41 / 177
侍女兼便利屋
41
しおりを挟む
再び町を散策するレナーさん。
あちらこちらの店へ入り、あれはなんだ?これはなんだ?と言葉を覚えたばかりの子供の様に訊ねて来ました。
──正直、少々疲れました。
しかも行く先々で女性に声をかけられては、律儀に返事を返すので1ヶ所の滞在時間が長いのです。
6ヶ所目でいい加減、待ってられないので隣の店でお茶を頂いておりましたら、置いてかれたと勘違いしたレナーさんが飛び込んできました。
「マリー!!なんで僕を置いてくんだよ!?」
「……人聞きが悪いですね。置いていってませんよ?レナーさんは女性の方とお話があるようなので、私はこうしてお茶を頂きながら待っておりましたが?」
ズズッとお茶を啜りながら、レナーさんに説明しましたが、ムスッとしたままこちらを睨んでます。
「……僕にも頂戴」
喉が乾いたようで、レナーさんは私の飲みかけのお茶に手を伸ばしてきましたが、これはダメです。
王子に飲みかけのお茶を渡すのは、流石の私でも気が引けます。
「待ってください。今追加注文します」
「いいよこれで」
すぐに店員を呼ぼうとしましたが、レナーさんが素早く私のコップを手に取り一気に飲み干してしまいました。
……飲んでしまったものは仕方ありませんが、これ苦くありまでしたか?
私は湯に茶葉をしばらく付けて苦味を出したものが好きなのです。
一度ルイスさんが私の物だと知らずに口にして、盛大に吐き出した事例があります。
レナーさんを見るとやはり顔が真っ青になっておりますが、流石は王族の方です。
一度口にしたものは吐き出さないのですね。
頑張って堪えております。
──さて、飲みきれますか?
「~~~っ何これ!?毒!?」
おお!!飲み切りましたね!!
「失礼ですね。これはマリースペシャルです。ここのマスターに特別に作ってもらっております。──因みに私以外に飲みきった方はレナーさんが初です。素晴らしい!!」
パチパチと手を叩いて讃えてあげると、レナーさんは柄にもなく照れております。
さて、お茶も飲まれてしまいましたし、お小遣いも残り300ピール。
これでは、大した事出来そうにありませんね。
そろそろ日も暮れてきたことですし、町散策も終わりにしましょうか?
と思っていたのですが──
「……ねぇ、あとお金どのぐらい残ってる?」
「あと、300ピールですね」
「それ、僕が使っちゃってもいい?」
それは構いませんよ。元はゴリさんからの頂いた物ですし。1000ピールでも割りとお腹一杯になりました。
まあ、半分以上はレナーさんが貢いで頂いた物ですけど。
私は残りの300ピールをレナーさんに渡すと、「ここで待ってて」っと私に伝えるや否や外へと駆け出して行きました。
全財産持っていかれたのでお茶も飲めず、ただただ待ちぼうけです。
暫くすると、レナーさんは手に小さな包みを持って戻って参りました。
「……これ、やる……」
渡された包みを開けると、綺麗な蝶のモチーフの髪飾りでした。
「……今日一日、僕に付き合ってくれたから、お礼!!」
レナーさんは照れ隠しでしょうか。私と目を合わせないように横を向いていますが、耳が真っ赤ですよ?
それに、そんなぶっきらぼうに言われても困ります。……まあ、気持ちは有難く頂きます。
私はその髪飾りを早速付けて、レナーさんに見せました。
「どうですか?」
「……まあ、まあ、いいんじゃない?」
だから顔が真っ赤ですよ。
──これ、ゴリさんからのお小遣いなので、実際はゴリさんからの贈り物じゃ……?
まあ、細かい事を言うのは野暮ですね。
本日のお給金……蝶の髪飾り(レナーさんからの贈り物)
借金返済まで残り5億8千88万2100ピール
あちらこちらの店へ入り、あれはなんだ?これはなんだ?と言葉を覚えたばかりの子供の様に訊ねて来ました。
──正直、少々疲れました。
しかも行く先々で女性に声をかけられては、律儀に返事を返すので1ヶ所の滞在時間が長いのです。
6ヶ所目でいい加減、待ってられないので隣の店でお茶を頂いておりましたら、置いてかれたと勘違いしたレナーさんが飛び込んできました。
「マリー!!なんで僕を置いてくんだよ!?」
「……人聞きが悪いですね。置いていってませんよ?レナーさんは女性の方とお話があるようなので、私はこうしてお茶を頂きながら待っておりましたが?」
ズズッとお茶を啜りながら、レナーさんに説明しましたが、ムスッとしたままこちらを睨んでます。
「……僕にも頂戴」
喉が乾いたようで、レナーさんは私の飲みかけのお茶に手を伸ばしてきましたが、これはダメです。
王子に飲みかけのお茶を渡すのは、流石の私でも気が引けます。
「待ってください。今追加注文します」
「いいよこれで」
すぐに店員を呼ぼうとしましたが、レナーさんが素早く私のコップを手に取り一気に飲み干してしまいました。
……飲んでしまったものは仕方ありませんが、これ苦くありまでしたか?
私は湯に茶葉をしばらく付けて苦味を出したものが好きなのです。
一度ルイスさんが私の物だと知らずに口にして、盛大に吐き出した事例があります。
レナーさんを見るとやはり顔が真っ青になっておりますが、流石は王族の方です。
一度口にしたものは吐き出さないのですね。
頑張って堪えております。
──さて、飲みきれますか?
「~~~っ何これ!?毒!?」
おお!!飲み切りましたね!!
