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17お披露目準備
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友梨香のお披露目準備が進行中である。
一、異世界人と理解してもらうために、登場する時は持っている異世界の服にする。
二、保護、後見は王太子シリウス殿下が務める。
またマーキュリアル公爵家、サイロン公爵家、マクベス侯爵家が後ろ盾なる事を発表する。
三、はっきりとは公表しないが、ユリカ嬢が妃候補で婚約者となることを匂わせる。
四、パーティーは立食とし、堅苦しい晩餐会は無しとする。
五、パーティーの際、ユリカはドレスにお色直しをし、ダンスを披露する。
(これは異世界人でもレディ又は淑女としての気質も備えているというのを見せるため)
以上の事が決められた。
「前にも言ったけど、ダンスはワルツで良いんだよね?」
マクベスさんにそれとなく聞いてみる。
「ええ、勿論でございます。ユリカ様は社交ダンスを習われていたとお聞きしております」
「うん、でも練習をしとかないと駄目よね」
「そうでございますね。では、教師をお付けいたしましょう」
「オネガイシマス」
これでダンスの方は何とかなる。
言葉使いはマクベスさんがいるので大丈夫。
後は……ドレスをお針子さん達と相談すればいいのね。
直ぐにデザインを決める作業に入った。
「ねぇ、コルセットは必須?」
「そうしたいところですが、異世界人と認識して貰えたなら強要はしないと、妃殿下から承っております。でも、ドレスとなりますと……ソフトな物でも付けられないと」
うーん、やっぱりそうか、妥協するしかないな。
「分かりました。それでお願いします。あとあまり、派手なのは嫌です」
そんな訳で、貴族のご令嬢のようなギチギチのコルセット着用は回避できた。デザインは緩めのマーメイドタイプに決められた。夜会なので肌の露出は多いデザインになるらしいが、胸半分からデコルテにかけてはレースにするみたい。
あとはウエストと腰のラインを強調して、足の付け根あたりからはダンスをした時に綺麗に広がる様にフレアーをたっぷり入れてくれるそうです。
ふふ、お姫様みたい。
色は氷下の海の色と言っていたけど。
んー――ん。あっ、殿下の瞳の色みたいな感じなのかなぁ。
取敢えず、これでドレスも決まった。
あー、露天風呂に入りに行きたい。
でもまだ何かあるって言ってたから、部屋の内風呂で我慢しよう。
ゆったりと内風呂に浸かる。
広い浴室に一人。
侍女ズには今日は入浴のお世話をしなくていいと伝えた。
二人はちょっといじけていたけど、たまには一人でのんびりとしたい気分だったのだ。
入浴後、ソファでまったりしていると、陛下からの伝令が届いた。
「陛下、ユリカ様がいらっしゃいました」
「入ってもらえ」
久しぶりの陛下の執務室。いつもきれいに片付けられている。
「陛下、用事って何?」
「ユリカ様、陛下に対してお言葉がっ!」
マクベスさんに叱られてしまったわ。
「ああ、いいよ。私の前ではユリカはそのままで」
ぺろりと舌を出してまた、マクベスさんに睨まれる。
「ユリカ座れ」
「はーい」
「実はお披露目の立食パーティーなんだが、大叔父から異世界の料理も出せないかと打診があった」
「えっ、日本の料理ですか?」
「ああ」
「あー、でも食材というか調味料が特別ですから厳しいかもです」
ひと月近く暮らしてきて、醤油や味噌と言った類の味付けはなかった。
キャンちゃんに行けばそれらは揃っていたので、王宮の料理には不満は無いけど。
「そうか……難しいか」
「んでも、デザートとかならこちらの食材でも行けると思うけど?」
「ほお、デザートとな」
「ケーキとかクッキーはこちにもあるけど、プリンってあります?」
「プリン?」
「ええ、ぷるぷるとした卵のお菓子みたいなものだけど」
「ぷるぷる?」
「あっ、そうだ。マクベスさん、お部屋から私のバッグを持って来て貰えますか?」
「あの肩掛けのですか?」
「うん、そう」
「畏まりました」
「バッグの中にプリンがあるのか?」
「やだ、陛下(笑)バッグの中になんか入ってませんよ」
「あのね、実はキャンちゃんの冷蔵庫には入ってるの。でもその前に、スマホで見せてあげようかと思って」
「ああ、例の通信機か」
「うん、あの中にレシピも保存してあるから」
「おお、それは凄いな」
マクベスさんからバッグを受け取りスマホを出す。
電波を使って無いからバッテリーも長持ちしている。万が一切れてもキャンちゃんへ行けば充電も出来るので、メモ代わりに使用しているのだ。
「えっと、このフォルダーにダウンロードして置いたレシピと画像があるはず」
指でタップしたりスワイプしている姿を始めて見るマクベスさんは、不思議そうに覗き込んでいる。
「わ、わたくしとしたことがのぞき見なんて失礼なことを」
振り向いたユリカにマクベス女官長は慌てて謝罪してきた。
「いいんですよー、面白いでしょう?」
「あっ、はい。驚いています」
「ふふ、陛下も最初に見た時はそうでしたもんね」
「ああ、訳が分からなくてたまげたぞ。そう言えば例の水着の写真、見れるか?」
「何言ってるんですか!もう見せませんよ」
「ちっ!」
あっ、また舌打ちしたわ。王様らしくないわね。
「あっ、これです。プリン!」
どれどれと、シリウスとマクベス女官長が画面を覗き込んできた。
「初めて見ました」
「ふむ、私もだ」
「やっぱりこっちにはないのね。作り方も簡単だし良いと思いますよ」
「皆の関心も惹けそうだな」
「あとで、キャンちゃんで試食してみてください」
「おお、了解した」
「あのう、出来ましたら……わたくしもそのプリンとなるのもを……」
マクベス女官長が縋るようにユリカを見て来たので、陛下の顔をちらりと見ると、無言で頷いて来た。
「女官長、試食の参加を認める。だが、キャンちゃんの中で見た事は他言無用とする事を誓うならばだ」
「知られてはお困りになる様なことがあるのですか?」
「ああ、全部に驚かされる。もし知れたら人々が押し寄せ、大変なことになるぞ」
「まぁ、それは……分かりました。このフランソワ・マクベス、ユリカ様の秘密を他言しない事を誓います」
胸に手を当てほんのしこし頭を下げ、腰を落とすマクベス女官長。
「ふむ、ならば同行を許す」
なんか大げさな感じになっちゃったけど、キャンちゃんの内情はあまり知られる訳にはいかないのだ。
そんな訳で、私と陛下はマクベスさんを連れてキャンちゃんへと向かう事になりました。
**********
※なぜか水着に拘る陛下でありました(笑)
一、異世界人と理解してもらうために、登場する時は持っている異世界の服にする。
二、保護、後見は王太子シリウス殿下が務める。
またマーキュリアル公爵家、サイロン公爵家、マクベス侯爵家が後ろ盾なる事を発表する。
三、はっきりとは公表しないが、ユリカ嬢が妃候補で婚約者となることを匂わせる。
四、パーティーは立食とし、堅苦しい晩餐会は無しとする。
五、パーティーの際、ユリカはドレスにお色直しをし、ダンスを披露する。
(これは異世界人でもレディ又は淑女としての気質も備えているというのを見せるため)
以上の事が決められた。
「前にも言ったけど、ダンスはワルツで良いんだよね?」
マクベスさんにそれとなく聞いてみる。
「ええ、勿論でございます。ユリカ様は社交ダンスを習われていたとお聞きしております」
「うん、でも練習をしとかないと駄目よね」
「そうでございますね。では、教師をお付けいたしましょう」
「オネガイシマス」
これでダンスの方は何とかなる。
言葉使いはマクベスさんがいるので大丈夫。
後は……ドレスをお針子さん達と相談すればいいのね。
直ぐにデザインを決める作業に入った。
「ねぇ、コルセットは必須?」
「そうしたいところですが、異世界人と認識して貰えたなら強要はしないと、妃殿下から承っております。でも、ドレスとなりますと……ソフトな物でも付けられないと」
うーん、やっぱりそうか、妥協するしかないな。
「分かりました。それでお願いします。あとあまり、派手なのは嫌です」
そんな訳で、貴族のご令嬢のようなギチギチのコルセット着用は回避できた。デザインは緩めのマーメイドタイプに決められた。夜会なので肌の露出は多いデザインになるらしいが、胸半分からデコルテにかけてはレースにするみたい。
あとはウエストと腰のラインを強調して、足の付け根あたりからはダンスをした時に綺麗に広がる様にフレアーをたっぷり入れてくれるそうです。
ふふ、お姫様みたい。
色は氷下の海の色と言っていたけど。
んー――ん。あっ、殿下の瞳の色みたいな感じなのかなぁ。
