【完結】あなたのいない、この異世界で。

Mhiro

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第二章

78 *

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 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
 今回は、凌辱シーンが含まれています。そのような表現が苦手な方は、閲覧をお控えください。



 *****






「あ……あの、ラトスさん…。は…離して……」

 僕の言葉はまるで聞こえないかのように、ラトスさんはうなじから背中、そして腰に手を這わせた。やがてそれは下半身まで伸び、ベルトが外されてトラウザーズの中に侵入してきた。僕のお尻をゆっくり揉みしだくその手の動きに肌が粟立ち、全身に悪寒が走った。

「ひっ……!」
「ああ、想像以上に柔らかい…。ボクが贈ったランジェリー、気に入ってくれた?君の腰のラインを見る度に、こんなデザインが絶対似合うと思っていたんだ」

 まさか、1年前のプレゼントも、今日準備されていたものも、この人の仕業だったのか…?

「や…やめ、て……」

 抵抗したいのに、身体が動かない。身体の火照りと動悸は治まらず、触れられた部分がゾクゾクして力が抜けていく。恐怖で声も出せなくなり、成す術なく僕は彼に身を任せるしかなかった。

「ようやく媚薬が効いてきたね。心配しなくて大丈夫だよ?身体に害はないし、すごく気持ちよくなるから」

 その言葉を聞いて、僕はサァッと血の気が引いた。休憩室でもらったあの飲み物に、何か仕込まれていたんだ…。そして突然、いつかウィルさんから言われた言葉が頭の中を駆け巡った。

『その色香にあてられて、よろしくやりたいって人、結構いると思うわよ?』

 ラトスさんは夜営業の日によく来店していたけど、僕をそんな目で見ているようには思えなかった。いつも優しく話しかけて、時には僕の話を聞いてくれるような人だった。今まで何もなかったのは、もしかしたらルークのイヤーカフが、僕を守ってくれていたのかも知れない。
 そんな僕の戸惑いなど知る由もなく、彼は僕を抱き上げるとソファに横たわらせ、靴、靴下、トラウザーズを順に脱がせていった。そして、ブラウスのボタンを全て外して肌を露わにすると、恍惚とした目で全身を舐め回すように見つめた。

「白い肌に薄桃色の胸。すごく綺麗だよ、ユイ君。それに、ランジェリーもよく似合ってる。できれば、これを身に着けるところも見たかったな」

 胸元から下半身に向かって僕の身体に手を滑らせ、サイドで結んだレース紐を指先で弄りながら言った。

「君を担当したメイドたちは良い仕事をしたね。肌はすべすべで、ほのかな石鹸の香りがする。花よりも男心を擽る香りだ」
「さ…わ…るな…」
「ふふっ、そんな顔もいいね。動けないと思うけど、腕も縛っちゃおうかな。その方がより艶めかしくなってそそられる」

 睨みつけたのが逆効果になったようで、彼は僕が着けていたクラバットに手を伸ばし、頭の上で両手首を縛った。そして馬乗りになって顔を近づけ、唇を撫でながら怪しく笑った。

「君をあの店で初めて見たときから、ずっとこうしたいと思っていた。気持ちよくするから、安心してボクに身を任せて」

 そう言うと彼は、全身の至るところに唇を当て、嚙んだり吸いついたりしながら痕を残し始めた。

 き……きもち、わるい…っ

「うっ……ふぅっ…んっ……」
「ほらほら、声をガマンしちゃだめだよ。媚薬の効果で敏感になってるはずから、声出さないとツラいでしょ?」

 胸の頂を捏ね、時に口に含んで弄び、僕が熱い息を吐く度に気を良くして行為を加速させた。自分の意思とは裏腹に、与えられる刺激を快感として認識する身体が恨めしくて、涙が流れた。耐え忍んでいるうちに唇を噛み、血が滲んで口の中に鉄の味が広がった。

「ああ、血が出てる。折角の綺麗な唇が」

 唇から血が出ているのに気付いた彼は、舌先で僕の唇をなぞるように何度も舐めた。それが咥内に入ってこないよう、僕は必死に唇を固く結んだ。
 そうしてやり過ごしているうちに、とうとう彼の手がランジェリー越しに僕のモノに触れ、ゆるゆる全体を刺激し始めた。

「やっ…やだ……っ!」
「でももう、ランジェリーに染み込むくらい濡れてるよ?一回出しちゃおうか」

 ランジェリーの中から僕のモノを外に出し、ポケットから香油を取り出して先端に垂れ流すと、ヌルヌルした香油を塗り広げるように扱きだした。力や速度に緩急をつけ、先端のくぼみをなぞるように刺激してくる。そして、僕が絶頂に達そうとすると手を放し、昂ぶりが鎮まりそうになると、また一から刺激を与える。まるで僕から強請るのを待っているかのように弄び、何度もそれを繰り返した。
 頭がおかしくなりそうなほどの刺激に、思考力と抵抗心が徐々に削がれていった。

「はぁ…はぁ…っ」
「ごめんね、ユイ君。イけなくて辛いよね。ちょっといじわるしすぎたかな?今度こそイかせてあげるね」
 僕の口の端から垂れる涎を舐めずると、再び緩やかに扱き始めた。速度を増していくつれ僕もまた絶頂にのぼりつめ、今度は途中で止まることはなかった。

「やぁっ…っ、あっ…あっ……もぅっ…──っ!」

 ぎゅっと目をつぶったその瞬間、僕の白濁がお腹に飛び散った。彼はそれを掬い上げ、あられもない姿の僕を見て、ヌチヌチと指先で擦り合わせながら卑しい笑みを浮かべた。

「上手にイけたね、ユイ君。今の君、最高にそそる顔をしてるよ。今度はこっちでイってみようか?」

 彼はランジェリーの紐を片方解き、僕の片足を持ち上げた。そして、精液と香油で濡れた指先を後孔にあてがい、弧を描くように縁をなぞりながらナカに指を押し込んできた。ナカを搔き乱されることにこの上ない不快感を覚えたが、これまでの行為と媚薬の効果で抵抗できなかった。

「…思ってたより柔らかいね?もしかして君、自分で弄ってる?」

「───…っ」

 嫌悪感と羞恥心で、何も言い返せなかった。ルークと別れた後も、寂しさを埋めるように何度も弄ってしまっていたのは事実だ。そんな自分を、今更ながら恨む。…ずっとルークと繋がりたくて準備していたのに、まさかこんな形で他人に暴かれるなんて……。

「…ユイ君は見た目だけじゃなくて、身体もいやらしいんだ?でもこれなら、そんなに慣らさなくても大丈夫かもね」

 彼は自分のトラウザーズをくつろげ、自身を露わにした。僕はこれから自分の身に及ぶであろう行為に戦慄し、涙が溢れて震えが止まらなかった。



 いやだ…いやだ…っ!助けてっ…だれか…!




 ───…ルークっ!




「た…すけ…て…っ!」

 彼のモノが僕の後孔に触れたその瞬間、一陣の風と共に轟音が響き、強い衝撃で部屋が大きく揺れた。何が起きたのか分からず呆然としていると、ドアが木っ端微塵に破壊されているのが視界の端に入り、木片と木屑が舞う中に長身な銀髪の青年が見えた。

「ユイ!」

 自分の名前を叫ぶその声を聞いた瞬間、糸が切れたように僕の意識は途切れた。



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