銀の王子は金の王子の隣で輝く

明樹

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 僕とラズール、ゼノとジルは同じ部屋だ。
 ラズールが部屋を分けろと抗議していたが、ゼノが同室の方が安全だと説き伏せていた。
 僕もラズールと二人より、周りがバイロン国の兵に囲まれている宿の中では、ゼノとジルがいる方が心強い。そうラズールに言うと、渋々頷いていた。
 黙々と食事を終え食器類を下げてもらい、これからのことを相談しようとしたその時、誰かが扉を叩いた。
 僕は緊張して身体を固くし、ラズールが警戒して腰に差した剣の柄を掴む。
 ゼノがそんな僕達を手で制すると、ジルが扉に近づき「来たのか」と聞いた。

「ユフィとテラです。入ってもよろしいですか」
「ああ、入れ」

 ジルが扉を開ける。
 細く開いた隙間から、二人の騎士がするりと入ってきた。

「ジル様、ゼノ様、お姿が見えないので心配していました。無事に合流できてよかったです」
「本当に…ドキドキしましたよ?」

 凛々しい顔つきの騎士が丁寧に話し、少し幼い雰囲気の騎士が明るく喋る。
 二人はゼノとジルに声をかけて、僕とラズールを見て動きを止めた。

「あなたは確か、隣国の」

 凛々しい顔つきの騎士が僕に向かって膝を折る。
 もう一人の騎士が「え?」と不思議そうに隣の騎士と僕を見比べている。

「君もリアムの部下なの?名前は?」
「はい。ユフィと申します。以前にお会いしたことがあります」
「僕がゼノの奴隷としてバイロン国にいた時だね。確かリアムの軍にいたね」
「そうです。覚えていてくださって嬉しいです」
「隣の君もいたよね」
「え?俺?ってか君は誰?」

「おい」とラズールが、ユフィの隣で戸惑っている騎士を睨む。
 僕は今にも怒鳴りつけそうなラズールの腕を引いて止めると、ゼノに聞いた。

「彼らも味方だね?僕のことを話してもいい?」
「はい、大丈夫です。彼らは信用できます」
「そう。こうやって面と向かって挨拶をするのは初めてだね。僕はイヴァル帝国の王、フィルと言います。リアムを助けに来たんだ。君達にも協力してほしい」
「もちろんです」

 ユフィが頭を下げる。僕のことを知っていたようだ。
 隣の騎士は「えっ!」と叫ぶと、慌てて膝を折り頭を下げた。

「無礼をお許しください!俺はテラと言います。リアム様をお助けできるのなら、何でもします!」
「テラだね。よろしく」
「はい!…あの」
「どうしたの?」

 テラがゆっくりと顔を上げ、僕と目が合うと慌てて伏せる。

「とりあえず二人とも立って。ここにいる皆は仲間だから。僕を特別扱いしないでほしいな」
「はあ…」

 テラが間の抜けた返事をしながら立ち上がろうとする。
 それをユフィが止めたので、僕はもう一度言う。

「ユフィも立って。そんなに堅苦しくしてたら気軽に相談もできないじゃないか」
「…わかりました。そちらの方もよろしいですか?」

 ユフィがラズールに向かって聞く。
 僕の隣に立つラズールを見上げると、とても不服そうな顔をしていた。
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