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王都を包囲した侯爵軍は呆気に取られていた。
愛娘の無残な遺体を『聖地』の番人から届けられたサンレアン侯爵の嘆きと怒りたるや凄まじく、さぞ苛烈な戦が始まるのだろうと誰もが覚悟を決めてここまで来た。
だというのに、その戦はあっさり幕を閉じたのである。
侯爵はまず王都に向けて降伏を勧告する使者を出した。
あくまで儀礼の上の行為であり、敵が受け入れるとは誰も思っていない。
しかしそんな大方の予想に反し、固く閉ざされた王都の門はほどなくして明け放たれたのだった。
誰もが夢を見ているのでは無いのかと、隣に立つ者と顔を見合わせる他無かった。
それから一夜明けて、のことである。
◆
「ほ、本当に……?」
侯爵の手はわなわなと震えた。
古い戦傷の刻まれた頬が引きつり、目じりには涙すら浮かべている。
「はい。戸惑われるとは思いますが、余りに荒唐無稽な事なので今まで申し上げられずにおりました」
エンデは恭しく腰を曲げ、長年の非礼を詫びる。
その姿は侯爵の記憶の中のティアーヌとも重なるもの。
「本当にアナタはティアーヌなのかっ」
「……3つの頃に書斎の壁にラクガキをし、5つの頃までおねしょが治らず、7つの頃に庭の木から飛び降りて庭師の頭の上に落ちたティアーヌでございますっ」
エンデは眉を顰め、頬を紅潮させながら父の問いに答えを返した。
転生して二度目の人生とは言え、幼い体に精神が引っ張られる形で昔は相応に子供だった。
馬鹿なことも随分としたものである。
そんなティアーヌの恥ずかしい思い出を聞いた侯爵は、ついに目から大粒の涙を落とす。
どれも屋敷の中でもごく親しい者しか知らない娘のエピソード。
貴族の娘らしからぬ笑い話として、暗黙の緘口令がしかれていた話ばかりだった。
「ティアーヌッ! ああ、私の花よッ!」
感極まった父は、あらん限りの力を込めて姿の変わった娘を抱きしめた。
その当の娘はというと、目をぱちくりとさせて困惑している。
「え、ええっ!? お父さま!?」
自分の知る父はこんな涙もろくも親バカでも無い。
たとえ家族が死んでも冷徹に、その後の領地運営について頭を巡らす『貴族』の男だ。
「だから言ったんですよ。その子、根は単純だって」
後方から弾むような高い声が聞こえて二人は振り返った。
そこにいたのは『聖地』の番人であるカリョー。
父はその存在に気が付いてようやく娘を離し、照れくさそうに頭を掻いた。
「これを機にもっと親子の時間を増やしてみたらどうです?」
「カリョー、あなたも来ていたの」
軽い調子で話すカリョーに、エンデは訝し気な声を掛ける。
「番人殿がお前の……ティアーヌの遺体を届けて下さったのだ。それだけでなく、今回の兵にも参加して下さった」
「ティアーヌ様はエンデ様で、ぼくのご主人様なんだから当たり前じゃないですかぁ」
「番人様も『聖女』が私のティアーヌであると保証して下さるか。ああ、本当に良かった……」
父はそう言うとまた涙ぐんで嗚咽を漏らす。
「……つまりお父さまに何のご説明もせず、出兵までさせたと」
しかしそれを見るエンデの声は冷ややかだった。
カリョーは笑顔のまま、さっと顔を蒼くして弁解を始める。
「い、いやあ、何分証拠も無い話なんで、どう切り出したものかとっ」
「ティアーヌの遺体を持って来たって事は、ワタシが殺されてる所見てたわねアナタ?」
ヴァレールも時間稼ぎに遺体を隠すことぐらいしていたはずだ。
そう指摘するとカリョーはぐっと詰まり、父は信じられないものを見るような目を向けた。
「で、でもたかが一回死んだだけじゃないですかっ!」
更にご遺体を辱めるような事でもあれば黙っていませんでした――カリョーはそんな言い訳にもならない言葉を続けるが、それで納得する人間はこの場にはいない。
「なッ! 番人殿、どういう事ですか!」
