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墓荒らし
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──とてつもなく嫌な声が……
私はその声が近づくにつれ、顔が引き攣るのが分かります。
すぐにこの場から逃げ出したい……しかし、私は今フェンの上……
そこで、私が取った行動は……
──フェンと一緒に逃げましょう!!
「フェン!!行きますよ!!」
フェンに指示を出すと「ワゥ?」と一瞬たじろぎましたが、私の必死さが分かったのか、立ち上がりこの場から私を連れ出してくれようとしました。……しましたが、フェンの目の前にとてつもない表情で睨むヤンさんにフェンが縮こまり、作戦は失敗。
そうこうしているうちに、私の後ろから嫌な声がかかりました……
「──久しぶね、マリー……?」
振り返りたくない首をギギギと回すと……おりました、見目麗しい御仁が……
満面の笑みなのがまた怖さを引き立てますね……
「これはこれは、ラインハルト殿下。ご機嫌よう。こんな所に何用でしょう?」
どんな嫌いな奴でも挨拶、礼儀、謝罪はちゃんとしろと父様からの教えですので、ちゃんと挨拶はいたします。
よく見ると、殿下の後ろにはオスカー様に続き、第一騎士団長フリード様率いる騎士達もおりました。
そして、その顔は一様に曇っております。
──えっと、何故でしょう?
私が戸惑っていると、殿下が私の手を思っきり引き体勢を崩した私はフェンの上から落ち……たと思ったら何やら暖かい。
恐る恐る目を開け目の前を確認すると、どうやら殿下に抱きしめられているらしかったのです。
そして、私を抱きしめている腕は心做しか震えていました。
「……よかった……」
ようやく口を開いたかと思えば、安堵の言葉でした。
顔を上げて殿下を見れば、今にも泣き出しそうな顔をして私を見ていました。
──何故……そんな顔を……?
と言うか、何故ここに殿下達が!?
──もしや、キャリー様!?
そう思い、キャリー様を見ると「私は違う」とばかりに首を振っています。
キャリー様が違うと、後はエルさん!?……いえ、エルさんは戦闘中でした。
──他に誰が……?
その時「キュルルルル」とルーナの鳴き声が聞こえました。
そして、ルーナはそのままオスカー様の肩の上へ。
「……ルーナだよ。ここを教えてくれたの」
「はぁ~」とオスカー様が盛大に待機を吐き、頭を抱えながら教えてくれました。
──ルーーーナ~~~~~!!!!!
その答えを聞いて手で顔を覆いました。
まさかルーナが城へ行き殿下達を連れてくると誰が想像したでしょう。
オスカー様から聞いたところによると、この間のアンデッド襲撃の件を殿下、オスカー様、フリード様、カルム様、フリッツ様、ニコラ様と話し合っている時に執務室の窓を割ってルーナが飛び込んできたようです。
しかも、口には血で染った女物の服の切れ端。
すぐに私の物だと察した皆様はルーナの案内でここまでやって来た。という事らしいです。
──いつの間に私の服など……
きっとアンデッドと戦っている時に破れた物を拾ったのでしょう。
ルーナは私を助ける為の行動だと分かっているので、怒るに怒れません。私はこのやり場のない思いをどうしたものかと考え中です。
「全く、ルーナが咥えていた服の切れ端がお前の物だと分かったラインハルトを止めるのは一苦労したんだぞ?」
オスカー様が私を抱きしめている殿下を無理やり剥がし、私の頭を撫でてくれました。
「ちょっと!!何するのよ!!折角の感動の再会を!!」
「お前、そんな事言ってる場合じゃないだろ?──客人を待たせている」
おや?
客人?こんな場所に連れてきたんですか!?そんな訳ありませ……
「マリー」
そう名前を呼びながらこちらに向かってくる人物がありました。
──何故……貴方がここに!?
私はその声が近づくにつれ、顔が引き攣るのが分かります。
すぐにこの場から逃げ出したい……しかし、私は今フェンの上……
そこで、私が取った行動は……
──フェンと一緒に逃げましょう!!
「フェン!!行きますよ!!」
フェンに指示を出すと「ワゥ?」と一瞬たじろぎましたが、私の必死さが分かったのか、立ち上がりこの場から私を連れ出してくれようとしました。……しましたが、フェンの目の前にとてつもない表情で睨むヤンさんにフェンが縮こまり、作戦は失敗。
そうこうしているうちに、私の後ろから嫌な声がかかりました……
「──久しぶね、マリー……?」
振り返りたくない首をギギギと回すと……おりました、見目麗しい御仁が……
満面の笑みなのがまた怖さを引き立てますね……
「これはこれは、ラインハルト殿下。ご機嫌よう。こんな所に何用でしょう?」
どんな嫌いな奴でも挨拶、礼儀、謝罪はちゃんとしろと父様からの教えですので、ちゃんと挨拶はいたします。
よく見ると、殿下の後ろにはオスカー様に続き、第一騎士団長フリード様率いる騎士達もおりました。
そして、その顔は一様に曇っております。
──えっと、何故でしょう?
私が戸惑っていると、殿下が私の手を思っきり引き体勢を崩した私はフェンの上から落ち……たと思ったら何やら暖かい。
恐る恐る目を開け目の前を確認すると、どうやら殿下に抱きしめられているらしかったのです。
そして、私を抱きしめている腕は心做しか震えていました。
「……よかった……」
ようやく口を開いたかと思えば、安堵の言葉でした。
顔を上げて殿下を見れば、今にも泣き出しそうな顔をして私を見ていました。
──何故……そんな顔を……?
と言うか、何故ここに殿下達が!?
──もしや、キャリー様!?
そう思い、キャリー様を見ると「私は違う」とばかりに首を振っています。
キャリー様が違うと、後はエルさん!?……いえ、エルさんは戦闘中でした。
──他に誰が……?
その時「キュルルルル」とルーナの鳴き声が聞こえました。
そして、ルーナはそのままオスカー様の肩の上へ。
「……ルーナだよ。ここを教えてくれたの」
「はぁ~」とオスカー様が盛大に待機を吐き、頭を抱えながら教えてくれました。
──ルーーーナ~~~~~!!!!!
その答えを聞いて手で顔を覆いました。
まさかルーナが城へ行き殿下達を連れてくると誰が想像したでしょう。
オスカー様から聞いたところによると、この間のアンデッド襲撃の件を殿下、オスカー様、フリード様、カルム様、フリッツ様、ニコラ様と話し合っている時に執務室の窓を割ってルーナが飛び込んできたようです。
しかも、口には血で染った女物の服の切れ端。
すぐに私の物だと察した皆様はルーナの案内でここまでやって来た。という事らしいです。
──いつの間に私の服など……
きっとアンデッドと戦っている時に破れた物を拾ったのでしょう。
ルーナは私を助ける為の行動だと分かっているので、怒るに怒れません。私はこのやり場のない思いをどうしたものかと考え中です。
「全く、ルーナが咥えていた服の切れ端がお前の物だと分かったラインハルトを止めるのは一苦労したんだぞ?」
オスカー様が私を抱きしめている殿下を無理やり剥がし、私の頭を撫でてくれました。
「ちょっと!!何するのよ!!折角の感動の再会を!!」
「お前、そんな事言ってる場合じゃないだろ?──客人を待たせている」
おや?
客人?こんな場所に連れてきたんですか!?そんな訳ありませ……
「マリー」
そう名前を呼びながらこちらに向かってくる人物がありました。
──何故……貴方がここに!?
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