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「ここで休憩しましょう」と先頭を走っていた青年が馬を止めて降りた。
僕は頷き馬から降りる。二人の兵も馬から降りて木の幹に手網を括りつけると、いきなり三人が僕を囲み剣を抜いた。
僕は少しだけ目を見開いたけど、やっぱりそうかと納得して、ロロを押しやって僕から離した。僕は素直にここで殺されるから、ロロは逃がしてあげて欲しい。賢い馬だから、誰か優しい人に拾われるといいな。
「フィル様、申し訳ありません。王命により、あなたの命を頂戴します」
「うん。でもお願いがあるんだ」
「何ですか?」
「ロロは逃がしてあげて。あと、一突きで僕を殺して」
「…命乞いをなさらないのですか?」
「しない。だって僕はいらない子だもの。必要とされてないもの。それなのになぜ命を惜しむの?」
「フィル様…」
「こんな所まで連れて来させてごめんね。じゃあよろしくね」
僕はマントを脱いで地面に落とした。
二人の兵が、両側から僕の腕を掴む。
そんなことをしなくても僕は逃げないのに…と微かに笑った。
兵長の青年が、一度固く目を閉じて大きく息を吐くと、目を開けて剣を胸の高さに持ち上げ腕を後ろに大きく引いた。その時、ロロが前足を高く上げていなないた。
「ロロ!静まれ!邪魔をしちゃだめだよ!」
僕の命令を聞いたロロが、前足を降ろして鼻息荒く地面を掻いている。
「さあ早く!」
ロロの勢いに一度剣を降ろした青年が、再び剣を持ち上げる。次の瞬間、僕の周辺に突風が吹きつけ咄嗟に目を閉じた。
僕はてっきり刺されたと思ったのに、胸が痛くない。不思議に思いながら目を開けると、目の前に灰色のマントを羽織った大きな男が立っていた。一面灰色の大きな背中しか見えなくて、顔がわからない。でもフードが外された頭は、美しい金髪をしている。
「おいおい、立派な兵士が三人がかりでこんなか弱い子を虐めてるのか?情けないな。その格好…おまえらイヴァル帝国の兵だな?へえ…あの国は統率の取れたいい国だと思っていたが、こんなことする奴等がいるんだな……って、もう聞こえてないか」
「えっ?」
僕は慌てて男の背中から顔を出した。僕を囲んでいた三人の兵達は、皆一様に地面に転がってピクリとも動かない。
「え…待って。殺しちゃったの?」
灰色のマントを掴んで震えた声を出す僕に、男が振り向いて屈み目線を合わせる。そして綺麗な紫色の目を細めて僕の頭を撫でた。
「おまえ…自分が襲われていたのにこいつらの心配をしてるのか?優しいな。それに美しい銀髪に可愛い顔をしている。うん、気に入った!おまえを俺の国に連れて行く!」
「えっ!なんで?」
「え?俺の妻にするためだけど?」
「……つま……妻っ?」
「そうだ。あ、でも俺は今、諸国を放浪中なんだ。だからしばらく一緒に旅をしよう」
「つま…」
男の言ってることは理解してるけど、気持ちが追いつかない。
僕がぼんやりとしている間に男がマントを拾って僕の肩にかけ、気がついたら男と一緒に馬に乗っていた。
僕は頷き馬から降りる。二人の兵も馬から降りて木の幹に手網を括りつけると、いきなり三人が僕を囲み剣を抜いた。
僕は少しだけ目を見開いたけど、やっぱりそうかと納得して、ロロを押しやって僕から離した。僕は素直にここで殺されるから、ロロは逃がしてあげて欲しい。賢い馬だから、誰か優しい人に拾われるといいな。
「フィル様、申し訳ありません。王命により、あなたの命を頂戴します」
「うん。でもお願いがあるんだ」
「何ですか?」
「ロロは逃がしてあげて。あと、一突きで僕を殺して」
「…命乞いをなさらないのですか?」
「しない。だって僕はいらない子だもの。必要とされてないもの。それなのになぜ命を惜しむの?」
「フィル様…」
「こんな所まで連れて来させてごめんね。じゃあよろしくね」
僕はマントを脱いで地面に落とした。
二人の兵が、両側から僕の腕を掴む。
そんなことをしなくても僕は逃げないのに…と微かに笑った。
兵長の青年が、一度固く目を閉じて大きく息を吐くと、目を開けて剣を胸の高さに持ち上げ腕を後ろに大きく引いた。その時、ロロが前足を高く上げていなないた。
「ロロ!静まれ!邪魔をしちゃだめだよ!」
僕の命令を聞いたロロが、前足を降ろして鼻息荒く地面を掻いている。
「さあ早く!」
ロロの勢いに一度剣を降ろした青年が、再び剣を持ち上げる。次の瞬間、僕の周辺に突風が吹きつけ咄嗟に目を閉じた。
僕はてっきり刺されたと思ったのに、胸が痛くない。不思議に思いながら目を開けると、目の前に灰色のマントを羽織った大きな男が立っていた。一面灰色の大きな背中しか見えなくて、顔がわからない。でもフードが外された頭は、美しい金髪をしている。
「おいおい、立派な兵士が三人がかりでこんなか弱い子を虐めてるのか?情けないな。その格好…おまえらイヴァル帝国の兵だな?へえ…あの国は統率の取れたいい国だと思っていたが、こんなことする奴等がいるんだな……って、もう聞こえてないか」
「えっ?」
僕は慌てて男の背中から顔を出した。僕を囲んでいた三人の兵達は、皆一様に地面に転がってピクリとも動かない。
「え…待って。殺しちゃったの?」
灰色のマントを掴んで震えた声を出す僕に、男が振り向いて屈み目線を合わせる。そして綺麗な紫色の目を細めて僕の頭を撫でた。
「おまえ…自分が襲われていたのにこいつらの心配をしてるのか?優しいな。それに美しい銀髪に可愛い顔をしている。うん、気に入った!おまえを俺の国に連れて行く!」
「えっ!なんで?」
「え?俺の妻にするためだけど?」
「……つま……妻っ?」
「そうだ。あ、でも俺は今、諸国を放浪中なんだ。だからしばらく一緒に旅をしよう」
「つま…」
男の言ってることは理解してるけど、気持ちが追いつかない。
僕がぼんやりとしている間に男がマントを拾って僕の肩にかけ、気がついたら男と一緒に馬に乗っていた。
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