「精霊は人間とは死生観が違うのです。悪気は余りないのかと――限度はありますが」
ティアーヌは助けを入れつつも、厳しい視線を崩そうとはしない。
カリョーは涙ぐみながら、子供のようにバタバタと手を振るっている。
「だってだってだってだって! 誰もちゃんとご主人様のこと敬わないしっ」
「それでわざと大事にしてトドメをさそうと?」
「……崩れかけた家なら、もういっそ壊してしまった方が安全だと思いません?」
ヴァレールが剣を抜いた時点で最終的な破滅は決定していた。
その理屈が分かるのか、侯爵である父は黙って事態を見守っている。
「それに何度ご進言しても聞き届けてくれませんでしたし……」
最後の言葉はどこか恨めし気だった。
「そ、そこを突かれるとワタシも耳が痛いのだけど……」
「もう良いではないか。済んだことだ」
見かねた父が、諦めたようにエンデの肩を叩く。
「どの道やる事は変わらなかったと思うぞ。婚約と言う信義に唾を吐かれ、剣まで抜かれたならその時点で私も容赦は出来ん」
至極当然のように目に殺意を灯しながら父は言った。
おそらく本気だろう、ということは誰の目から見ても明らかだ。
しかしエンデは盛大にため息を吐くと、遠い目で窓の外を見た。
「それだけでは無いんですよ。空、昨日からずっと曇りっぱなしですよね」
「うん? それがどうしたというのだ?」
「それがワタシ、エンデが200年間眠っていた理由でもあります」
外は雨が降り始め、風が強まり、遠くで雷鳴まで鳴り出した。
「……随分季節外れの嵐だな」
「これからはこれが毎日続きます。200年前はそうでした」
「は?」
その時、ごく近い所で雷が落ちた。
轟音が机の上のグラスを揺らし、部屋の外から女中の叫びが聞こえる。
「ざっくり言うと、体を重石にして封印してたんですよ」
「ふ、封印?」
「魔族……なんで居なくなったのか、伝説でも具体的に語られて無かったでしょう?」
濁った眼でそう告げるエンデに、父はすぐには言葉を告げなかった。
「ま、待て! それでは魔族が復活するとでも言うのかっ!」
「はい。もう少し時間は掛かるのでしょうが」
「番人殿ッ!」
たまらず父が怒鳴りつけると、カリョーは子供のように頭を押さえながら飛び上がった。
「だってぇ……ご主人様がかわいそうじゃないですか!? もう一つの体に魂の一部を縛られたまま、ずっと漬け物石なんて!」
怯えながらも悪びれないカリョーを見て、父はようやく悟った。
これは根本的に理解が困難な生き物なのだと。
「おお、おお……なんというっ!」
「一応利点もありますよ、父上。共通で強大な敵の登場です。王国はまた王の元、一つに団結するでしょう」
正しくは団結せざを得ない、だが。
それを指摘する気力は当に二人の中から失せていた。
父は窓辺に項垂れながら呻くように声を出した。
「は、は……。殿下は婚約者殺しと王位簒奪だけでなく、魔族の封印を解いた大罪人か」
「まだご存命ですよね? 自害など許さぬよう、しっかりと見張りを付けておいて下さい」
罪にはそれに応じた相応しい罰が必要である。
末路がどうなるかはまだ分からないが、万人が納得するような凄惨で不名誉な末路が待っているのは間違いが無い。
『清流派』も一人一人は優秀な人材だ。
特に治癒の魔術の使えるリュマなどまたとない逸材だろう。
これから始まるであろう戦で大いに役立つに違いなかった。
それも劣悪な環境で、地獄すらも生ぬるい戦。
罰として強制されるそれは、たとえ勝っても終わりは無いし、誰からも褒められる事はない。
いずれにしても、あの理想家たちにはもっとも辛い現実となるのだろう。
「まぁ、こうして悩むのも生きていればこそですね」
エンデは少しだけ明るさを取りもどし、そう呟いた。
生きることは荒野を切り開くようなもの。
苦労もあるし、後に続く者に責任を取らねばならない。
だがそうして誇りある生き方を貫いたのなら、その先に美しいものが待っている。
二度にわたる人生で、エンデはそのことを知っている。
