前世を思い出す。 有名進学校に通うDKだった俺は、前世の知識と根性で自分の身を守るための剣と魔法の鍛練を始める。 約束の10年後。 俺は、人類最強の魔法剣士になっていた。 どこからでもかかってこいや! と思っていたら、婚約者のオーガ公爵は、全くの塩対応で。 そんなある日、魔王国のバーティーで絡んできた魔物を俺は、こてんぱんにのしてやったんだが、それ以来、旦那様の様子が変? 急に花とか贈ってきたり、デートに誘われたり。 慣れない溺愛にこっちまで調子が狂うし! このまま、俺は、絆されてしまうのか!? カイタ、エブリスタにも掲載しています。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい

御堂あゆこ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。 生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。 地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。 転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。 ※含まれる要素 異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛 ※小説家になろうに重複投稿しています

【8+2話完結】氷の貴公子の前世は平社員〜不器用な恋の行方〜

キノア9g
BL
氷の貴公子と称えられるユリウスには、人に言えない秘めた想いがある――それは幼馴染であり、忠実な近衛騎士ゼノンへの片想い。そしてその誇り高さゆえに、自分からその気持ちを打ち明けることもできない。 そんなある日、落馬をきっかけに前世の記憶を思い出したユリウスは、ゼノンへの気持ちに改めて戸惑い、自分が男に恋していた事実に動揺する。プライドから思いを隠し、ゼノンに嫌われていると思い込むユリウスは、あえて冷たい態度を取ってしまう。一方ゼノンも、急に避けられる理由がわからず戸惑いを募らせていく。 近づきたいのに近づけない。 すれ違いと誤解ばかりが積み重なり、視線だけが行き場を失っていく。 秘めた感情と誇りに縛られたまま、ユリウスはこのもどかしい距離にどんな答えを見つけるのか――。 プロローグ+全8話+エピローグ

異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!

めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈ 社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。 もらった能力は“全言語理解”と“回復力”! ……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈ キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん! 出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。 最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈ 攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉ -------------------- ※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!

動物アレルギーのSS級治療師は、竜神と恋をする

葉空
BL
SS級治療師、ルカ。それが今世の俺だ。 前世では、野犬に噛まれたことで狂犬病に感染し、死んでしまった。次に目が覚めると、異世界に転生していた。しかも、森に住んでるのは獣人で人間は俺1人?!しかも、俺は動物アレルギー持ち… でも、彼らの怪我を治療出来る力を持つのは治癒魔法が使える自分だけ… 優しい彼が、唯一触れられる竜神に溺愛されて生活するお話。

2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。

ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。 異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。 二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。 しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。 再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。

処理中です...