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24.強制的停戦
しおりを挟む「さて、サクサク終わらせましょう」
「何を言ってるのだ?」
「貴様は誰だ?」
陥没から少し離れた場所でミノムシになった二人の王。風の王様と火の国の王様がそれぞれ騒ぐ。
あー、煩い。
私は、地面に転がっている二人を腕を組んで見下ろした。
「今の貴殿方の状況わかってますよね? 今から片手だけ自由にしますから、これに手を触れてもらえます?」
転がっている二人の前に私は屈み、一つの巻物を広げて見せた。
「「何だそれは?」」
「私が書きました。ザックリ説明すると、私の国は停戦します、今日から戦しませんと書いてあります」
そして当然。
「選択肢はなく、これに触れれば契約は成立します」
二人の王はピタリと黙りこんだ。流石に王様をしているだけあって二人ともキレたりはしないようだ。
「…ソレは神の物か?」
「だろうな」
「神気が強くでている」
二人はブツブツ巻物を見ながら話す。
察しがよくて助かるわ。
「当たりです。ただ触れれば終わりなのでお願いできますか?」
「断る」
「生意気な小娘がっ」
めんどいな。
「最後よ」
「「何がだ?」」
「承諾しないなら貴殿方を含め両国の兵士の命を全て消す。魔力奪うの加減してあげたのよ?」
口を開きかけた二人を黙らす。
二人に何かを放つように手を向けた。
「分からないの?」
説明するのも億劫だわ。
「私は異世界の人間で、神からの力も得ている。貴殿方の国が世界がどうなろうと本当なら知ったこっちゃないのよ。だけど、一気に消せば済むのに手間をかけてるの」
ああ、話していて段々ムカついてきた。
「そもそも、アンタ達がしっかりしてれば、誰も召喚なんてやらないだろうし、私が来ることもなかったのよ!」
一気に吐き出しゼイゼイする。
いけない、興奮しちゃったじゃない!
「時間の無駄だね」
私はミノムシの一人の頭をわし掴みにし、巻物に押し付けそれが済むと転がした。
「グッ!何を!」
「無礼なっ!」
無視し、残りの一人にも同じ作業をした。最後に私もだが、勿論手で巻物に触れた。一瞬だけ、強い花の香りと花びらが舞い消えていく。
よし、手じゃなくても大丈夫そう。
多分できた…はず。
「ノア、悪いけどこの二人を咥えて少し飛んでくれる?」
「……」
「後でブラッシングたっぷりしてあげる」
「キュ!」
ノアは元気に返事をし、バクリと咥えた。
うん、素直でよろしい。
「何をするつもりですか?」
ヴァルの背にまだ気を失っているリューナットさんを乗せながらラジウスさんが聞いてきた。
「平和にお帰り頂く為の最後の仕上げ」
私は、手をふり先に行ってと合図をした。
「すぐに追いかけるので、転移場所まで先に行って下さい」
じっと見てくる彼に私はノアに飛び乗りながら言った。
「カッコいい顔がそんな眉間にシワばかりだと台無しよ?」
「何を」
「じゃ、後でラジ」
私に呼び捨てにされた彼は、珍しく目を見開いて驚きを顔に出した。
移動しながらノアに話しかけた。
「元がかなりいいんだから、もっと表情豊かになればいいのにね」
「フン」
「…ノアは、ラジウスさん嫌いなの?」
「フンッ!」
今、二人を咥えているので鼻息で文句を言うノア。なんか最初から態度が彼に対してだけ凄く悪い気がするのよね。気のせいかな。
ザワザワ。
「あれはっ?!」
「陛下!」
どうやら兵士達が目を覚まし始めたようだ。
攻撃されないギリギリまで高度を下げてゆっくり旋回してもらう。
私は緑色の腕輪に触れ話しかけた。
「風、悪いけど、さっきお願いした事できる?」
『うん。できたよ』
私は、できるだけ声をはりあげ陥没した底にいる兵士達に話しかけた。
「両国の王様の命もらっていいかしら? ついでに今、少しでも動いたら皆さんの命も消すから」
私の声は風にお願いした結果、物凄い大音量となって平原に響き渡った。
さて、最後の締めといきましょうかね。
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