「これから忙しくなるわね」
顔を上げたエンデは、どこか楽し気だったという。
愛娘の無残な遺体を『聖地』の番人から届けられたサンレアン侯爵の嘆きと怒りたるや凄まじく、さぞ苛烈な戦が始まるのだろうと誰もが覚悟を決めてここまで来た。
だというのに、その戦はあっさり幕を閉じたのである。
侯爵はまず王都に向けて降伏を勧告する使者を出した。
あくまで儀礼の上の行為であり、敵が受け入れるとは誰も思っていない。
しかしそんな大方の予想に反し、固く閉ざされた王都の門はほどなくして明け放たれたのだった。
誰もが夢を見ているのでは無いのかと、隣に立つ者と顔を見合わせる他無かった。
それから一夜明けて、のことである。
◆
「ほ、本当に……?」
侯爵の手はわなわなと震えた。
古い戦傷の刻まれた頬が引きつり、目じりには涙すら浮かべている。
「はい。戸惑われるとは思いますが、余りに荒唐無稽な事なので今まで申し上げられずにおりました」
エンデは恭しく腰を曲げ、長年の非礼を詫びる。
その姿は侯爵の記憶の中のティアーヌとも重なるもの。
「本当にアナタはティアーヌなのかっ」
「……3つの頃に書斎の壁にラクガキをし、5つの頃までおねしょが治らず、7つの頃に庭の木から飛び降りて庭師の頭の上に落ちたティアーヌでございますっ」
エンデは眉を顰め、頬を紅潮させながら父の問いに答えを返した。
転生して二度目の人生とは言え、幼い体に精神が引っ張られる形で昔は相応に子供だった。
馬鹿なことも随分としたものである。
そんなティアーヌの恥ずかしい思い出を聞いた侯爵は、ついに目から大粒の涙を落とす。
どれも屋敷の中でもごく親しい者しか知らない娘のエピソード。
貴族の娘らしからぬ笑い話として、暗黙の緘口令がしかれていた話ばかりだった。
「ティアーヌッ! ああ、私の花よッ!」
感極まった父は、あらん限りの力を込めて姿の変わった娘を抱きしめた。
その当の娘はというと、目をぱちくりとさせて困惑している。
「え、ええっ!? お父さま!?」
自分の知る父はこんな涙もろくも親バカでも無い。
たとえ家族が死んでも冷徹に、その後の領地運営について頭を巡らす『貴族』の男だ。
「だから言ったんですよ。その子、根は単純だって」
後方から弾むような高い声が聞こえて二人は振り返った。
そこにいたのは『聖地』の番人であるカリョー。
父はその存在に気が付いてようやく娘を離し、照れくさそうに頭を掻いた。
「これを機にもっと親子の時間を増やしてみたらどうです?」
「カリョー、あなたも来ていたの」
軽い調子で話すカリョーに、エンデは訝し気な声を掛ける。
「番人殿がお前の……ティアーヌの遺体を届けて下さったのだ。それだけでなく、今回の兵にも参加して下さった」
「ティアーヌ様はエンデ様で、ぼくのご主人様なんだから当たり前じゃないですかぁ」
「番人様も『聖女』が私のティアーヌであると保証して下さるか。ああ、本当に良かった……」
父はそう言うとまた涙ぐんで嗚咽を漏らす。
「……つまりお父さまに何のご説明もせず、出兵までさせたと」
しかしそれを見るエンデの声は冷ややかだった。
カリョーは笑顔のまま、さっと顔を蒼くして弁解を始める。
「い、いやあ、何分証拠も無い話なんで、どう切り出したものかとっ」
「ティアーヌの遺体を持って来たって事は、ワタシが殺されてる所見てたわねアナタ?」
ヴァレールも時間稼ぎに遺体を隠すことぐらいしていたはずだ。
そう指摘するとカリョーはぐっと詰まり、父は信じられないものを見るような目を向けた。
「で、でもたかが一回死んだだけじゃないですかっ!」
更にご遺体を辱めるような事でもあれば黙っていませんでした――カリョーはそんな言い訳にもならない言葉を続けるが、それで納得する人間はこの場にはいない。
「なッ! 番人殿、どういう事ですか!」
「精霊は人間とは死生観が違うのです。悪気は余りないのかと――限度はありますが」