取敢えず、これでドレスも決まった。
あー、露天風呂に入りに行きたい。
でもまだ何かあるって言ってたから、部屋の内風呂で我慢しよう。
ゆったりと内風呂に浸かる。
広い浴室に一人。
侍女ズには今日は入浴のお世話をしなくていいと伝えた。
二人はちょっといじけていたけど、たまには一人でのんびりとしたい気分だったのだ。
入浴後、ソファでまったりしていると、陛下からの伝令が届いた。
「陛下、ユリカ様がいらっしゃいました」
「入ってもらえ」
久しぶりの陛下の執務室。いつもきれいに片付けられている。
「陛下、用事って何?」
「ユリカ様、陛下に対してお言葉がっ!」
マクベスさんに叱られてしまったわ。
「ああ、いいよ。私の前ではユリカはそのままで」
ぺろりと舌を出してまた、マクベスさんに睨まれる。
「ユリカ座れ」
「はーい」
「実はお披露目の立食パーティーなんだが、大叔父から異世界の料理も出せないかと打診があった」
「えっ、日本の料理ですか?」
「ああ」
「あー、でも食材というか調味料が特別ですから厳しいかもです」
ひと月近く暮らしてきて、醤油や味噌と言った類の味付けはなかった。
キャンちゃんに行けばそれらは揃っていたので、王宮の料理には不満は無いけど。
「そうか……難しいか」
「んでも、デザートとかならこちらの食材でも行けると思うけど?」
「ほお、デザートとな」
「ケーキとかクッキーはこちにもあるけど、プリンってあります?」
「プリン?」
「ええ、ぷるぷるとした卵のお菓子みたいなものだけど」
「ぷるぷる?」
「あっ、そうだ。マクベスさん、お部屋から私のバッグを持って来て貰えますか?」
「あの肩掛けのですか?」
「うん、そう」
「畏まりました」
「バッグの中にプリンがあるのか?」
「やだ、陛下(笑)バッグの中になんか入ってませんよ」
「あのね、実はキャンちゃんの冷蔵庫には入ってるの。でもその前に、スマホで見せてあげようかと思って」
「ああ、例の通信機か」
「うん、あの中にレシピも保存してあるから」
「おお、それは凄いな」
マクベスさんからバッグを受け取りスマホを出す。
電波を使って無いからバッテリーも長持ちしている。万が一切れてもキャンちゃんへ行けば充電も出来るので、メモ代わりに使用しているのだ。
「えっと、このフォルダーにダウンロードして置いたレシピと画像があるはず」
指でタップしたりスワイプしている姿を始めて見るマクベスさんは、不思議そうに覗き込んでいる。
「わ、わたくしとしたことがのぞき見なんて失礼なことを」
振り向いたユリカにマクベス女官長は慌てて謝罪してきた。
「いいんですよー、面白いでしょう?」
「あっ、はい。驚いています」
「ふふ、陛下も最初に見た時はそうでしたもんね」
「ああ、訳が分からなくてたまげたぞ。そう言えば例の水着の写真、見れるか?」
「何言ってるんですか!もう見せませんよ」
「ちっ!」
あっ、また舌打ちしたわ。王様らしくないわね。
「あっ、これです。プリン!」
どれどれと、シリウスとマクベス女官長が画面を覗き込んできた。
「初めて見ました」
「ふむ、私もだ」
「やっぱりこっちにはないのね。作り方も簡単だし良いと思いますよ」
「皆の関心も惹けそうだな」
「あとで、キャンちゃんで試食してみてください」
「おお、了解した」
「あのう、出来ましたら……わたくしもそのプリンとなるのもを……」
マクベス女官長が縋るようにユリカを見て来たので、陛下の顔をちらりと見ると、無言で頷いて来た。
「女官長、試食の参加を認める。だが、キャンちゃんの中で見た事は他言無用とする事を誓うならばだ」
「知られてはお困りになる様なことがあるのですか?」
「ああ、全部に驚かされる。もし知れたら人々が押し寄せ、大変なことになるぞ」
「まぁ、それは……分かりました。このフランソワ・マクベス、ユリカ様の秘密を他言しない事を誓います」
胸に手を当てほんのしこし頭を下げ、腰を落とすマクベス女官長。
「ふむ、ならば同行を許す」
なんか大げさな感じになっちゃったけど、キャンちゃんの内情はあまり知られる訳にはいかないのだ。
そんな訳で、私と陛下はマクベスさんを連れてキャンちゃんへと向かう事になりました。
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