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4異世界人です
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私が通されたのは立派な客室だった。
実のところ牢に入れられるのではと、心配していたのでホッとした。
「娘、私はこのグランティア国王シリウス・ロゼルト・グラノーヴァ。娘の名を申せ」
やっぱり国王陛下なんですね。
「私は、田崎友梨香。ユリカ・タサキって言った方いいのよね。名がユリカで姓……家名というのかな?それがタサキです」
「ほう、珍しい名前だが娘は家名を持っているのか。貴族の出か?」
「娘ではなくて友梨香って呼んで下さい。それからウチは貴族なんかではないですよ。祖父はいくつも会社を経営しているので、そこそこお金持ちですけどね」
「カイシャ?」
うーん、こっちの世界だとなんて言うんだろう?
「えっとですね、不動産を売り買いして開発していますが、他にもいろいろな事業を手掛けていますね」
実際祖父が会長を務めるTASAKIグループといえば、不動産業ではトップに君臨している。リゾート開発やアウトレットモールなどでも有名なグループ会社で、父は取締役社長なのだ。
「ふむ。商会やギルドの大きな物のようだな」
そう言いながらシリウス陛下はテーブルに置かれた紅茶を勧めてくれた。
「で、ユリ……カは二ホンといったか。その国からどうやってここへ来たのだ?」
私は目の前に出された紅茶を一口飲んで喉を潤した。
もうなんか、色々あり過ぎて自暴自棄?となっていた私は、堰を切ったようにべらべらと喋っていく。
「私、向こうでは大学という教育機関に通っていたんです。その大学に入ってすぐにある人とお付き合いを始めましたんですが」
「ユリカが付き合ったと云う男が、ここへ来たことに関係しているのか?」
シリウスは首を傾げて訪ねて来る。
「ええ、元はそこからなんです。これから先、陛下には分からない単語など出て来ますが、気になったら都度聞いてください」
「分かった」
「それでですね、私はその彼 丈一郎という名前ですが、彼とは二年付き合って来たんです。だけど、夏休み前に「夏休みとは?」あぁ、はい。大学の夏季休暇のことです。
その休み前に彼の浮気が分かりまして、二股をかけられていたのが発覚したんです。しかも相手は私の後輩なんですよ?私は何も知らないまま半年以上騙されていた訳です」
「それは何とも……酷い男であるな」
「でしょう?」
「それでユリカはその彼という言う奴に捨てられたのか?」
「何言っちゃってんですか、私が丈一郎を捨てたんです!!!」
「そ、そうなのか。婚約破棄をしたんだな」
えっ、何で婚約破棄になるの?はん、こちらの世界ではお付き合いイコール婚約なのかな。まっ、いいか。
「まぁ、そんなとこです。それでですね。彼とは浮気が発覚する前に、キャンちゃん。先ほどの私の愛車ですが、キャンちゃんで旅行する計画を立てていたんです。だけどこんな事になってしまったので、私は一人で行く事にしたんです」
「傷心旅行か?」
「結構ハッキリ言いますね、陛下は。でも残念ですが違います。私はアウトドアが好きで一人でキャンプに行ったり、ドライブを楽しんでいたので、彼と別れたからって計画をやめる気は無かったんです」
「もともとそういう計画であれば、別れた男は関係なかろう?それにキャンプとは何だ?」
「あっ、そこですか。関係が十分あります。だって、丈一郎が浮気なんかしなかったら、朝からイチャイチャしてたかもしれないじゃないですか!そしたらその時間に車で走っていなかった訳ですよ。そうすれば事故にも……
あっ、キャンプでしたね。キャンプはうーん、野営?」
「イチャイチャ……それは兎も角、女が一人で野営をするのか?」
彼が驚くのは無理もない。この世界では旅館にも止まらず、女性がお供も付けずたった一人で旅をするなどという事は、有り得ないのだ。
「私の国にはオートキャンプ場というのがありまして、キャンちゃんみたいな車が集まってキャンプできる施設があるのです。危険がないとはいえませんが、キャンパー同志はお互いに助け合う事もありますし」
「ユリカの国は治安が良いのか?」
「うーん、犯罪もありますけど。それでも、一般的には安全な国の方だと思います」
「そうか」
殿下はソファに背を預け腕組みをしている。
「で、話の続きですけど「ああ、続けてくれ」休みを利用しキャンちゃんで旅に出て四日目、つまり今日の事です。次の目的地に向かって山道を走っていたら、道路に落石が転がっていて」
「ふむ、危ないな」
「ええ、危険極まりないです。その石を避けながら進んだ先で、キャンちゃんの何倍もある車、トラックと衝突してしまったのです。哀れ、トラックと私を乗せたキャンちゃんは道から逸れて谷底へと……」
「えっ?!」
「私、あちらの世界では死んでいます」
「死んだと?今こうして生きているじゃないか」
「それが不思議なんですよね。だってあんなところから落ちて生きてる訳がないですよ。良く分らないけど、落ちていく過程で何か時空の歪みというか、ブラックホールみたいなものに、呑み込まれてしまったのではないかと思うんです。陛下たちが来る前に天使みたいのが現れて、神様の手違いみたいなことを言っていて、とにかく気付いたらキャンちゃん共々あの場所に居た訳です。でも、元の世界には私の遺体もあるって教えてくれたんだけど、今こうして生きているのにおかしいでしょう?。アタシ幽霊なのかな?