ティアーヌは助けを入れつつも、厳しい視線を崩そうとはしない。
カリョーは涙ぐみながら、子供のようにバタバタと手を振るっている。
「だってだってだってだって! 誰もちゃんとご主人様のこと敬わないしっ」
「それでわざと大事にしてトドメをさそうと?」
「……崩れかけた家なら、もういっそ壊してしまった方が安全だと思いません?」
ヴァレールが剣を抜いた時点で最終的な破滅は決定していた。
その理屈が分かるのか、侯爵である父は黙って事態を見守っている。
「それに何度ご進言しても聞き届けてくれませんでしたし……」
最後の言葉はどこか恨めし気だった。
「そ、そこを突かれるとワタシも耳が痛いのだけど……」
「もう良いではないか。済んだことだ」
見かねた父が、諦めたようにエンデの肩を叩く。
「どの道やる事は変わらなかったと思うぞ。婚約と言う信義に唾を吐かれ、剣まで抜かれたならその時点で私も容赦は出来ん」
至極当然のように目に殺意を灯しながら父は言った。
おそらく本気だろう、ということは誰の目から見ても明らかだ。
しかしエンデは盛大にため息を吐くと、遠い目で窓の外を見た。
「それだけでは無いんですよ。空、昨日からずっと曇りっぱなしですよね」
「うん? それがどうしたというのだ?」
「それがワタシ、エンデが200年間眠っていた理由でもあります」
外は雨が降り始め、風が強まり、遠くで雷鳴まで鳴り出した。
「……随分季節外れの嵐だな」
「これからはこれが毎日続きます。200年前はそうでした」
「は?」
その時、ごく近い所で雷が落ちた。
轟音が机の上のグラスを揺らし、部屋の外から女中の叫びが聞こえる。
「ざっくり言うと、体を重石にして封印してたんですよ」
「ふ、封印?」
「魔族……なんで居なくなったのか、伝説でも具体的に語られて無かったでしょう?」
濁った眼でそう告げるエンデに、父はすぐには言葉を告げなかった。
「ま、待て! それでは魔族が復活するとでも言うのかっ!」
「はい。もう少し時間は掛かるのでしょうが」
「番人殿ッ!」
たまらず父が怒鳴りつけると、カリョーは子供のように頭を押さえながら飛び上がった。
「だってぇ……ご主人様がかわいそうじゃないですか!? もう一つの体に魂の一部を縛られたまま、ずっと漬け物石なんて!」
怯えながらも悪びれないカリョーを見て、父はようやく悟った。
これは根本的に理解が困難な生き物なのだと。
「おお、おお……なんというっ!」
「一応利点もありますよ、父上。共通で強大な敵の登場です。王国はまた王の元、一つに団結するでしょう」
正しくは団結せざを得ない、だが。
それを指摘する気力は当に二人の中から失せていた。
父は窓辺に項垂れながら呻くように声を出した。
「は、は……。殿下は婚約者殺しと王位簒奪だけでなく、魔族の封印を解いた大罪人か」
「まだご存命ですよね? 自害など許さぬよう、しっかりと見張りを付けておいて下さい」
罪にはそれに応じた相応しい罰が必要である。
末路がどうなるかはまだ分からないが、万人が納得するような凄惨で不名誉な末路が待っているのは間違いが無い。
『清流派』も一人一人は優秀な人材だ。
特に治癒の魔術の使えるリュマなどまたとない逸材だろう。
これから始まるであろう戦で大いに役立つに違いなかった。
それも劣悪な環境で、地獄すらも生ぬるい戦。
罰として強制されるそれは、たとえ勝っても終わりは無いし、誰からも褒められる事はない。
いずれにしても、あの理想家たちにはもっとも辛い現実となるのだろう。
「まぁ、こうして悩むのも生きていればこそですね」
エンデは少しだけ明るさを取りもどし、そう呟いた。
生きることは荒野を切り開くようなもの。
苦労もあるし、後に続く者に責任を取らねばならない。
だがそうして誇りある生き方を貫いたのなら、その先に美しいものが待っている。
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