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十四
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「ヒーラギ、目を開けて」
「ニュ」
ブランとスラに言われて、びっくりして瞑った瞳を開けた。飛び込んできたのは大自然だけと、瘴気がはびこり体にまとわり付いてきて気持ち悪い。
幾度となく騎士団との遠征で見てきた瘴気。
小さな生き物達が住む、木々が青々と育つ綺麗な森にも魔物がいるんだ。
「ヒーラギ?」
眉をひそめて森を見ている、私を心配したんだ。
「ブラン、あのね。綺麗な森なのだけど瘴気に満ち溢れているわ。体に纏わりついて気持ち悪い」
「そうか……この辺りまで瘴気が来ちまった。……ふうっ、ヒーラギはやっぱ凄いな。俺は訓練してようやく瘴気が感じられるようになったのに、ヒーラギには目に見えているのか」
ううん違う、と私は頷く。
「私だって初めは感じるだけだったよ。騎士団との遠征に何度も着いて行くようになってから、だんだんと見えるようになっていったの……ブランだって、いつかは見てるようになると思う。……でも、見えない方がいいよ」
瘴気を見られないのなら、そのままがいい。瘴気とは黒くドロドロしたもの、たまに人の形で揺れ動く、または動物の形。私が遠征に着いて行くようになる前に魔物と戦い、命を落とした人の形を見たとき、
――恐怖で、悲鳴を噛み砕いた。
「まったくヒーラギは自分自身の心配より、俺の心配かよ……お前は前と同じだな」
前? それはいつの話だと、ブランに聞こうとしたとき、
『ほおぅ、君は瘴気がほんとうに見えているんだね、ブラン嫁』
「え、ブラン嫁?」
側で、軽い喋りの男の人の声が聞こえてきた。
声の出どころを見ると、そこにエメラルドグリーンの長い髪と瞳、ブランと似たチュニックの服を着た耳長族ーーエルフの男性がいた。見かけだけ見ると女性にも見える中性的な人だった。
でもこの人、半透明じゃない?
「ユ、ユ、ユ!」
「ニュ?」
「ユ?」
『フフッ』
「ユーレイ、始め見た!」
物語で読んだ事がある、この世に未練を持ち亡くなるとユーレイになり化けてでると、幽霊ってこういう風に半透明なのね。ユーレイをまじまじ見ていた、そのユーレイはプルプルと体を震わせて笑いだす。
『ぷははっ、僕はユーレイじゃなよ、ブラン嫁』
また嫁!
「ロン師匠、ヒーラギはまだ俺の嫁ではありません」
『えー嫁じゃなかったらなに? ブランはヒーラギを嫁にするって言っていたよね』
「それは言いましたが物には順序があるんです。いきなり、承諾も無しに嫁にはできませんよ」
反論しながらも、ブランの顔は真っ赤だ。
『ブランは可愛いな、嫁も可愛い。さすがブランが幼い頃に目をつけただけある。僕が祝いにハープを引いてあげよう』
エルフは陽気にシャラランと、何処から出したのかわからない、小さなハープを引き作った歌を口ずさみ始めた。
『ああ~ずっと君を幼い頃から可愛い~可愛い~、いつかは自分の嫁に欲しいと言っていた~教え子が、ほんとうに嫁を~さらって、連れて帰ってきたぁ~』
「さらって? 違います師匠やめてください! その話も男同士の秘密だって言いましたよね!」
『そうだっけ?』
「ニュ」
『スラもそう怒るなよ』
三人は森の中で追いかけっこを始めた。
彼らは知り合いで、仲がいいみたい……でも、エルフの言っていることはおかしい。ブランとはまだ今日、出会ったばかり。しかしーー彼は私とブラウンが昔に会ったことがある言い方をした。
それはブランもで彼は聖女を求めてと、言っていたのに、初めから私のことを知っているみたいに聞こえる。
「ねぇ、ブランと私は昔に会ったことがあるの?」
「え! っと、それは……」
口を濁した、ブランだけど。
横からエルフが教えてくれる。
『あるよ、国境付近の家でね。ついでに言うと、僕もその場にいたよ』
国境付近の家って私が行こうとしていた、オンボロ別宅? 昔は研究好きな父方のお爺様と料理と花が好きなお婆様が住んでいた。二人が亡くなり空き家になっている。
そこでの思い出はいろんな品種の花と、薬草が咲く庭と、お茶とお婆様が作ったお茶菓子。
私が九歳で弟が七歳のとき、しばらくお爺様とお婆様の所に預けられていた。庭で遊んでいて大怪我をした、弟を治そうとして私に癒しの力が現れた。
弟の大怪我を治した以外に私に、
「記憶がないわ?」
『そうだよ。僕が君の記憶から、僕達のことは消したからね……』
「ニュ」
ブランとスラに言われて、びっくりして瞑った瞳を開けた。飛び込んできたのは大自然だけと、瘴気がはびこり体にまとわり付いてきて気持ち悪い。
幾度となく騎士団との遠征で見てきた瘴気。
小さな生き物達が住む、木々が青々と育つ綺麗な森にも魔物がいるんだ。
「ヒーラギ?」
眉をひそめて森を見ている、私を心配したんだ。
「ブラン、あのね。綺麗な森なのだけど瘴気に満ち溢れているわ。体に纏わりついて気持ち悪い」
「そうか……この辺りまで瘴気が来ちまった。……ふうっ、ヒーラギはやっぱ凄いな。俺は訓練してようやく瘴気が感じられるようになったのに、ヒーラギには目に見えているのか」
ううん違う、と私は頷く。
「私だって初めは感じるだけだったよ。騎士団との遠征に何度も着いて行くようになってから、だんだんと見えるようになっていったの……ブランだって、いつかは見てるようになると思う。……でも、見えない方がいいよ」
瘴気を見られないのなら、そのままがいい。瘴気とは黒くドロドロしたもの、たまに人の形で揺れ動く、または動物の形。私が遠征に着いて行くようになる前に魔物と戦い、命を落とした人の形を見たとき、
――恐怖で、悲鳴を噛み砕いた。
「まったくヒーラギは自分自身の心配より、俺の心配かよ……お前は前と同じだな」
前? それはいつの話だと、ブランに聞こうとしたとき、
『ほおぅ、君は瘴気がほんとうに見えているんだね、ブラン嫁』
「え、ブラン嫁?」
側で、軽い喋りの男の人の声が聞こえてきた。
声の出どころを見ると、そこにエメラルドグリーンの長い髪と瞳、ブランと似たチュニックの服を着た耳長族ーーエルフの男性がいた。見かけだけ見ると女性にも見える中性的な人だった。
でもこの人、半透明じゃない?
「ユ、ユ、ユ!」
「ニュ?」
「ユ?」
『フフッ』
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『ぷははっ、僕はユーレイじゃなよ、ブラン嫁』
また嫁!
「ロン師匠、ヒーラギはまだ俺の嫁ではありません」
『えー嫁じゃなかったらなに? ブランはヒーラギを嫁にするって言っていたよね』
「それは言いましたが物には順序があるんです。いきなり、承諾も無しに嫁にはできませんよ」
反論しながらも、ブランの顔は真っ赤だ。
『ブランは可愛いな、嫁も可愛い。さすがブランが幼い頃に目をつけただけある。僕が祝いにハープを引いてあげよう』
エルフは陽気にシャラランと、何処から出したのかわからない、小さなハープを引き作った歌を口ずさみ始めた。
『ああ~ずっと君を幼い頃から可愛い~可愛い~、いつかは自分の嫁に欲しいと言っていた~教え子が、ほんとうに嫁を~さらって、連れて帰ってきたぁ~』
「さらって? 違います師匠やめてください! その話も男同士の秘密だって言いましたよね!」
『そうだっけ?』
「ニュ」
『スラもそう怒るなよ』
三人は森の中で追いかけっこを始めた。
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「ねぇ、ブランと私は昔に会ったことがあるの?」
「え! っと、それは……」
口を濁した、ブランだけど。
横からエルフが教えてくれる。
『あるよ、国境付近の家でね。ついでに言うと、僕もその場にいたよ』
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私が九歳で弟が七歳のとき、しばらくお爺様とお婆様の所に預けられていた。庭で遊んでいて大怪我をした、弟を治そうとして私に癒しの力が現れた。
弟の大怪我を治した以外に私に、
「記憶がないわ?」
『そうだよ。僕が君の記憶から、僕達のことは消したからね……』
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