あっ、そういえばさっき私が「召喚」と言ったのを覚えてますか?」
「ああ、覚えているぞ」
「何故私が【召喚】という言葉を知っているかというと。
私の世界では、身近な人がある日突然姿を消してしまう事があるのです。それを神隠しとか宇宙人に攫われたとか言ったりもします。実際には自ら失踪するというのが一番多いと思うのですけど、運悪く犯罪に巻き込まれたという事もあります。それに対して先ほどの【召喚】とい言葉を使われたことはありません。【異世界召喚】という言葉は小説などの中のものだからです。でも、本当にあるとしたら、私が神様の手違いで、時空のゆがみとかに呑み込まれている時、たまたまこちらの世界で召喚が行われていて、引っ張り込まれてしまったのではないかと」
「ふむ、それはないな。【召喚】は文献に残っているだけで、俺も見た事はない。それが、ユリカの世界では物語に出て来るというのか」
「ええ、だからですね。あの天使もどきの事が信用できなくて……もしかしたら私は死んだ時に、物語の世界に入ってしまったのではないかとも思った訳です」
「我々がいる世界が、物語の中だというのか!そんなバカげたことを」
「ごめんなさい。でもそうとでも思わないと……私の中では起こった事が処理できなかったから……」
「なるほど、今までの話を聞いて、ユリカは本当に神の悪戯で巻き込まれた異世界人なのかもしれないと思えて来た」
**********
※明日からGWに入りますね。
私も異世界に旅行がしたいです(笑)
実のところ牢に入れられるのではと、心配していたのでホッとした。
「娘、私はこのグランティア国王シリウス・ロゼルト・グラノーヴァ。娘の名を申せ」
やっぱり国王陛下なんですね。
「私は、田崎友梨香。ユリカ・タサキって言った方いいのよね。名がユリカで姓……家名というのかな?それがタサキです」
「ほう、珍しい名前だが娘は家名を持っているのか。貴族の出か?」
「娘ではなくて友梨香って呼んで下さい。それからウチは貴族なんかではないですよ。祖父はいくつも会社を経営しているので、そこそこお金持ちですけどね」
「カイシャ?」
うーん、こっちの世界だとなんて言うんだろう?
「えっとですね、不動産を売り買いして開発していますが、他にもいろいろな事業を手掛けていますね」
実際祖父が会長を務めるTASAKIグループといえば、不動産業ではトップに君臨している。リゾート開発やアウトレットモールなどでも有名なグループ会社で、父は取締役社長なのだ。
「ふむ。商会やギルドの大きな物のようだな」
そう言いながらシリウス陛下はテーブルに置かれた紅茶を勧めてくれた。
「で、ユリ……カは二ホンといったか。その国からどうやってここへ来たのだ?」
私は目の前に出された紅茶を一口飲んで喉を潤した。
もうなんか、色々あり過ぎて自暴自棄?となっていた私は、堰を切ったようにべらべらと喋っていく。
「私、向こうでは大学という教育機関に通っていたんです。その大学に入ってすぐにある人とお付き合いを始めましたんですが」
「ユリカが付き合ったと云う男が、ここへ来たことに関係しているのか?」
シリウスは首を傾げて訪ねて来る。
「ええ、元はそこからなんです。これから先、陛下には分からない単語など出て来ますが、気になったら都度聞いてください」
「分かった」
「それでですね、私はその彼 丈一郎という名前ですが、彼とは二年付き合って来たんです。だけど、夏休み前に「夏休みとは?」あぁ、はい。大学の夏季休暇のことです。
その休み前に彼の浮気が分かりまして、二股をかけられていたのが発覚したんです。しかも相手は私の後輩なんですよ?私は何も知らないまま半年以上騙されていた訳です」
「それは何とも……酷い男であるな」
「でしょう?」
「それでユリカはその彼という言う奴に捨てられたのか?」
「何言っちゃってんですか、私が丈一郎を捨てたんです!!!」
「そ、そうなのか。婚約破棄をしたんだな」
えっ、何で婚約破棄になるの?はん、こちらの世界ではお付き合いイコール婚約なのかな。まっ、いいか。
「まぁ、そんなとこです。それでですね。彼とは浮気が発覚する前に、キャンちゃん。先ほどの私の愛車ですが、キャンちゃんで旅行する計画を立てていたんです。だけどこんな事になってしまったので、私は一人で行く事にしたんです」