「失礼ですね。これはマリースペシャルです。ここのマスターに特別に作ってもらっております。──因みに私以外に飲みきった方はレナーさんが初です。素晴らしい!!」
パチパチと手を叩いて讃えてあげると、レナーさんは柄にもなく照れております。
さて、お茶も飲まれてしまいましたし、お小遣いも残り300ピール。
これでは、大した事出来そうにありませんね。
そろそろ日も暮れてきたことですし、町散策も終わりにしましょうか?
と思っていたのですが──
「……ねぇ、あとお金どのぐらい残ってる?」
「あと、300ピールですね」
「それ、僕が使っちゃってもいい?」
それは構いませんよ。元はゴリさんからの頂いた物ですし。1000ピールでも割りとお腹一杯になりました。
まあ、半分以上はレナーさんが貢いで頂いた物ですけど。
私は残りの300ピールをレナーさんに渡すと、「ここで待ってて」っと私に伝えるや否や外へと駆け出して行きました。
全財産持っていかれたのでお茶も飲めず、ただただ待ちぼうけです。
暫くすると、レナーさんは手に小さな包みを持って戻って参りました。
「……これ、やる……」
渡された包みを開けると、綺麗な蝶のモチーフの髪飾りでした。
「……今日一日、僕に付き合ってくれたから、お礼!!」
レナーさんは照れ隠しでしょうか。私と目を合わせないように横を向いていますが、耳が真っ赤ですよ?
それに、そんなぶっきらぼうに言われても困ります。……まあ、気持ちは有難く頂きます。
私はその髪飾りを早速付けて、レナーさんに見せました。
「どうですか?」
「……まあ、まあ、いいんじゃない?」
だから顔が真っ赤ですよ。
──これ、ゴリさんからのお小遣いなので、実際はゴリさんからの贈り物じゃ……?
まあ、細かい事を言うのは野暮ですね。
本日のお給金……蝶の髪飾り(レナーさんからの贈り物)
借金返済まで残り5億8千88万2100ピール
38
あなたにおすすめの小説
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する
影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。
※残酷な描写は予告なく出てきます。
※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。
※106話完結。
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!
山田 バルス
ファンタジー
王宮大広間は春の祝宴で黄金色に輝き、各地の貴族たちの笑い声と音楽で満ちていた。しかしその中心で、空気を切り裂くように響いたのは、第1王子アルベルトの声だった。
「ローゼ・フォン・エルンスト! おまえとの婚約は、今日をもって破棄する!」
周囲の視線が一斉にローゼに注がれ、彼女は凍りついた。「……は?」唇からもれる言葉は震え、理解できないまま広間のざわめきが広がっていく。幼い頃から王子の隣で育ち、未来の王妃として教育を受けてきたローゼ――その誇り高き公爵令嬢が、今まさに公開の場で突き放されたのだ。
アルベルトは勝ち誇る笑みを浮かべ、隣に立つ淡いピンク髪の少女ミーアを差し置き、「おれはこの天使を選ぶ」と宣言した。ミーアは目を潤ませ、か細い声で応じる。取り巻きの貴族たちも次々にローゼの罪を指摘し、アーサーやマッスルといった証人が証言を加えることで、非難の声は広間を震わせた。
ローゼは必死に抗う。「わたしは何もしていない……」だが、王子の視線と群衆の圧力の前に言葉は届かない。アルベルトは公然と彼女を罪人扱いし、地下牢への収監を命じる。近衛兵に両腕を拘束され、引きずられるローゼ。広間には王子を讃える喝采と、哀れむ視線だけが残った。
その孤立無援の絶望の中で、ローゼの胸にかすかな光がともる。それは前世の記憶――ブラック企業で心身をすり減らし、引きこもりとなった過去の記憶だった。地下牢という絶望的な空間が、彼女の心に小さな希望を芽生えさせる。
そして――スキル《引きこもり》が発動する兆しを見せた。絶望の牢獄は、ローゼにとって新たな力を得る場となる。《マイルーム》が呼び出され、誰にも侵入されない自分だけの聖域が生まれる。泣き崩れる心に、未来への決意が灯る。ここから、ローゼの再起と逆転の物語が始まるのだった。
特技は有効利用しよう。
庭にハニワ
ファンタジー
血の繋がらない義妹が、ボンクラ息子どもとはしゃいでる。
…………。
どうしてくれよう……。
婚約破棄、になるのかイマイチ自信が無いという事実。
この作者に色恋沙汰の話は、どーにもムリっポい。
お言葉ですが今さらです
MIRICO
ファンタジー
アンリエットは祖父であるスファルツ国王に呼び出されると、いきなり用無しになったから出て行けと言われた。
次の王となるはずだった伯父が行方不明となり後継者がいなくなってしまったため、隣国に嫁いだ母親の反対を押し切りアンリエットに後継者となるべく多くを押し付けてきたのに、今更用無しだとは。
しかも、幼い頃に婚約者となったエダンとの婚約破棄も決まっていた。呆然としたアンリエットの後ろで、エダンが女性をエスコートしてやってきた。
アンリエットに継承権がなくなり用無しになれば、エダンに利などない。あれだけ早く結婚したいと言っていたのに、本物の王女が見つかれば、アンリエットとの婚約など簡単に解消してしまうのだ。
失意の中、アンリエットは一人両親のいる国に戻り、アンリエットは新しい生活を過ごすことになる。
そんな中、悪漢に襲われそうになったアンリエットを助ける男がいた。その男がこの国の王子だとは。その上、王子のもとで働くことになり。
お気に入り、ご感想等ありがとうございます。ネタバレ等ありますので、返信控えさせていただく場合があります。
内容が恋愛よりファンタジー多めになったので、ファンタジーに変更しました。
他社サイト様投稿済み。
【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる