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85.ラジウスの災難
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大きな鎌は、私の頭に到達するまであと少し、というところで消えた。
暗い室内は不気味なくらい無音だ。
──セーフ。
「はぁ。流石に緊張したわ」
心臓に悪いと息をはき右手を動かそうとして、まだ手を繋いだままだった。その手の持ち主に文句を言う。
「寸前で守ろうとか、どんだけイケメンなんだか。やめてよね」
ラジは、刃が振り下ろされる瞬間、私の手を引き抱えこんだのだ。だから正確には鎌が当たるのはラジの頭が体が先でその差は数センチだった。
心臓に悪すぎる。
「あれは何だ?」
ラジさんや、今度は無視ですか。
私の声が聞こえているはずなのに完全無視。仕方なく彼の視線を辿るとまるで蛍光塗料が塗られたように光り黄色く浮かび上がる何か。
「不用意に触れるな」
「でも、いかにも見つけてって感じだし」
派手な箱に伸ばした手を掴まれ叱られた。私は幼稚園児か。最近彼の過保護度が増している気がする。
「ノア、これ悪いのじゃないでしょ?」
「キュ」
「ほら、大丈夫そうよ」
「だだ鳴いただけじゃないのかって、ユラっ!」
ノアに問題ないと言われた。いえ、そう聞こえたと解釈した私は、輝きは立派だけどよく目を凝らすとお粗末なボロい正方形の木の箱をラジの制止をきかずに開けた。
ゴンッ!
「えっ!」
何かが飛び出し、それは隣のラジの頭に当たりそうになったみたいだけど彼は剣の柄で防いだようだ。
「暗くてよく分からないけど石かしら?」
ラジが跳ね返しキャッチし握った手をひらいた。それは白い楕円の石にみえた。だけど。
ピシッ
何やら滑らかな表面にヒビが入り始めた。危険な物かもしれないから、すぐに距離をおくべきなのに。この時の私達と一匹は、何故かソレから目が離せなくて。
「ビギャ」
何だろう。かなり残念な鳴き声だ。意外にも可愛いつぶらな目を持つそれはラジをひたと見つめている。
「ワニそっくりなんだけど。あっ」
手のひらサイズのワニもどきは、どうやら羽がついているらしく馴れないのかぎこちなく浮いた。
ボトッ
なんとワニもどきが落ち着いた場所は、ラジの頭の上だった。
「ブフッ!」
是非、想像してみて欲しい。
クール系イケメンの頭の上に小さなワニが猫が手を隠して座る、いわゆる香箱座りを乗せている姿を。
「に、似合ってるわよ」
いかん。どもってしまった。
「退け。今すぐ降りっ…」
「ピギャギャ!」
ラジが、頭からワニもどきを剥がそうとしたら、立派なトケトゲの尾を振り回し彼の手や頭に強く打ち付けた。
「…凍らせてやろうか」
ラジはマジ切れ寸前である。湯気が出そうになるほど苛立つ彼は初めて見た。
「まぁまぁ。とりあえず神器達に聞いてみたいから部屋出ようよ」
「ピーギャ」
「あら、あなたもそう思う?」
「勝手に解釈するな」
でも、会話が理解できているように感じるけど。
「とりあえず怪我も治療しましょうよ」
嘘じゃなくて、かなり疲れた。部屋に認められたなら灯りなども用意しまた戻ってくればいいしと説得すれば、彼は渋々ながらも従った。
通路を黙々と歩いて、ナウル君の部屋にたどり着いた頃には、ラジの怒りの湯気もおさまったはずだったのに。
「ブフー! わざとか? それわざとだろ?!」
まだ部屋にいたマート君に爆笑され、ラジの怒りは容易に復活したのだった。
暗い室内は不気味なくらい無音だ。
──セーフ。
「はぁ。流石に緊張したわ」
心臓に悪いと息をはき右手を動かそうとして、まだ手を繋いだままだった。その手の持ち主に文句を言う。
「寸前で守ろうとか、どんだけイケメンなんだか。やめてよね」
ラジは、刃が振り下ろされる瞬間、私の手を引き抱えこんだのだ。だから正確には鎌が当たるのはラジの頭が体が先でその差は数センチだった。
心臓に悪すぎる。
「あれは何だ?」
ラジさんや、今度は無視ですか。
私の声が聞こえているはずなのに完全無視。仕方なく彼の視線を辿るとまるで蛍光塗料が塗られたように光り黄色く浮かび上がる何か。
「不用意に触れるな」
「でも、いかにも見つけてって感じだし」
派手な箱に伸ばした手を掴まれ叱られた。私は幼稚園児か。最近彼の過保護度が増している気がする。
「ノア、これ悪いのじゃないでしょ?」
「キュ」
「ほら、大丈夫そうよ」
「だだ鳴いただけじゃないのかって、ユラっ!」
ノアに問題ないと言われた。いえ、そう聞こえたと解釈した私は、輝きは立派だけどよく目を凝らすとお粗末なボロい正方形の木の箱をラジの制止をきかずに開けた。
ゴンッ!
「えっ!」
何かが飛び出し、それは隣のラジの頭に当たりそうになったみたいだけど彼は剣の柄で防いだようだ。
「暗くてよく分からないけど石かしら?」
ラジが跳ね返しキャッチし握った手をひらいた。それは白い楕円の石にみえた。だけど。
ピシッ
何やら滑らかな表面にヒビが入り始めた。危険な物かもしれないから、すぐに距離をおくべきなのに。この時の私達と一匹は、何故かソレから目が離せなくて。
「ビギャ」
何だろう。かなり残念な鳴き声だ。意外にも可愛いつぶらな目を持つそれはラジをひたと見つめている。
「ワニそっくりなんだけど。あっ」
手のひらサイズのワニもどきは、どうやら羽がついているらしく馴れないのかぎこちなく浮いた。
ボトッ
なんとワニもどきが落ち着いた場所は、ラジの頭の上だった。
「ブフッ!」
是非、想像してみて欲しい。
クール系イケメンの頭の上に小さなワニが猫が手を隠して座る、いわゆる香箱座りを乗せている姿を。
「に、似合ってるわよ」
いかん。どもってしまった。
「退け。今すぐ降りっ…」
「ピギャギャ!」
ラジが、頭からワニもどきを剥がそうとしたら、立派なトケトゲの尾を振り回し彼の手や頭に強く打ち付けた。
「…凍らせてやろうか」
ラジはマジ切れ寸前である。湯気が出そうになるほど苛立つ彼は初めて見た。
「まぁまぁ。とりあえず神器達に聞いてみたいから部屋出ようよ」
「ピーギャ」
「あら、あなたもそう思う?」
「勝手に解釈するな」
でも、会話が理解できているように感じるけど。
「とりあえず怪我も治療しましょうよ」
嘘じゃなくて、かなり疲れた。部屋に認められたなら灯りなども用意しまた戻ってくればいいしと説得すれば、彼は渋々ながらも従った。
通路を黙々と歩いて、ナウル君の部屋にたどり着いた頃には、ラジの怒りの湯気もおさまったはずだったのに。
「ブフー! わざとか? それわざとだろ?!」
まだ部屋にいたマート君に爆笑され、ラジの怒りは容易に復活したのだった。
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