「傷心旅行か?」
「結構ハッキリ言いますね、陛下は。でも残念ですが違います。私はアウトドアが好きで一人でキャンプに行ったり、ドライブを楽しんでいたので、彼と別れたからって計画をやめる気は無かったんです」
「もともとそういう計画であれば、別れた男は関係なかろう?それにキャンプとは何だ?」
「あっ、そこですか。関係が十分あります。だって、丈一郎が浮気なんかしなかったら、朝からイチャイチャしてたかもしれないじゃないですか!そしたらその時間に車で走っていなかった訳ですよ。そうすれば事故にも……
あっ、キャンプでしたね。キャンプはうーん、野営?」
「イチャイチャ……それは兎も角、女が一人で野営をするのか?」
彼が驚くのは無理もない。この世界では旅館にも止まらず、女性がお供も付けずたった一人で旅をするなどという事は、有り得ないのだ。
「私の国にはオートキャンプ場というのがありまして、キャンちゃんみたいな車が集まってキャンプできる施設があるのです。危険がないとはいえませんが、キャンパー同志はお互いに助け合う事もありますし」
「ユリカの国は治安が良いのか?」
「うーん、犯罪もありますけど。それでも、一般的には安全な国の方だと思います」
「そうか」
殿下はソファに背を預け腕組みをしている。
「で、話の続きですけど「ああ、続けてくれ」休みを利用しキャンちゃんで旅に出て四日目、つまり今日の事です。次の目的地に向かって山道を走っていたら、道路に落石が転がっていて」
「ふむ、危ないな」
「ええ、危険極まりないです。その石を避けながら進んだ先で、キャンちゃんの何倍もある車、トラックと衝突してしまったのです。哀れ、トラックと私を乗せたキャンちゃんは道から逸れて谷底へと……」
「えっ?!」
「私、あちらの世界では死んでいます」
「死んだと?今こうして生きているじゃないか」
「それが不思議なんですよね。だってあんなところから落ちて生きてる訳がないですよ。良く分らないけど、落ちていく過程で何か時空の歪みというか、ブラックホールみたいなものに、呑み込まれてしまったのではないかと思うんです。陛下たちが来る前に天使みたいのが現れて、神様の手違いみたいなことを言っていて、とにかく気付いたらキャンちゃん共々あの場所に居た訳です。でも、元の世界には私の遺体もあるって教えてくれたんだけど、今こうして生きているのにおかしいでしょう?。アタシ幽霊なのかな?
あっ、そういえばさっき私が「召喚」と言ったのを覚えてますか?」
「ああ、覚えているぞ」
「何故私が【召喚】という言葉を知っているかというと。
私の世界では、身近な人がある日突然姿を消してしまう事があるのです。それを神隠しとか宇宙人に攫われたとか言ったりもします。実際には自ら失踪するというのが一番多いと思うのですけど、運悪く犯罪に巻き込まれたという事もあります。それに対して先ほどの【召喚】とい言葉を使われたことはありません。【異世界召喚】という言葉は小説などの中のものだからです。でも、本当にあるとしたら、私が神様の手違いで、時空のゆがみとかに呑み込まれている時、たまたまこちらの世界で召喚が行われていて、引っ張り込まれてしまったのではないかと」
「ふむ、それはないな。【召喚】は文献に残っているだけで、俺も見た事はない。それが、ユリカの世界では物語に出て来るというのか」
「ええ、だからですね。あの天使もどきの事が信用できなくて……もしかしたら私は死んだ時に、物語の世界に入ってしまったのではないかとも思った訳です」
「我々がいる世界が、物語の中だというのか!そんなバカげたことを」
「ごめんなさい。でもそうとでも思わないと……私の中では起こった事が処理できなかったから……」
「なるほど、今までの話を聞いて、ユリカは本当に神の悪戯で巻き込まれた異世界人なのかもしれないと思えて来た」
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※明日からGWに入りますね。
私も異世界に旅行がしたいです(笑)
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